西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ジョージ・ガーシュウィン

2007-07-11 08:56:36 | 20世紀音楽
今日は、アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュウィンの亡くなった日です(1937年)。
ガーシュウィンは、いわゆるクラシック音楽の系列に入るべき作曲家なんだろうか。いわゆるジャズの手法を取り入れた作曲家ということから、少しクラシック音楽の世界から離れているようにも考えられます。いや、他の作曲家でもジャズの要素を取り入れている音楽家はいるのだから(例えば、ストラヴィンスキーの「11の楽器のためのラグタイム」や「エボニー・コンチェルト」)、ガーシュウィンを特別視することはないということもあるでしょう。今のところ、やはりミュージカルや歌曲などの分野での作品を見ると、一般大衆向きに書いた作品が主流を成すということから、ストラヴィンスキーなどとは一線を画すように思われます。
長くはない生涯に多くの作品を残しましたが、歌劇「ポーギーとベス」や歌曲「スワニー」は傑作中の傑作と言ってよいでしょう。それに「ラプソディー・イン・ブルー」。「のだめ」のエンディングの音楽として、これほどぴったりのものはなかったように思います。またストーリーの中でも、とても効果的に使われていて、この場面は何度でも見たくなってしまいます。それはやはりこの楽曲の持つ良さからでしょう。
少し前に、CD店で10枚組みのガーシュウィンの廉価盤のセットものを購入しました(一部は作曲者自身のピアノ演奏)。今その中から、「スワニー」「アイ・ガット・リズム」「サマータイム」「ラプソディー・イン・ブルー」などを聴いてみました。ガーシュウィンの音楽は、当時のアメリカ社会と意気投合したように思います。ここには大衆の心をしっかり掴むようなものがあると感じました。