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遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

お岩様はいつ死んだのか?

2017-11-23 11:47:17 | 本と雑誌
京極夏彦「嗤う伊右衛門
読了、お梅は伊藤喜兵衛(こいつが大悪人、さう言やさうだったよな)の妻ではなく囲い者、小平は薬種屋の使い走りで民谷家に「そうきせい」(おっと元ネタ)を届けていた、養子とは言ってるが実の親が小平治だとは言ってない、どうして殺されたのかと言えば・・・元ネタで殺されてからだとしか言いようがないやうな
伊藤喜兵衛はお岩様に執心していた、そこでオヤジさんは娘の器量が悪くなればヤツも諦めるだろうと薬種屋から毒薬を盗ませた(ということらしい、完全ネタバレ)、薬を届けたのが小平だったので喜兵衛は腹いせに殺させたのだ(ということらしい、実際にやったのは子分の秋山というホノメカシあり)死体がみつかった時は白骨化していたのでホントに小平だったかどうかはわからない(と作者、とすると養親も小平治も息子が死んだとは信じられんハズ、そこは「小平治」で設定変えたのよな)

ということはさておいてタイトル、小平治が死んでなかったんだからお岩様も生きてたハズ、彼女が殺されたとは私の読み間違いと思って読み始めたんだが(伊右衛門がお岩様を殺すとは思えないし、大森さんも「異形の夫婦愛」を強調しておられたような)
お岩様が激昂して何の罪もない宅悦をブチ殺し「あなうらめしや伊右衛門殿」と隠亡掘へかけつけると赤子の泣き声、確実に伊右衛門と会っているが・・・そこで彼女の消息は完全に絶える
又市が家へ行くと伊右衛門は大きな木箱に座って香を焚いている、でもって刀を研ぎに出したから受け取って来てくれ、その手には長い髪の毛が(櫛ですいたから抜けたのだ)・・・これはもう死体になってるとしか考えられんのじゃないか
もちろん化けて出てはいない、化け物を演じてるのは生きた直助権兵衛、だけどお岩様、お梅の赤ん坊を殺した可能性はあるんじゃないかと思えば伊右衛門「岩にできるハズがない」とキッパリ、何でさう断定できるかと言えば・・・
そしてラストで与茂七(何で何の伏線もなく出て来るんだよ)が死体を発見した時、伊右衛門は死んだばかしだったけどお岩様は死んで1年経っていた、おいおい・・・・・
伊右衛門がお岩様を殺すとは絶対思えんにもかかわらず、と言って生きたお岩様を家へ連れて帰ったともとうてい思えんのよな、やっぱ私の第一印象正しかったのじゃあるまいか?

11/24追記-そもラスマイの一章で伊右衛門のキャラがガラッと変わってる、それまで虫も殺せない穏やかさだったのがお梅と喜兵衛を何のためらいもなくバッサリ、これは元ネタ通りだがまさしく死んだお岩様がとりついたから(意味違うけど)なのじゃなかろうか・・・もし子供が殺されなかったらどうなったんだろな?(愚問、元ネタでも死んでるんだから)

さらに追記-皆様の考察を拝見、概ねのところこのセンでまとまってるみたいね、お岩様に毒を盛ったのが伊藤だと(元ネタではさうだから)読み間違ってるヒトがけっこういるのはいただけぬ、他の悪事はほとんどヤツだけどそれだけは違うよ

やけでもう一つ-映画化されて又市を香川君がやってたとは全く知らんかった、解説を見るとすごく忠実な映像化みたいね、あの大長編を1本にまとめるとはいったいどういう台本なんだ?ちょっと見てみたいかも、ストーリーがわかりにくい、時系列並べなおせよというイチャモンはいただけぬ、時系列通りにやったらミステリじゃなくなるじゃないか


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