西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

2007-07-18 10:53:49 | 音楽一般
16日は、「海の日」だった。本来は、7月20日がその日に当たるが、制度により、移ったものだ。
海を題材とする曲といえば、やはりドビュッシーの管弦楽曲「海」を第一に思い浮かべるのでは。「夜想曲」とともに、ドビュッシーの代表的傑作である。
ヴォーン・ウィリアムズの9つある交響曲のうちの第1番が「海の交響曲」というニックネームがついている。辞典には、「印象主義的技法が強い作品」とある。海と印象主義とは結びつきやすいのか。
ヴィバルディのフルート協奏曲にも「海の嵐」というのがあり有名だ。
ベートーベンにも海に関する曲がある。カンタータ「海の静けさと幸ある航海」で、ゲーテの詩による管弦楽による合唱作品である。実は、メンデルスゾーンにも、同名の作品があるが、これは同じゲーテの作品によるものだが、序曲であり、合唱はついていない。
シューベルトには、上のゲーテの詩のうちの「海の静けさ」を取り上げたリートがある。また晩年には、ハイネの詩による「海辺で」があり、これは死後に編纂された「白鳥の歌」の第12曲である。
今、シューベルトの2曲(「海の静けさ」には、2つの版がある)とベートーベンの作品を聴いた。こんな風にして、普段あまり聴くことのない曲を聴くのも楽しい聴き方である。