今日は、我が地区のコミヤマという所へ水を汲みに行った。この夏、雨が少なかったせいか、いつもより水量がやや少ないようだった。コミヤマは、昔から(どれくらい昔かはわからないが)地下水が湧出している箇所だそうだ。上水道が整備されていなかった時代にあっては、貴重な水源だったのだろう。たしかに、この場所は地形的に谷状になっており、表流水や地下水が集まりやすくなっている。そして、この湧水箇所より上の山には畑がないことから、農薬などによる水の汚染もないのだという。
そういう事情もあってか、ここの水は美味しいとの評判で、他の地区からも汲みに来るそうで、名取地区でも飲料やゴハンを焚くのにここの水ばかりを使っているという家庭もあるようだ。私も時々ポリタンクを持って、飲料用に水を汲みに行く。軟らかい味がして、冷たくて美味しい。
私は、全く自然に湧水しているのかと思ったら、地山に小さなトンネル(ドレーン)を通して水が集まりやすくしているとのことだ。ドレーンを通したり、湧水箇所をコンクリートで補強したり、などの工事がいつ行われたかは、残念ながら私は知らない。だから、地表で見える径30cm程度のドレーンが、地山の奥深くどこまで入っているのかわからない。
友人の話によると、ここの地山には粘土層があるらしい。そうだろうなあ、粘土層が不透水層となって、その層で地下水が遮水されて地表に湧水しているのだろう。すると、その粘土層は地すべりでできた粘土(岩盤が摩擦などで粘土化)の可能性が高い。だとしたら、粘土層付近の地下水をある程度強制的に抜く(地表に排水する)ということは、地すべりの誘因をひとつ除去することになり、一石二鳥となる。なんだか、先人の知恵を垣間見た思いだ。