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何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

瑠璃光寺 (山口)

2018年01月01日 | 寺社巡り-山口

【山口・山口市】室町時代文明三年(1471)、大内氏の重臣で陶氏7代当主・陶弘房の夫人が夫の菩提を弔うため、仁保高野(山口市)に仏宗慎悟(石屏子介)禅師を開山として創建した安養寺が前身。
室町幕府第3代将軍・足利義満と対立して応永の乱を起こした室町前期の武将・大内義弘(大内氏25代)が、現在の地に臨済宗寺院の香積寺を建立した。 応永の乱で戦死した大内義弘の菩提を弔うため、弟の大内盛見(26代)が香積寺の寺域に五重塔の建築を進め嘉吉二年(1442)頃に完成したが、盛見は永享三年(1431)の九州の少弐氏・大友氏との戦いで完成を見ずに戦死。 安養寺は明応元年(1492)に瑠璃光寺に改称された。
慶長五年(1600)の関ヶ原の合戦後に萩入りした安土桃山時代の武将・毛利輝元(毛利元就の孫)が、五重塔だけを残して香積寺を萩に移した。 その後、江戸時代の元禄三年(1690)、香積寺の跡地に仁保の瑠璃光寺が移転されて現在に至る。 宗旨は曹洞宗で、本尊は薬師如来像。

寺号標石と「不許葷酒入山門」と刻まれた戒壇石が立つ門前に立つと、緑の山と深い樹林を背景にして瑠璃光寺が鎮座している。
正面奥に小さく見える中門を眺めながら進むと、境内は古刹らしい森厳さを漂わせている。 直ぐ右手に放生池とみられる池があり、池の畔の樹林の中に、燦々と日差しを浴びる檜皮葺の重厚な五重塔が立つ。 水面には美しい姿の五重塔と池の辺の緑の植え込みが映っていて実に美しい。
参道を進んで中門に....驚いた、門前に「不許葷酒入山門」と刻まれた戒壇石があるのに、中門の横の店に「あま酒」の看板が....。 甘酒とはいえ不謹慎ではと思いながら中門をくぐって堂宇境内に。
左右に階段の回廊があり、正面の階の上に入母屋造瓦葺で妻入りの本堂が建つが、浅い波状の独特の瓦が葺かれ、妻面側の屋根が異様に大きく見えて、何か不思議な感じがする造りだ。
日本三名塔の一つとされる瑠璃光寺五重塔は、古色蒼然たる佇まいで歴史を感じさせるが、近くでみるとかなり傷んできているのが見て取れ、気になった。
 
両側に白壁の築地塀が続く門前に立つ戒壇石..「不許葷酒入山門」の刻/横長の寺号標石..境内参道奥に中門と本堂屋根が見える

寺号標石と白壁の築地塀越しに眺めた五重塔

境内に入ると直ぐ右手に池(放生池か)あり、水面に五重塔と植え込みが映っている
 
前身の香積寺の遺構の檜皮葺の五重塔(国宝)..室町時代嘉吉二年(1442)頃の建立/高さは相輪尖端まで31.2m、各層軒が広く張出し、屋根勾配は緩い、塔身は上層ほど間を縮めて胴を細く見せている
 
建築様式は板唐戸・連子窓・間斗束中備など和様..ただし二層目回縁高欄の親柱に逆蓮頭が乗っていて禅宗様を採り入れている

瑠璃光寺五重塔は日本三名塔の一つに数えられるが、流石に美しい搭だ
 
門柱近くから眺めた参道と中門  中門の両側に桟瓦葺の回廊が続く

切妻造本瓦葺の中門..確か柱が4本だから薬医門だつたか
 
「保寧山」の扁額が掲げられた中門/中門の左廻廊の先に寺務所・庫裡などが建つ

左側階段廻廊から眺めた本堂前階下の境内
 
参道左手に佇む慈母観音像とわらべ地蔵像/自然石で造立された手水鉢..池は放生池か、奥は左側の階段回廊

参道右手に立つ石造五重塔と袴腰鐘楼..奥は右側の階段回廊
 
平成四年(1992)造立の石造り五重塔..五重塔創建五百五十年を祈念し、維持保存してきた諸先賢の霊の供養のため建立/入母屋造桟瓦葺の袴腰鐘楼..上層回縁に組高欄を設けている

石段上に建つ入母屋造で妻入の本堂..本堂前の広い石段下に身代わり地蔵と閻魔大王が鎮座
 
切妻造桟瓦葺御堂に鎮座する身代わり地蔵/後生車の上の切妻造桟瓦葺御堂に鎮座する閻魔大王

入母屋造桟瓦葺の本堂..妻面側の屋根が異様に大きく見える..正面身舎に裳腰

浅い波状の独特の瓦が葺かれている
 
大棟に獅子口が乗る..妻飾は二重虹梁大瓶束、懸魚は三花懸魚/本堂前にある佛足石..蓮華上面に足跡が刻まれている

本堂の外陣..内陣の奥に薬師如来像が鎮座
  
外陣前に鎮座する弥勒菩薩の化身とされる布袋像と十六羅漢の第一尊者の賓頭盧尊像/向拝横に置かれた「佛心」と書された巨大な御飯箆

本堂右手に建つ切妻造桟瓦葺の薬師堂..身舎正面に裳腰
 
薬師堂に鎮座する薬師如来坐像..法界定印で薬壷を持つ/向拝に大きな数珠が下がる

薬師堂後方の高台に鎮座する金毘羅神社..創建は南北朝時代貞治三年(1364)で、大内氏一族の鎮守神として香川県の金毘羅神社本宮の御分霊が勧請された
 
切妻造銅板葺の社殿(流造か)/金毘羅社近くで五重塔を向いて鎮座する4体の丸彫り石仏(羅漢像か)
コメント
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