何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

天神社 (木津川)

2021年08月02日 | 寺社巡り-京都

【京都・木津川市】創建年は不明だが、伝承では役行者が飛鳥時代の675年頃、二神童を寺の鎮守社「 天神神社 」に祀ったとされる。 奈良時代には既に神童寺の鎮守社として鎮座していたようなので、白鳳時代の創建とみられる。 江戸時代には天神社前は伊賀からの「お伊勢参り」の街道であったので、交通の要所として賑わっていたとされる。
神社の森一帯が京都府の天神社文化財環境保全地区に指定されている境内に、割拝殿、拝殿そして京都府文化財に登録されている室町時代建立の本殿が鎮座する。
境内社は、社殿に向かって左側に恵比寿社と牛頭・太子・金精を一社に祀る祠、右側に子守勝手神社、左奥の中腹に2基の朱塗り明神鳥居を構えた総高神社がそれぞれ鎮座している。 また境内には、国の重要文化財に指定されている鎌倉時代建治三年(1277)造立の塔高約4メートルの十三重石塔がある。 神童寺縁起にでてくる神々が祀られているが、主祭神は天八百日命と天三下命の二柱。

◆神童寺から山側に少し進むと三差路に町石のような石柱が立つ。 そこから天神社への参道の奥に2つの明神鳥居が重なって見える。
石造りの一ノ鳥居の脇に、幾つもの波のような横筋がある自然石に「村社 天神社」と刻まれた社号標石がある。 その先の石段の上に立つ朱塗りの二ノ鳥居をくぐると直ぐ右手に手水鉢があるが、水口が水道の蛇口なので少し残念な気持ちに....。
鬱蒼とした樹林に囲まれた境内は深閑としている。 獅子の狛犬が鎮座する割拝殿の中央通路を通り、本殿前の簡素な拝殿で参拝。 本殿は室町時代建立で、瓦屋根付きの菱格子透き塀に囲まれて鎮座。 本殿大棟にかなり長い外削ぎの千木と2つの堅魚木が乗っている。
境内の西北端の中腹に総高神社が鎮座し、その少し下った木立の中に石造り瑞垣に囲まれて十三重石塔がりりしげに立っている。 初層軸部の挙身光形に堀り窪めた中に四方仏が浮き彫りされているが、鎌倉時代造立なので四方仏は顕教ではなく密教系の四仏だろう。 約750年前の古い石塔で、しかも風通しの良くない樹林の中に立つのだが、何故か苔生していないのが不思議に感じた。 上部の笠の一部が破損しているが、貴重な鎌倉遺構なので風化防止策が施されることを念じながら境内をでた。
後日、ネットで天神社について調べたら、木津川市観光ガイドに「正面に金刀比羅宮があり....」と記載されていた。 訪問時、境内社には全て社号が表記されていたが「金刀比羅宮」と表記された社はなく、正面に鎮座する本殿が金刀比羅宮なのかなと混乱した。

△参道の三叉路に立つ町石のような石柱....参道奥に一ノ鳥居と二ノ鳥居が見える

△石段の上と下に立つ2基の明神鳥居が立ち、手前の一ノ鳥居にはしめのこを付けた注連縄が張られている

△自然石に「村社 天神社」と刻まれた社号標石/石段上の朱塗りの二ノ鳥居の明神鳥居....額束下に小さな牛蒡注連とミカンが取付られている

△社殿側からみた二ノ鳥居....傍に手水鉢と反対側に紙垂付注連縄が巻かれた巨石がある

△明治十五年(1882)造立の手水鉢....水口は水道の蛇口/巨石越しに眺めた割拝殿

△中央が通路になっている切妻造桟瓦葺の割拝殿

△割拝殿の前に鎮座する阿形吽形の獅子の狛犬....胴部に紙垂付き注連縄が巻かれている

△左に鎮座する吽形の狛犬           右側に鎮座する阿形の狛犬

△割拝殿。拝殿。本殿が並び、本殿両側に境内社が鎮座

△切妻造銅板葺で照り屋根の拝殿....瓦屋根の透塀に囲まれて本殿が建つ

△流造銅板葺の本殿....室町時代建立で、大棟に外削ぎの千木と2本の堅魚木が乗る

△軒廻りは一軒繁垂木、組物は舟肘木、大棟端に鬼板、拝に猪目懸魚、妻飾は豕扠首

△本殿右手の境内社は子守勝手大明神....春日造風社殿で屋根に外削ぎ千木と2本の堅魚木が乗る

△本殿左手の切妻造銅板葺の境内社....右は恵比寿社、左は牛頭・太子・金精を一社に祀る

△境内社の左手の山裾に佇む苔生した石造宝塔....鎌倉時代末期造立とされる/石造宝塔は笠に注連縄を巻き、塔身に法華経が刻まれ、基礎に輪郭を巻き、欠落した相輪部に五輪塔の受花と宝珠を乗せている

△切妻造桟瓦葺の社務所らしき建物の奥の境内に総高神社と十三重石塔が鎮座する

△2基の朱塗りの明神鳥居の奥に鎮座する総高神社/総高神社境内のある飾手水鉢

.△総高神社の左手下に石造り瑞垣に囲まれて十三重石塔が立つ

△鎌倉時代建治三年(1277)造立の高さ4.15メートルの十三重石塔(重文)

△十三重石塔は緩やかな軒反りで、軒下に薄い一軒の垂木部を設けている/九重以上(除く十二重)の笠の一部が破損している

△初層軸部に挙身光形に掘り窪めた中に浮き彫りされた四方仏....鎌倉時代造立なので密教系の四方仏だろう(薬師如来(東面)・阿弥陀如来(西面)・釈迦如来(南面)地蔵菩薩(北面))

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