仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
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「コワ~イ」本

2011-08-09 13:26:19 | 私の本棚から

ここ最近読んだ中で、

最も怖くなった本。

塩野七生 「男たちへ」

初出は20数年前、だからまさに「今更」読んだのですが・・・。

 

サブタイトルにもあるとおり

「フツウの男をフツウでない男にするために」

「知識」から

「発する言葉」

「服装」

「人間関係」

ヒトの活動のあらゆる方面において、

女史なりの鋭く上質な意見が展開されています。

 

それのどこが怖いのか・・・

まず、「男たちへ」といいつつ、「女たち」にも共通する

愚かしさがさらりと指摘されていること。

    ここでドキリ。

 

そして、

かのアラン・ドロンを例に挙げ

「付け焼刃でマナーを習得したものは

 そのマナーが完璧であるがゆえに付け焼刃であることを露呈する」

(と、いうような意味)と、容赦なく

   ここでヒヤリ

 

さらに、

『「スタイル」(私は『品格』と解釈した)というものは

氏にも育ちにも貧富にも美醜にも関係なく

持っている人はもっていて、

持っていない人はもっていないもの』

さらには

『どういう環境にあってもゆるぎないもの』

とくる。

 

つまりは「スタイル」あるいは「品格」などというものは

あこがれたり目指したりして手に入る種類のものではなく、

また、持っているかどうかも自分では判断不可能ということ。

 

ここまでくると

もう冷汗だらだら、背中ゾクゾク・・・気分はもう崖っぷち。

 

鏡をのぞいて己の卑小さに

 

ってなりそうです。

 

小人は高望みせず、

せいぜい人様を不愉快にさせないようなあり様を

めざしましょう。

 

 

それはさておき、「品格」といえば

数年前、話題を呼んだ

「女性の品格」なる本の目次。

「礼状が書ける」「きちんとした挨拶ができる」

「姿勢を正しく保つ」・・・・・・。

 

 

「男たちへ」から20数年。

目指すべき「品格」も

随分お手軽になったようです。

 

それとも、

簡単なところから始めなきゃならないほど

ヒトの「品質」が下がった、ってことでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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