この本はこれから社会に旅立つ若者が、非情で残酷な日本社会を生き抜くための心構え、テクニック(=武器)を教えるものです。
著者は投資家にして京都大学の人気講師です。
現代社会のキーワードは「コモディティ」
スペックが明確に定義できるもの、個性のないものはみな「コモディティ」
日本の家電産業が敗退していったのは、コモディティ化した市場で徹底的に買い叩かれる中で他社との差別化が出来ず韓国や中国に価格面で負けていったから。ここまではシャープの例を見るまでもなく既によく知られていることです。
今、著者が声を大にして伝えたいのはこの「コモディティ」化が商品だけなく労働市場における人材の評価においても起きていると言うことです。
これからの時代、すべての企業、個人にとって重要なのは、「コモディティにならないようにする」ことなのです。単なる労働力として働く限り、コモディティ化の潮流から逃れることが出来ず、生き残るためには他の人に代えられない、唯一の人物=スペシャリティになること必要です。
ではどうしたらいいのか。現在人気の企業でも40年後には消滅しているかもしれない。
具体的に1971年当時の就職人気企業ランキングを見てみると、その中で「日本航空」「ダイエー」「長崎屋」「西友ストアー」「日商岩井」は一度は潰れている。今、「松下=パナソニック」「ソニー」も苦境にあえいでいる。これから就職するなら多くの人に既に注目されてしまっている分野は行かないほうがいいのだろう。マクロな視点を持ちつつ「これから伸びていき」「多くの人が気づいていない」ニッチな市場に身を投じる、すなわち就職において「投資家的視点」を持つことが大切なのです。企業を見極めるポイントは「お客さんを大切にしているか」。顧客を大事にする会社は従業員も大切にする。
時代の猛烈なコモディティ化に対抗する唯一の手段は「差異」でありデザインや商品が持つ顧客が共感できる「ストーリー」です。
個人の働き方でもマーケティング発想で自分のもっているスキルなり知識をどの市場でどのように売るか考えることによって活路を開くことが出来る。そのためには自分の頭で物事を考えなければいけないのです。
ここからどうやって起業していくかも述べられていくのですが、最初に誤りやすいのは学生からすぐコモディティ化した分野に起業してしまうことです。高学歴ワーキングプアへの道になってしまいます。企業家が新しいビジネスを見つけるときの視点として「しょぼい競合がいるマーケットを狙えが鉄則です。競合がいないということはそこにマーケットがないということなのです。イノベータ的視点から就職先のアドバイスをするなら「今落ち込んでいる業界の周辺企業で、将来的にナンバーワンのポジションを取れそうな会社を狙え」です。潰れそうな会社なら将来その会社を叩き潰すために就職し、その会社を徹底的に研究することです。そこにビジネスチャンスがあるはずなのです。
リーダーとは、という議論ではリーダーには優秀だがわがままな人をマネージするスキルも大切だが、優秀ではない人をマネージするスキルのほうが重要なのである。駄目なところが多々ある人材に、あまり高い給料を払わずともモチベーション高く仕事をしてもらうようにもって行くのが本当のマネジメント力なのです。これって中日の落合前監督の話・・・
投資家としても心構えも縷々述べてあります。
投資は、長期的な視点で富を生み出し続け、人が信頼できるかで判断すること。サラリーマンとは知らないうちにリスクを他人に丸投げするハイリスクな生き方であり、リスクは自分自身でコントロールせよ。ひとつの会社に自分の人生すべてを委託するのは非常にハイリスクなのです。
いろいろ書いてありますが、本物の資本主義の波にさらされている現代社会で生き抜いていくためのスキル=武器が満載です。これから就職する人だけでなく働いている人すべてが読んで損はないと思います。すこしあざといですが、文章はすらすら読めて、京大の人気講師というのがよくわかります。
著者は投資家にして京都大学の人気講師です。
現代社会のキーワードは「コモディティ」
スペックが明確に定義できるもの、個性のないものはみな「コモディティ」
日本の家電産業が敗退していったのは、コモディティ化した市場で徹底的に買い叩かれる中で他社との差別化が出来ず韓国や中国に価格面で負けていったから。ここまではシャープの例を見るまでもなく既によく知られていることです。
今、著者が声を大にして伝えたいのはこの「コモディティ」化が商品だけなく労働市場における人材の評価においても起きていると言うことです。
これからの時代、すべての企業、個人にとって重要なのは、「コモディティにならないようにする」ことなのです。単なる労働力として働く限り、コモディティ化の潮流から逃れることが出来ず、生き残るためには他の人に代えられない、唯一の人物=スペシャリティになること必要です。
ではどうしたらいいのか。現在人気の企業でも40年後には消滅しているかもしれない。
具体的に1971年当時の就職人気企業ランキングを見てみると、その中で「日本航空」「ダイエー」「長崎屋」「西友ストアー」「日商岩井」は一度は潰れている。今、「松下=パナソニック」「ソニー」も苦境にあえいでいる。これから就職するなら多くの人に既に注目されてしまっている分野は行かないほうがいいのだろう。マクロな視点を持ちつつ「これから伸びていき」「多くの人が気づいていない」ニッチな市場に身を投じる、すなわち就職において「投資家的視点」を持つことが大切なのです。企業を見極めるポイントは「お客さんを大切にしているか」。顧客を大事にする会社は従業員も大切にする。
時代の猛烈なコモディティ化に対抗する唯一の手段は「差異」でありデザインや商品が持つ顧客が共感できる「ストーリー」です。
個人の働き方でもマーケティング発想で自分のもっているスキルなり知識をどの市場でどのように売るか考えることによって活路を開くことが出来る。そのためには自分の頭で物事を考えなければいけないのです。
ここからどうやって起業していくかも述べられていくのですが、最初に誤りやすいのは学生からすぐコモディティ化した分野に起業してしまうことです。高学歴ワーキングプアへの道になってしまいます。企業家が新しいビジネスを見つけるときの視点として「しょぼい競合がいるマーケットを狙えが鉄則です。競合がいないということはそこにマーケットがないということなのです。イノベータ的視点から就職先のアドバイスをするなら「今落ち込んでいる業界の周辺企業で、将来的にナンバーワンのポジションを取れそうな会社を狙え」です。潰れそうな会社なら将来その会社を叩き潰すために就職し、その会社を徹底的に研究することです。そこにビジネスチャンスがあるはずなのです。
リーダーとは、という議論ではリーダーには優秀だがわがままな人をマネージするスキルも大切だが、優秀ではない人をマネージするスキルのほうが重要なのである。駄目なところが多々ある人材に、あまり高い給料を払わずともモチベーション高く仕事をしてもらうようにもって行くのが本当のマネジメント力なのです。これって中日の落合前監督の話・・・
投資家としても心構えも縷々述べてあります。
投資は、長期的な視点で富を生み出し続け、人が信頼できるかで判断すること。サラリーマンとは知らないうちにリスクを他人に丸投げするハイリスクな生き方であり、リスクは自分自身でコントロールせよ。ひとつの会社に自分の人生すべてを委託するのは非常にハイリスクなのです。
いろいろ書いてありますが、本物の資本主義の波にさらされている現代社会で生き抜いていくためのスキル=武器が満載です。これから就職する人だけでなく働いている人すべてが読んで損はないと思います。すこしあざといですが、文章はすらすら読めて、京大の人気講師というのがよくわかります。