今日は、ブルックナーの「交響曲第3番(第3稿)」が初演された日です(1890年、ウィーン)。
ブルックナーにあまり馴染みのない人にとっては、この第3稿の表記は何だろうと思うかもしれません。普通、たとえ改訂稿(版)で演奏されていても、それを改訂版と表記することはないでしょう。シベリウスのバイオリン協奏曲やチャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」などは普通演奏されるのは改訂版ですがそれは表記されないことが多いと思います。しかしブルックナーにあっては、この記載はとても重要な意味を持ちます。以前も書いたと思いますが、ブルックナーほど一度書いた楽譜に手を入れることが多い作曲家はいないでしょう。多くの場合それはブルックナーの交響曲を世に知らそう・受け入れられるようにという友人たちのアドバイスによるものでした。しかし時には作曲家を落胆させることもあったでしょう。ブルックナーは「助言」に従い改訂を頻繁に行いました。その結果、半数以上の曲において大きな改訂を行うことになりました。中でも特にこの第3番は改訂に次ぐ改訂を行い、第3稿が出現するまでになりました。このブルックナーの改訂の跡を辿る研究は既に多くの人によってなされ、私も勉強させてもらっています。
この交響曲第3番の第1稿は、1872年から73年にかけて、それに74年に書かれました。まさにこれはワーグナーの「タンホイザー」の世界です。(第3番は、ワーグナーに献呈され、「ワーグナー交響曲」のニックネームが付いています。)その後、76年にアダージョ楽章の第2番と呼ばれるものが書かれました。そして76年から翌年にかけて第2稿が書かれます。これは編集者の名前を取ってエーザー版と呼ばれることがあります。その後、10年以上たった1888年から89年にかけて第3稿が出来上がります。第8番の第1稿が作曲され、その改訂版である第2稿を書く時期にあたっています。交響曲第3番についてはこのような複雑な問題があるのです。
私は、この第3番では、第3稿をよく聴きます。それはウィーン・フィルを指揮するシューリヒトが名演を聴かせてくれるからです。第2稿をベストとして取り上げる指揮者もいるようです。第1稿はあまり取り上げられていませんついでに言うと、マーラーはこの交響曲を2台のピアノ用に編曲していますが、それは第2稿によっています。。
ブルックナーの交響曲では、ニックネームの付いた第4番「ロマンチック」と第7番が特によく取り上げられますが、私はこの第3番も好んで聴く交響曲の一つです。クラシック音楽入門時には、人がブルックナーの交響曲について何を言っても関心を持てなかったのですが、今では是非多くの人に聴いて欲しいと思っています。
ブルックナーにあまり馴染みのない人にとっては、この第3稿の表記は何だろうと思うかもしれません。普通、たとえ改訂稿(版)で演奏されていても、それを改訂版と表記することはないでしょう。シベリウスのバイオリン協奏曲やチャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」などは普通演奏されるのは改訂版ですがそれは表記されないことが多いと思います。しかしブルックナーにあっては、この記載はとても重要な意味を持ちます。以前も書いたと思いますが、ブルックナーほど一度書いた楽譜に手を入れることが多い作曲家はいないでしょう。多くの場合それはブルックナーの交響曲を世に知らそう・受け入れられるようにという友人たちのアドバイスによるものでした。しかし時には作曲家を落胆させることもあったでしょう。ブルックナーは「助言」に従い改訂を頻繁に行いました。その結果、半数以上の曲において大きな改訂を行うことになりました。中でも特にこの第3番は改訂に次ぐ改訂を行い、第3稿が出現するまでになりました。このブルックナーの改訂の跡を辿る研究は既に多くの人によってなされ、私も勉強させてもらっています。
この交響曲第3番の第1稿は、1872年から73年にかけて、それに74年に書かれました。まさにこれはワーグナーの「タンホイザー」の世界です。(第3番は、ワーグナーに献呈され、「ワーグナー交響曲」のニックネームが付いています。)その後、76年にアダージョ楽章の第2番と呼ばれるものが書かれました。そして76年から翌年にかけて第2稿が書かれます。これは編集者の名前を取ってエーザー版と呼ばれることがあります。その後、10年以上たった1888年から89年にかけて第3稿が出来上がります。第8番の第1稿が作曲され、その改訂版である第2稿を書く時期にあたっています。交響曲第3番についてはこのような複雑な問題があるのです。
私は、この第3番では、第3稿をよく聴きます。それはウィーン・フィルを指揮するシューリヒトが名演を聴かせてくれるからです。第2稿をベストとして取り上げる指揮者もいるようです。第1稿はあまり取り上げられていませんついでに言うと、マーラーはこの交響曲を2台のピアノ用に編曲していますが、それは第2稿によっています。。
ブルックナーの交響曲では、ニックネームの付いた第4番「ロマンチック」と第7番が特によく取り上げられますが、私はこの第3番も好んで聴く交響曲の一つです。クラシック音楽入門時には、人がブルックナーの交響曲について何を言っても関心を持てなかったのですが、今では是非多くの人に聴いて欲しいと思っています。