■【あたりまえ経営のすすめ】1-08 社員にプライドを持たせることによる活性化策 A920-Bc23
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
それが露呈したのが、東日本大震災の福島原発事故ではないでしょうか。
その対応においても、事後対応においても、専門家と言われる人達な何もできず、口を閉ざしてしまっだではないですか。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
40年余の経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 1-8 社員にプライドを持たせることによる活性化策 A920
このシリーズの、「さん付け呼称と民主性」の項で、日本で最初に設立されました経営コンサルタント団体「日本経営士協会」では、会員を「先生づけ」で呼び合うということで、会員のプライドを高め、日本経営士協会の活性化を図っているという事例を紹介しました。(関連項目をご参照ください)
些細なことでも、社員の動機付けをすることは可能です。
私は、新規の顧問先とのコンサルティングにおけます初期段階で行うことのひとつとして「社員にプライドを持たせる」ことができるように行います。
そこで重視するのが、経営理念とトップの行動です。
一般的に、経営理念を徹底するためには、朝礼などで社員に唱和させるという方法を採りますが、私は、めったにその様な方法は採りません。
社員とのコミュニケーションでは、経営理念をいつでも確認できるように、社員手帳を持たせるとか、社内に掲示をするとか、業務報告の際に経営理念資料を持参させるなどを通して、経営理念に経に接する機会を持たせます。これは、主に、管理職が率先して行います。
管理職は、社員に、単に経営理念に接する機会を作るだけではありません。そこで登場するのが、社長などトップ陣です。
社長やトップ陣には、「経営理念をベースにした口癖を持て」というアドバイスをします。経営理念を、そのままいうのではなく、経営理念に付帯した表現で、経営理念を連想できるような言葉を、自分の口癖言葉にするのです。たとえば、私の顧問先の中には、「管理とは温かいモノなのだ」という、経営コンサルタントとしての私の口癖を、社長さんがあたかも自分の口癖にして、社員にしばしば話しています。
また、経営理念実現のための、他社の事例や、本やマスコミから入手した、経営理念内容に関連するような情報を、社員に聴かせるのです。口癖言葉とは異なって、事例関係は、同じことを繰り返すのでは、効果がありません。常に新鮮な情報を取り入れて、管理職や社員に話をするのです。
管理職は、「先日、社長が○○についてお話されていましたが・・・」というように、社長の話を、自分の切り口で咀嚼して話をするのです。勿論、管理職が言うことが、社長の意図とずれないことが肝要であることはいうまでもありません。
管理職が、社長やトップ陣の話をすることにより、社員は次第に自社の社長等の考え方を理解すると共に、尊敬の念が芽生えてきます。その結果、社員が、取引先や顧客など外部の人と話をする時に、「うちの社長は、○○なのですよ」とか「うちの社長は、常々○○のようなことを話してくれます」というような話をするようになります。
私の顧問先の若い経理部員の一人が、「社長が、全社員営業パーソンである重要性」を話していたことが印象に残ったのでしょう。その女性が、代金の支払いに来た取引先の社長さんに、「うちの社長は・・・」ということを話したそうです。
彼女は、別に、商品・サービス説明という営業パーソンがするようなことをしたわけではありませんが、数日後に、その時に感動したという手紙と共に、新たな注文が来たということがありました。
「うちの社長は・・・」ということを聴いた外部の人達は、「あの会社は、素晴らしい」というような感動を覚えることは大いに考えられます。
平素の業務を通じるだけではなく、雑談の中などでも、社員教育をすることは可能なのです。
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