kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『そして父になる』を観て

2013-10-05 18:54:09 | 映画・邦画

13-79.そして父になる
■英題:Like Father,Like Son
■配給:ギャガ
■製作年、国:2013年、日本
■上映時間:120分
■料金:0円(ポイント利用)
■観賞日:10月5日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)

 

□監督・脚本・編集:是枝裕和
◆福山雅治
◆真木よう子
◆リリー・フランキー
◆小野真千子
◆二宮慶太
◆黄升
◆井浦新
◆風吹ジュン
◆國村隼
◆夏八木勲
◆樹木希林
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
『誰も知らない』などの是枝裕和監督が子どもの取り違えという出来事に遭遇した2組の家族を通して、愛や絆、家族といったテーマを感動的に描くドラマ。順調で幸せな人生を送ってきたものの、運命的な出来事をきっかけに苦悩し成長する主人公を、『ガリレオ』シリーズの福山雅治が演じる。
学歴、仕事、家庭といった自分の望むものを自分の手で掴み取ってきたエリート会社員・良多。自分は成功者だと思っていた彼のもとに、病院から連絡が入る。それは、良多とみどりとの間の子が取り違えられていたというものだった。6年間愛情を注いできた息子が他人の子だったと知り、愕然とする良多とみどり。取り違えられた先の雄大とゆかりら一家と会うようになる。血のつながりか、愛情をかけ一緒に過ごしてきた時間か。良多らの心は揺らぐ……。

今の様な時代に本当に子供の取り違えなんかあるのかな?ってな感じのテーマですね。 だが、果たして親子として生活してきた中で、簡単に本来の親子としての家庭に馴染めるのか?特に、子供の成長期に与える影響は大きいでしょう。
福山雅治は都内の高層マンションで恵まれた環境での生活、一方のリリー・フランキーは自営業で賑やかな家庭と対照的だ。6年間の育ての親から実験的に週末だけ本来の親との生活、しかも子供には明確に理由が告げられない中での交換生活。
そもそもこうなったのは病院側に大きな問題があって、看護婦が妬んでやったのですが、ストーリー的には「誰がやった」のかは重要では無いですね。と言うか、福山雅治演じる良太自身も実母と継母との関係に悩んでいたり、仕事に忙しくて子育てにまで手が回らないなど、そういう部分は電気店を営んでいる斉木家の方が子供に取っても楽しそうに映るでしょうね。

この作品の良い所は、子供取り違えを事件として扱うのではなく、不幸にして起こった事故として扱い、むしろ、親子関係のあるべき姿を提起している点に有る。育ての親と血の繋がった親、子供はどちらを選ぶのだろうか?という問いに対してラスト・シーンは意味深だったが、明確に答えを出さずに終わっていた。
海外の映画祭でも好評を博しアメリカでのリメイクも決まっているらしいが、エンディングからはむしろフランス映画の様な作り方だから欧州でのリメイクの方が合っているかも。アメリカだと家族色が濃く出過ぎないだろうか?

福山雅治は実生活では独身だが、ここでは多忙な仕事で育児に手が回らないセレブな父役を自然な形で演じていた。二組の夫婦役だったリリー・フランキー、小野真千子、真木よう子らのキャスティングも是枝監督の意志を汲んでの演技は素晴らしかった。また、子役らも両親役の俳優陣に負けず劣らずの存在感を発揮していた。


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