先日、第165回芥川賞を受賞した石沢麻依著の『貝に続く場所にて』を読んでみました。
主人公の「私」は2011年3月11日に自分の故郷で東日本大震災に遭遇し、直接の被災は免れましたが、知人の野宮は行方不明になりました。
その「私」は、現在(新型コロナウイルス感染症も出てくるので本当に現在)、ドイツに留学中です。
その「私」のもとに、行方不明中の野宮が連絡をくれて会いに来たのです。
実は、このドイツの町では現在と過去が混在することがあって、以前、この町に滞在したことのある寺田寅彦までもが登場してきます。
だから、もう死んでいる人も生きているのです…。
少し混同しながら読み進めると後でそれらが何となく結びついていって、そんな不思議な話ではなかったというような読後感が得られます。
作者が物語の中にいろいろな要素を入れ込みますが、それが綿密に結びついていく、そんなお話です。
次にはどんな作品を発表するのか、この新人作家に期待してみたいと思います。
ちなみに寺田寅彦については、以下の記事に書いています。
寺田寅彦「震災日記より」(大正十二年八月二十六日の日記より) - 山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)
読書案内:寺田寅彦『天災と日本人 寺田寅彦随筆選』(角川ソフィア文庫) - 山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)
主人公の「私」は2011年3月11日に自分の故郷で東日本大震災に遭遇し、直接の被災は免れましたが、知人の野宮は行方不明になりました。
その「私」は、現在(新型コロナウイルス感染症も出てくるので本当に現在)、ドイツに留学中です。
その「私」のもとに、行方不明中の野宮が連絡をくれて会いに来たのです。
実は、このドイツの町では現在と過去が混在することがあって、以前、この町に滞在したことのある寺田寅彦までもが登場してきます。
だから、もう死んでいる人も生きているのです…。
少し混同しながら読み進めると後でそれらが何となく結びついていって、そんな不思議な話ではなかったというような読後感が得られます。
作者が物語の中にいろいろな要素を入れ込みますが、それが綿密に結びついていく、そんなお話です。
次にはどんな作品を発表するのか、この新人作家に期待してみたいと思います。
ちなみに寺田寅彦については、以下の記事に書いています。
寺田寅彦「震災日記より」(大正十二年八月二十六日の日記より) - 山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)
読書案内:寺田寅彦『天災と日本人 寺田寅彦随筆選』(角川ソフィア文庫) - 山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)