【神奈川・藤沢市】旧福原家長屋門は江戸時代後半に建てられた建物で、平成二十年(2008)に新林公園内に移築・復元されたものだが、当時の建築様式と状態をよく残している貴重な遺構。 江戸時代の末頃から長屋門は、上層農家の格式を示す建物として屋敷の入り口に建てられた。 旧福原家長屋門は正面間口15.39m、奥行4.24mで、神奈川県下でも比較的規模が大きいとされる。 福原家は藤沢市渡内でも有数の旧家で、江戸時代には渡内村の名主を務めた。
★藤沢駅から市街地を通り、境川に架かる奥田橋を渡ると間もなく新林公園に着く。 ”新林公園”と彫られた標石がある入り口から少しだけ旧福原家長屋門の茅葺屋根が見える。 緑の中に入って直ぐの所に、植栽に囲まれて長屋門1棟だけがポツンと建っている。 建築当初の姿に復元された長屋門は、真っ白な土壁(漆喰壁?)と羽目板の腰壁が洗練された構えを感じさせる。 扉口の両側に長屋があるが閉扉されていて残念。 扉口部分は名主を務めた旧家の長屋門らしい格式ある堅牢な造りで趣がある。
△寄棟造茅葺の長屋門....規模は正面間口15.39メートル、奥行4.24メートル
△長屋門内側(屋敷敷地内側)の外観
△四方の壁は土壁と腰壁は縦羽目板
△軒下は突き出た横木に軒桁を乗せている構造なので船枻造り(と思う)
△扉口の左右に設けられた長屋....扉口の右側には空気口があり、その上に板戸があるので使用人の部屋?
△向かって右側の長屋の腰高の引き戸
△長屋門内側の扉口
△八双金具と乳金具を配した板扉/扉上の桁柱に4本の太い梁柱が外側に突き出ている...左側の長屋に窓がある
△長屋門外側の扉口....脇の仕切り板壁に八双金具と乳金具を配した潜り板戸