西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ベートーベン「交響曲第7番」

2007-12-08 21:28:53 | 古典派
今日は、ベートーベンの「交響曲第7番」が公開初演された日です(1813年、ウィーン)。
この「交響曲第7番」が初演された時、「戦争交響曲」も一緒に初演されました。「戦争交響曲」は別名「ウェリントンの勝利」とも呼ばれています。初演に先立つ半年前の1813年6月、イギリスの将軍ウェリントンがスペインのビトーリアでフランス軍に勝利した戦いです。この戦いの4ヵ月後にはライプツィヒで諸国民戦争が闘われ、ナポレオンが敗れ、翌年の退位へと繋がった。勿論ウィーンにもすぐさまその知らせは届き、市民は熱狂に沸いた。当時生活に困っていたベートーベンは、勧められてこの作品を書き上げ、ウィーン大学講堂での戦傷兵救済音楽界で「交響曲第7番」と共に初演されたということだ。この時の演奏会には、サリエリ、フンメル、それに先にも記したがシュポーアなど豪華な一流音楽家が出演した。そして勿論総指揮にはベートーベン自身があたった。「戦争交響曲」はベートーベン唯一の「駄作」などと呼ばれることもあるが、この時は「第7」よりも人気が高かったそうである。ナポレオンに対する憎しみがそのようなことの背景にはあるのだろう。この時から翌年のウィーン会議のころが、ベートーベンが生涯で一番人気が高かったかも知れない。