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事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

チャンドラーにはつっこめない

2014-05-11 23:42:16 | ミステリ

このヒトの作品はミステリじゃないと思ってた、探偵小説には違いないけどね、フィリップ・マーロウという探偵を描いた小説って意味で

大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)
価格:¥ 691(税込)
発売日:1959-08

にもかかわらずこれだけは納得だと思ってた、マーロウ以上に犯人が主役だって意味で
とは言えストーリーは忘却の彼方、春樹のハードカバーを買うのもシャクだし原書は読めないし-と昔読んだ創元文庫をやっとみつけて読んでみたら・・・・・

ヤ・ラ・レ・タ

これどんな意味でもミステリじゃないよ、マーロウが主役の探偵小説ではあるけど・・・・・

チャンドラー(1939年当時51歳とのこと、今で言えば定年退職直後の65歳ってイメージだろか)は最初っからチャンドラーだったんだなあ、二度と読むことはあるまいよ

Chandlaer 家へ来た古書、何はさておきカッコイイからアップせずんばあるべからず、これボガードとバコールなんだよね?


相変わらずスゴい

2014-04-15 16:50:54 | ミステリ
アルモニカ・ディアボリカ (ミステリ・ワールド) アルモニカ・ディアボリカ (ミステリ・ワールド)
価格:¥ 2,052(税込)
発売日:2013-12-19

これほどのモノを読み終わったのに何も書かなかったらミステリ読みの名が廃るという作品(書かんでいいって?ハイ)
前作の犯人コンビのうち一人は素性がわかってたが細密画を描く若い方は全く正体不明のまま終わっていた、別にそんなんどうでもいいじゃないかと思う作者もいるがこの作者はそこをはっきりさせるタイプ

なるほど精神病院ね(言ってもネタバレじゃないよな)、いつものことながら想像を越えるスサマジイ事件が起きるけど、それがホントにあってもおかしくない気がするからますますコワい、これまたすぐにも記憶から抜け落ちそうな・・・・・

電気ウナギもコワい、確か南米にいるんだよね、ヴェルヌの「ジャンガタ」にも出て来たハズ、というかこの作者がそっからヒントを得たのかも、こらもう立派な怪獣(いや違う怪魚)じゃん

でもある意味一番コワいのはタイトルの「アルモニカ」(楽器の名前)とそれを作れというフランクリン(完全にマッドサイエンティスト)の扱いかも、3オクターブのグラスハープ(それもクロニック)って本気かよ(えっとクラの音域は・・・3オクターブ半以上あるか、これ木管の中では段トツに広いハズだ)、どんだけの大きさになると思うんだ、しかもその完成品をアッサリこわすとは、作者最っ高にコワい!!!

と思ったら実在の楽器でフランクリンが1761年に発明したってのも史実だったのか(こちら)、ああ、事実は小説より奇・・・

チャイコフスキーの「金平糖の踊り」も元はこれで演奏したんだって?そう言えば「この楽器は新兵器と公開まで秘密にしてた」という解説を読んだ記憶あり、今は確かチェレスタ(見たことない)を使ってるんだわな


あんまし奇想天外だと

2014-04-12 10:55:55 | ミステリ
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―
価格:(税込)
発売日:2013-02-28

かえって記憶から抜けちゃうということはあるもんで、新作を買ったら続きのハズなのに登場人物やら設定やらまるで思い出せない、犯人コンビだけは強烈な印象が残ってるのに被害者が何者だったのか、犯行方法はどうだったのかこれまた忘却の彼方
というわけだが読み直そうにもどこへ押し込んじゃったかわからない(そんな昔の話じゃないのに)、しかたなしに電子版(よくぞ出してくれた)を買い直してようやく読み終わった(文庫の方が安かったけど)
まいったね、被害者がこんな悪いヤツらだったとは、こんなトンデモ犯罪だったとは、探偵役のオッチャンが盲人だったことはかすかながら記憶してたけどヘンリー・フィールディングの弟って設定だったとは、前に読んだ時は気にもしてなかったんじゃないか
ともあれこれでやっと新作を読めるのである


今年はカー祭りかも

2014-03-27 10:29:42 | ミステリ
夜歩く【新訳版】 (創元推理文庫) 夜歩く【新訳版】 (創元推理文庫)
価格:¥ 777(税込)
発売日:2013-11-28

何となく既読のような気がしてたけどそれは横溝の作品(よけいなことながら私のニオシ、一は誰が何と言おうと「八つ墓」)、そも創元社から出たのは去年の11月で全くの新訳なのだ、1930年初出、時に作者24歳、恐るべし早熟の天才!!

何となくネタはわかるような気がする、というか読者が即気づくことをずっと後でバンコランが説明するまで誰も指摘しない、そっちの方がよっぽど不思議、密室のナゾもシカケはその辺だろなと見当つけるのにさほどスレッカラシである必要はない(タネ明かしを聞くと拍子抜け)、だけど犯人は(ヒントはちゃんと出されてるにもかかわらず)教えられるまでわからない・・・と思う、たぶんだけど

ほんとカーというヒトは最初っからカーだったんだなあ(意味不明)、何にせよ古典の見直しが進みつつあるのはめでたいことである


カーには驚くことばかり

2014-03-17 10:27:45 | ミステリ
赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1) 赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1)
価格:¥ 903(税込)
発売日:1960-01-15

大昔から存在だけは知ってたのに未読だった、宇野利泰訳の中島河太郎解説、タイムスリップSFか、これは・・・前にも書いたけど「爬虫類館」のトリックにあきれ果てて若い時には二度と買わなかったのじゃなかろうか、「カギ煙草入れ」を書いたヒトがそうそうトンデモばかしを書くわけはなかろうに、いやこれから読める楽しみがまだあるんだからよしとしよう、などと言いつつもうけっこう読んじゃったかな?

「黒後家」はクモだが「赤後家」とはギロチンのことらしい、だからって「断頭台の殺人」じゃ誤解を招く、タイトルはこれしかないかな?
例によって登場人物が少ない上に怪しいヤツは二人だけ、そのうち一人が殺されてもう一人に疑いがかかる、となればこいつが真犯人のわけはない、ならば消去法で犯人はこいつ・・・と特別スレッカラシではない人間だって見当がつくハズでだから犯人の正体にはあんまし驚かなかったようなもんだが、犯行方法は予想外だったし、動機も平凡ながらある意味「えっ?」というモノ(と私は思った)、名犯人とまでは言えんかもわからんけど、犯人らしい犯人(つまり悪いヤツということ)には違いないやな、やっぱしカーはたいしたもんだ
それともう1つ、解説てのはこういうふうに書くもんだぜ、若いものよ、確かに面白くないけどネタバレはいっさいない、これがプロの技だ

蛇足-角川文庫の忍法帖シリーズもほとんどの解説を中島が書いてたが一冊だけ(「甲賀」である)高城彬光のがあった、別格の名文だった、でもこれは例外中の例外、誰だってホントにできるヒトにゃかなわんよ