イーグルスは、中学生の頃、よく聴いた。
「ホテル・カリフォルニア」、そして、「しょせん、ボクらは、このサッド・カフェに集まった仲間に過ぎなかった・・・」と70年代の終わりと自らの活動停止を宣言し終えた「ロング・ラン」。
よく聴いた2枚のレコード。
「ホテル・カリフォルニア」は素晴らしい曲に満ちているが、そのアルバムB面3曲目に収まった曲で「PRETTY MAIDS IN A ROW」、日本語タイトル「お前を夢見て」には、様々な想い出がある。
中学生の夕暮れ時に聴いたこのアルバム。
その後、数十年を経て、いきなり右も左もわからない大阪に放り出されてスタートした社会人生活。
人間、苦労した時期が一生忘れられなくなるように、5年の濃厚なときは、今でもボクの基盤を成している。
5年を過ごして、大阪が好きでたまらなくなり東京へ戻るのが嫌でたまらなかった自分。
引き裂かれるようにして戻った東京・1996年3月。
かつてあった東京では無くなっていた浦島太郎状態で、テレビが流れていた。
「世界の車窓から」。
そこでどこか外国の旅路の窓から見える月。
そのときバックでかかったのが、イーグルスの「お前を夢見て」だった。
ゆったりした流れのこの曲に、安堵を覚えると共に、東京に帰ってきたのだなという感覚がやっと戻った記憶がある。