心身壊して、それまでの社会的生活が営めなくなり、リハビリ生活に入って4年近くが経つ。
それは、世の中が一変して→戻った、コロナの始まりと終わりの期間におおよそ符合する。
この4年のあいだに、それまで自分が生きてきた半世紀の道を振り返りつつ、同時に、徐々にではあるが、大量の持ち物を処分し始めた。
/まあ、あいだに実家を解体したせいもあるが。。。
そこで気付いたのが、処分が一向に進まない理由。→過度な過去のモノへの執着。
音楽もその一部だったりする。
堆積しているレコードやカセットやCD、PCに収めた音楽類。
・当時は理屈抜きで延々と聴いていたはずの音楽も、ただ捨てずに持っているだけの収集物に化してしまったものも多い。
・ほんとうに今でもその曲が好きならば、今でもハッピーになれるはずなのに、今聴いたらもうハッピーになれない曲も多い。
・様々な情報を通し、屁理屈踏まえて、ただ持っているだけで自分に繋ぎとめている楽曲も多い。
こういったものにサヨナラを言って身軽になりたい。。。
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というと、持っている過去の楽曲ばかり聴いているのか?といえば、そうでもない。
レーベル「Music From Memory」の楽曲・音楽たちも、このコロナ禍で知ることが出来た新しい出会いの1つである。
内容的には、浮遊感あるアンビエントが多く占め、自分の大好物のサウンド傾向。聴いているといつかどこかで聴いたことがあるような既知感が生まれる。
果たしてどこでそれを聴いたのだろうか?と内界を探り、過去聴いた楽曲がランダムに浮かぶものの、その源泉にはたどり着かない。
それは朝起きたあと、見た夢にたどり着けない感覚に似ている。
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この1~2週間よく聴いているのは、一昨年に発表された、アメリカLAの音楽家 アレックス・ホウの「Move Through It」という作品。これがデビュー盤という。
猛暑を抜けてクールダウンへと向かう、夕暮れ時から深夜にかけてこれを聴いている。
「今」という実に狭い領域を離れて、心が浮遊していく。
■Alex Ho「Neary」2021■
ジャケットの美しさも含めて、夕陽評論家の油井昌由樹さんにも教えたい一枚。