山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)

英語教育、国際姉妹都市交流、ジョン・スタインベック、時事英語などの研究から趣味や日常の話題までいろいろと書き綴ります。

読書案内:『貝に続く場所にて』(石沢麻依著)

2021-08-28 22:00:31 | 日記
先日、第165回芥川賞を受賞した石沢麻依著の『貝に続く場所にて』を読んでみました。

主人公の「私」は2011年3月11日に自分の故郷で東日本大震災に遭遇し、直接の被災は免れましたが、知人の野宮は行方不明になりました。

その「私」は、現在(新型コロナウイルス感染症も出てくるので本当に現在)、ドイツに留学中です。

その「私」のもとに、行方不明中の野宮が連絡をくれて会いに来たのです。

実は、このドイツの町では現在と過去が混在することがあって、以前、この町に滞在したことのある寺田寅彦までもが登場してきます。

だから、もう死んでいる人も生きているのです…。

少し混同しながら読み進めると後でそれらが何となく結びついていって、そんな不思議な話ではなかったというような読後感が得られます。

作者が物語の中にいろいろな要素を入れ込みますが、それが綿密に結びついていく、そんなお話です。

次にはどんな作品を発表するのか、この新人作家に期待してみたいと思います。

ちなみに寺田寅彦については、以下の記事に書いています。

寺田寅彦「震災日記より」(大正十二年八月二十六日の日記より) - 山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)

読書案内:寺田寅彦『天災と日本人 寺田寅彦随筆選』(角川ソフィア文庫) - 山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)


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岡山県井原市内の渋沢栄一ゆかりの地:桜渓塾跡

2021-08-28 21:39:19 | 日記
先日、紹介した井原市文化財センターの「渋沢栄一と井原」展で井原市内の渋沢栄一のゆかりの地が紹介されていましたので、そのうちのいくつかを訪問してみました。
OGPイメージ

渋沢栄一と井原展鑑賞 - 山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)

現在、NHKの大河ドラマで放送中の『青天を衝け』、オリンピック期間は放送がありませんでしたが、オリンピックが終了してまた再開されました。しか...

渋沢栄一と井原展鑑賞 - 山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)

 


井原の地には興譲館の館長で儒学者の阪谷朗盧(さかたにろうろ)がいました。

興譲館は今では興譲館高校となっています。

その阪谷朗盧が開いた漢学塾を桜渓塾(おうけいじゅく)であり、その跡地に朗盧阪谷先生垂帷跡の碑があります。









この石碑の字は栄一が揮毫したものです。




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