今日は、アメリカの独立記念日である(1776年)。今年は、独立後、231年である。1976年には、200年ということで、大々的に祝賀行事があったと記憶している。そしてその100年前には、独立100周年ということで、おそらくは華々しく祝われたことだろう。そして音楽史に残る作曲家もこれに因む曲を書いている。リヒャルト・ワーグナーである。ワーグナーにとって、この年は、バイロイト祝祭劇場が完成し、記念となる「ニーベルングの指輪」が初演上演された年であるが、この年の初め3月頃、アメリカ合衆国独立宣言100年祭のために「祝典大行進曲」の総譜を完成させた。これにより5000ドルの報酬を得たということだ。この作品は、「トリスタン」第1幕の終曲と「リエンチ」第4幕の祝賀音楽を利用した「凡作」と伝記類にはかかれている。祝祭劇場完成のために費用を補填する意味で引き受けた仕事だったのだろうか。この作品は、残念ながら「凡作」ということなのか、CD店で見かけたことは無く聴いたこともない。今のところはその「トリスタン」と「リエンチ」の該当個所を聴いて想像するしかないか。機会があったらぜひ聴いてみたいものである。