土曜、やっとまっとうな暑さとなる。
それまでがひどかったので涼しいと思うくらいの錯覚。
明らかに熱中症,、といったことに、このあたり三・四回出会った。
めまいや苦しさから、水を飲みつつ街の一角にへたっていたこともあった。
この土曜、歩き進む途で、へたることはなかった。
苦しさを覚えることもなく、何気なく2万歩以上をあっという間に過ぎており、すいすい旅していた。
だが、それでも汗はかく。この夜珍しく長く寝た。寝過ぎて首痛・腰痛で起きる。
日曜も歩いた。
それまでにないまっとうな汗をかいて、雲を追い掛けた。
■Aztec Camera 「Stray」1990■
社会人になってから初めて異国・大阪に降り立ったとき、大学以来の優しい友人が助けてくれた。
彼は芦屋生まれで、自国に戻っていた。ほんの数日しか借家を探すヒマも無い中、一緒に数日付き合ってくれた。そのとき彼が運転しながら掛けたカセットテープが、このアズテック・カメラだった。
彼は私より年上。精神的に問題をきたし留年した彼。そんな頃、彼と出会った。
お互い20そこそこ。それ以来の付き合いとなる。
当時、カラカラ笑う彼の見た目は、まるで少年がそのままといったさまで、人懐っこい彼とすぐ友達になった。
借家探しをするさなか「Stray」から切り替えて、日曜FMから教授の昼のラジオ。
それは、私が要求したものかもしれない。異国に来て心細かったのかもしれない。
その番組から「ストロング・リラックス」が流れた瞬間は、御堂筋。
夏のような日差しの中、アスファルトからの照り返し。強いギラギラした太陽がその曲に混じった風景。
その夜、彼は神戸の温泉ランドに連れて行ってくれて、共に湯に浸かり旅の疲れをいやした。
その数年後、震災に出会い、いろいろあるとはつゆ知らず。
今日、青空と入道雲。その中聴く「Stray」は、意外な響きをした。