コスト続落、スポット市況勘案も 元売週仕切、５週連続値下げ通知

石油元売各社の11月第３週から４週にかけての仕切価格（卸価格）は、原油価格が続落していることなどを受けて５週連続の値下げが通知されている。
原油価格は、イラン制裁による原油需給への影響が限定的だったことに加え、ロシアやイランの増産と米中貿易摩擦による世界経済の冷え込みを懸念し軟化していた。こうしたことを受けて元売各社は５週連続の値下げを通知したが、原油コスト以上の値下げ幅になっているとの見方もあり、一部元売はスポット安の状況を勘案した打ち出しを行ったのではないかとの見方もある。
石油元売各社の仕切価格の指標は、直近の原油コストを反映しているが、スポット市況なども勘案して打ち出す方針を変えていない。近年は元売再編や精製能力削減などで需給適正化し原油コストを強く意識した打ち出しが行われているが、今後もケース・バイ・ケースでさまざまな要素が反映される可能性があるものとみられる。

石油通信社