西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

シベリウス・交響詩「タピオラ」

2007-12-26 20:17:20 | 20世紀音楽
今日は、シベリウスの交響詩「タピオラ」が初演された日です(1926年、ニューヨーク)。
交響詩は、19世紀の半ば頃、フランツ・リストにより確立された。その後、R.シュトラウスによってこれまでにない規模の大きな交響詩が書かれた。その間、スメタナの「我が祖国」、ボロディンの「中央アジアの草原にて」、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」など多くの作品が生まれている。シュトラウスの交響詩がそろそろ終わりかけていた頃、前後するように登場し交響詩を発表していったのが、北欧フィンランドの作曲家シベリウスであった。
シベリウスは何曲くらい交響詩を書いたのだろう。「エン・サガ(伝説)」、有名な「フィンランディア」、「ポヒョラの娘」「吟遊詩人」などがあり、その最後に作曲されたのが「タピオラ」である。この交響詩「タピオラ」はこれまでにない規模の大きなもので、最後の交響曲となった第7番後に書かれ、シベリウスの最高傑作の一つという人もいる。この作品後、シベリウスは作曲をほぼ終え、約30年間一つの作品も発表することなく生涯を終えた。その理由は謎のままのようだ。