【京都・伏見区】奈良時代の和銅四年(711)、渡来人の秦伊呂具が伊奈利山(稲荷山)の三ヶ峰に社を建て、三柱を祀ったのが大社の創始と伝えられている。
平安時代の弘仁七年(816)、稲荷山全体を神域として現在の稲荷山の麓に社殿が建立され、仁寿二年(852)に降雨祈願の奉幣が行われた後、朝廷から度々の勅使が遣わされ信仰を集めたという。
室町時代の応仁の乱(1467~1477)で社殿などの大半を焼失したが、明応八年(1499)に現在の本殿が復興された。
第二の朱塗りの明神鳥居をくぐって秀吉が寄進したの楼門に....門前で鍵の付いた巻物と宝珠をくわえた狛犬の狐が迎えてくれた。
楼門から境内に入ると直ぐ目の前に外拝殿(舞殿)があり、外拝殿の間から奥の社殿が少し見える。
東丸神社に立ち寄った後、社殿に....軒下に桃山期の彫刻が施されている内拝殿、そして、室町時代再建の五間社流造檜皮葺の本殿の棟から前拝への長い屋根が美しい。
朱色が鮮やかな大きな第一の明神鳥居..奥に第二の鳥居が見える
参道から眺めた第二の鳥居と楼門
第二の明神鳥居と楼門
楼門前
朱塗りの重厚な手水舎
楼門..応仁の乱で焼失した後、再建に尽力した豊臣秀吉が天正17年(1589)に寄進(現存のもの)/門前の左側の狐の狛犬..鍵の付いた巻物を銜えている(右側の狐は宝珠)
社殿側から眺めた入母屋造り二層の楼門
楼門と外拝殿..両者は同時期の造営で、天保11年(1840)に改築
軒先に12基の鉄製釣り灯籠が下がる外拝殿越しに眺めた内拝殿
内拝殿(神饌所)
沢山の鈴が下がる「内拝殿」
内拝殿内で本殿に向かって参拝する方々
社殿(内拝殿と本殿)
流造り檜皮葺の本殿..室町時代明応8年(1499)再建、四方に高欄がめぐらされた豪放優雅な建築
東丸神社..明治16年(1883)造営、荷田春満を祀る
荷田春満は江戸中期の国学者で伏見稲荷大社の社家生まれ
神楽殿(本殿右手)..明治15年(1882)建築
神楽殿の近景
毎日奉納される神楽を眺める参拝者