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対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

楕円軌道の証明4

2018-02-19 | 楕円幻想
離心円上の任意の点Kから長軸HIに垂線KLを下ろすとき、この垂線は点Mにおいて同じ比1:√(1-e2)に分割される。これはアポロニウスの楕円に対応させた楕円軌道の証明である。これは『新天文学』(1609年)の証明で、「楕円軌道の証明1」で示した。ケプラーはその後、太陽を楕円の焦点に位置づけた。そして楕円の性質「2つの焦点から楕円上の任意の点に引かれた線分の和は、つねに長径に等しい」に対応させる証明も可能になった。こちらは「楕円軌道の証明3」でみている。
下図(「ケプラーの第1法則(楕円軌道)の証明」、山本義隆『世界の見方の転換』3)で離心円の直径をKK'(長径)とする。K、K'から長軸線に下した垂線が楕円と交わる点をM、M'とすると、
NMN'M=NMNM'=KTTK'=KK'
であることをみた。これは『新天文学』にはなかった証明である。しかし、これぱ幾何学的なものだったので、ここでは代数的にみておこう。
離心円の半径を1、離心率をeとする。また、NとN'は焦点である。NMN'M=2を証明する。

△MNLに着目して、
NM2NL2ML2
ここで
NLe+cosβ
ML=√(1-e2)・sinβ  (注)
より、
NM2
=(e+cosβ) 2+(1-e2)sin2β
e2+2ecosβ+cos2β+sin2βe2sin2β
ここでcos2β+sin2β=1だから、
=1+2ecosβe2(1-sin2β)
=1+2ecosβe2cos2β
=(1+ecosβ)2
したがって、
NM=1+ecosβ

同じように、△MN'Lに着目して、
N'M2N'L2ML2
ここで
N'Le-cosβ
ML=√(1-e2)・sinβ
より、
N'M2
=(e-cosβ) 2+(1-e2)sin2β
e2+2ecosβ+cos2β+sin2βe2sin2β
=1-2ecosβe2(1-sin2β)
=1-2ecosβe2cos2β
=(1-ecosβ)2
したがって、
N'M=1-ecosβ

したがって、
NMN'M=(1+ecosβ)+(1-ecosβ)=2
点Mは2点NとN'を焦点とする楕円上の点である。

図の長径HIKK'と対応させておこう。

NM=1+ecosβ
KBBTKT
また、N'M=1-ecosβ
K'Becosβ
K'BBTK'T
したがって、
NMN'MKTTK'=KK'

(注)「楕円軌道の証明1」参照

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