
【トルコ・エフェソス】紀元前2世紀に古代ローマ帝国の支配下になってからも繁栄し、小アジアの西半分を占めるアシア属州の都とされ、東地中海交易を中心とする港湾都市として発展。
しかし、2世紀頃から山から流れ込む土砂の堆積により港湾の規模が縮小され、また、時代の変化でアルテミス信仰も力を失い、8世紀にアラブ人攻撃を受けたのを機に東ローマ帝国がエフェソスを放棄。 その後、港が完全に埋まった。 現在残るアルテミス神殿や巨大な図書館や大劇場などの遺構はローマ時代に建てられたもの。
ヘラクレスが彫られている大理石の石柱のヘラクレス門からなだらかな石畳のクレディア通りを下る。 途中、公衆トイレ跡があるが、情報交換の場だったので仕切りがなかったらしい。また、下に水が流れる水洗便所だったとのことで、妙に興味を引いた。
クレディア通りを下ったところにセルスス図書館があり、知恵、幸運、学問、美徳を象徴する四体の女性像がほほ笑む。 大理石通りを進むと路面に足が刻まれた娼館への道標があり、足の向きが遊郭の方角を指すとか....。 暫くすると、右手に巨大な古代劇場が見えてくる....2万5千人を収容したヘレニズム~ローマ期でも最大級のものらしい。
大劇場から港まで真っ直ぐ続くメインストリートがアルカディアン通り(港通り)で、ジュリアス・シーザーとクレオパトラもこの通りを歩いたとか....まさにロマンを駆り立てられる。【トラヤヌスの泉⇒ALYTARCHE’STOA⇒モザイクの歩道⇒ハドリアヌス神殿⇒公衆トイレ跡⇒セルスス図書館⇒マゼウス&ミトリダテスの門⇒娼館への道標⇒大劇場⇒アルカディアン通り】

トラヤヌスの泉..皇帝トラヤヌスに捧げられた泉

「ALYTARCHE’STOA」とあるが..

モザイクの歩道..小さなタイルを張ったトルコ独特のモザイク模様で、上流階級だけが歩けた
ハドリアヌス神殿..2世紀、ローマ帝国の五賢帝のハドリアヌスに捧げられたコリント式神殿

アーチの中央に運命の女神,待ちの守護神ティケの胸像

奥の門に悪魔払いの羽を広げた神様メドゥーサが彫られ、頭髪は蛇に

公衆トイレ跡..下に水が流れる水洗式

セルスス図書館とマゼウス&ミトリダテスの門(右側)

セルスス図書館..四体の女性像はそれぞれ知恵・幸運・学問・美徳を象徴

セルスス図書館..アレキサンドリア、ベルガマと並んでギリシャの三大図書館と称され12万冊の蔵書があった

西暦135年、ローマ帝国アジア地区執政官セルススの息子が建立、セルススの石棺は図書館内に収容

マゼウスとミトリダテスの門..マゼウスとミトリダテスは皇帝の奴隷だったが解放され、経済的に成功後、皇帝一族に寄進した門

娼館への道標..大理石に刻まれた足は遊郭の方向を示す世界最古の広告、他に冠を頭にのせた女性とハートの絵

泉が湧きでていた小屋..大劇場近くの水源地

大劇場..大理石通りに面して建つ古代劇場25千人を収容できるヘレニズム~ローマ期でも最大級の古代劇場

大劇場は高さ38m、直径158m、広角220度の半月形構造

アルカディアン通り(港通り)..幅11mで港まで500mあったが港は埋没した