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国内初、混合プラスチックの再資源化で実証 出光、千葉事業所でリサイクル年間1.5万トン

2021-05-10 07:27:16 | 日記
出光興産は7日、千葉事業所で環境エネルギー社(本社広島県福山市)と国内初の混合プラスチックを含む廃プラリサイクル事業の実証に向けた検討を開始すると発表した。
この実証は、環境エネルギー社の廃プラ分解技術と千葉事業所の石油精製・石油化学装置を活用し、年間1.5万トンの廃プラスチックの再資源化を目標に、国内初の廃プラスチックのリサイクルチェーン構築を目指す。具体的には、環境エネルギー社が収集した廃棄プラスチックを千葉事業所内に建設するHiCOP技術(HiBD研究所が発明した触媒による接触分解技術)を用いた装置で油化し、さらに石油精製・石油化学装置で精製・分解・再合成紙、プラスチック樹脂に再生する。
近年、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化など国内外で廃プラ問題がクローズアップされ、日本では今年3月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が閣議決定されるなど、プラスチックの資源循環を一層促進する重要性や社会的ニーズが高まっているものの、国内では現在、約900万トン/年の廃プラスチックのうち、再生品への利用は3割弱にとどまっており、5割以上の廃プラスチックは再生利用が困難であることから、燃焼して熱などを回収するのみにとどまっている。
一方で菅首相の「2050年カーボンニュートラル宣言」に基づき、政府が昨年12月に策定したグリーン成長戦略実行計画では、プラスチックなどのリサイクル技術やコスト低減が盛り込まれるなど、いわゆるケミカルリサイクルのニーズが高まっているが、リサイクルには多くの熱を使用するため、技術革新が求められる状況にある。出光興産と環境エネルギー社はこうしたニーズに応えるため、実証を通じて従来にない革新的なリサイクル技術の確立を目指すことにした。出光興産は原油精製からプラスチック製造まで一貫して行っている強みがあり、国内外で先進的な廃プラを油化したリサイクルを実現することで低炭素社会に貢献する。

石油通信社
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