経営コンサルタントへの道

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■【経営知識】 管理会計03-01-8 03 管理会計活用の末広がり8項8 「8項 人間性重視」

2020-06-23 15:49:31 | ◇経営特訓教室

■【経営知識】 管理会計03-01-8 03 管理会計活用の末広がり8項8 「8項 人間性重視」

 管理会計を学んだことのある人は多いと思います。

 ところが、理屈ばかりで、今ひとつ面白みがない「学問」であると感じた人も多いでしょう。

 ビジネスパーソンは、管理会計を学問と捉えるよりも「経営実務のための経営思想」と捉えてみてはいかがでしょうか?

 ますます、わからなくなった!?

 と、お感じの方は、ぜひ、当ブログを参考にしてみて下さい。

■ 03 管理会計活用の末広がり8項

 

 前章で、管理会計を正しく理解するために経営と管理会計との関係を中心にお話してきました。

 ここでは、どのような視点で管理会計の導入に取り組んだらよいのか、その基本姿勢を8項目としてご紹介します。

■03-01 管理会計活用の末広がり8項

 管理会計を活用し切れていない企業が結構あります。

 その主たる原因は、管理会計の特質に沿った利用のポイントを押さえ切れていないことにあります。

 なぜ、その様な重要なことが理解されないかというのは、その「ポイント」が、誰でも知っている”やさしすぎる”知識だからです。

 誰でも知っているので、軽視してしまっているからです。

 そのポイントを、管理会計活用の視点から8項に絞ってご紹介します。

【 注 】 予告なく変更となることもあります

 

◆03-01-8 「8項 人間性重視」

 経営管理は、心でするものだと筆者は考えています。

 社員一人ひとりは人間です。

 人間性を無視するのではなく、個性を尊重しながら、自己管理を重視した「温かい管理」でなければならないと考えています。

 管理会計を導入しようとしますと、多くの企業で、「締め付けの管理」がなされるのではないかと懸念の声が上がります。

 既述の通り、共有財産を利用して、自分の仕事をしやすくしたり、管理会計データを見ることにより、気づきを覚えたりと管理会計の利用メリットは大きいのです。

 管理会計の基本理念は、数値に基づく締め付け管理ではなく、温かい管理を行い、社員を育ててゆき、結果的に社会貢献に繋げてゆくことにあります。

 

【 注 】
 一般的な「管理」とは異なる、「正調派管理」について、詳しくは「あたたかい管理のための管理会計の教科書(秀和システム・今井信行著)」をご参照ください。

出典: あたたかい管理のための管理会計の教科書(秀和システム 今井信行著) 

【 書籍紹介 】

 

 “真”の管理会計とは何かを初心に戻って見直してみましょう

 

 管理会計は、私たちに「気付きの機会」を与えてくれる魔法の力を持っています。たとえば、需要予測をして、売上計画を立案したり、営業部門の課題抽出に使ったりなど、管理会計は現場の実務にとても役立ちます。

 一方で、「管理会計は理屈っぽい」「実務とかけ離れている」などと敬遠されがちです。その背景には、管理会計関連書の多くがアカデミックな著者による執筆だからです。経営というのは、泥臭い部分が多いので、現場で苦労している経営者・管理職や担当者の求めているものとは異なるところが多いのです。

 筆者は、40余年もの長きにわたって経営コンサルタントとして現場に密着してきました。従来の管理会計がバランススコアカードとか損益分岐点分析とかという経営手法の横割り的な目次構成でしたが、本書は、そのメリットを活かし、かつ利用者が求めている縦割り的な利用法をマトリックスに組み合わせたコンセプトで書かれています。

 また、経営コンサルタント団体として最も歴史と伝統のある「日本経営士協会」による、日本を代表する会計学の権威者が培ってきたノウハウを継承して、昨今の経営現場に即する形に管理会計を焼き直しました。その結果、従来の管理会計とは「別物」といえるほど、現場に則した管理会計書になりました。

 本書は、「営業・マーケティング編」として記述されていますが、営業職だけではなく、ICTや経営企画などの現場でも役立つ管理会計のノウハウと、自分の仕事に生かす方法を解説した「きょうか書(教科書+強化書)」です。管理会計で「なにができるのか」「どのように取り組むべきなのか」を興味のある項目から調べましょう!

 

目次

 第1章 管理会計を正しく理解する

 第2章 需要予測で売上計画を立案

 第3章 社内データを活用した顧客戦略に管理会計を活かす

 第4章 商品戦略、地域戦略に管理会計を活かす

 第5章 市場戦略に管理会計を活かす

 第6章 温かい管理に管理会計を活かす

 第7章 温かいプロセス管理ができる営業設備

 第8章 管理会計で営業力を向上させる

 定価:1,800円(+税) A5判/ページ数 359ページ

■ 著者プロフィール

 アメリカで経営学、マーケティングを学び、日本の商社で事務機器、印刷機器の輸出入業務や新製品開発と市場導入などを担当。ニューヨーク駐在所長、アメリカ法人役員などを歴任後、経営コンサルタントとして独立。パソコン揺籃期から中堅・中小企業のパソコン活用の啓蒙、ICT活用による経営戦略の指導など、国内のみならずグローバルなコンサルティング活動を展開。現在、日本のコンサルタントの地位向上、若手育成に力を注ぎ、日本経営士協会会長他、各種の要職に携わってきました。

 ソフトバンク「営業管理職のためのパソコンノウハウ」、秀和システム「ロジカル・シンキングがよ~くわかる本」「クリティカル・シンキングがよ~くわかる本(秀和システム 今井信行著)」、アメリカ・マグローヒル社「アメリカにとって今が対日進出のチャンス」など、著書や論文・寄稿・講演など多数。

 
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 日本経営士協会は、戦後復興期に当時の通産省や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくする、日本で最初にできた経営コンサルタント団体です。

 経営に関する相談・診断・指導・調査・企画・教育訓練および管理について、経営者をコンサルティングし支援する人やそれを目指す人を育成しています。

 日本経営士協会は、「プロ集団+コンサルタント育成」の集団で、1951年に産声をあげ、1953年に第一号「経営士・経営士補」を誕生させ、その活動を通して社会貢献をし続けています。(http://www.jmca.or.jp)

■ 本書のご購入

 本書は、紀伊國屋書店をはじめ、その他の書店等でご購入いただけます。

  ご購入

【 注 】

 1送付先5冊以上のまとめ買いされる場合には、特別なメリットで、前払いの上ご購入いただけます。誠に勝手ながら送付先が分散して、5冊未満の送付先がある場合には、お手数でもその分につきましては書店にてご購入されるか、上記料金適用で、送料を別途追加してお申し込み下さい。(特別なメリットまとめ買い締切:2018/12/20)

 なお、お申し込みは、メールにてコンタクトをお願いします。


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■■【経営コンサルタントのお勧め図書】200623 進化するデジタルトランスフォーメーション「Beyond2025」

2020-06-23 13:08:25 | 経営コンサルタントの本棚

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】200623 進化するデジタルトランスフォーメーション「Beyond2025」

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

■      今日のおすすめ

   『進化するデジタルトランスフォーメーション「Beyond2025」』  

               (SAPジャパン 松井昌代監修 プレジデント社)

■ DX「Beyond2025」とは(はじめに)

 

【経済産業省のDXとは】

 経済産業省の「DXを推進するためのガイドライン(2018.12.12)」では、DXについて次のように定義をしています。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネス・モデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と。

 

【経済産業省の「2025年の崖」とは】

 経済産業省の「DXレポート(2018.9.7)」では、『複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合、2025 年までに 予想される IT 人材の引退やサポート終了等によるリスクの高まり等に伴う経済損失は、2025 年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍。2025以降経済損失算定根拠は「DXレポート」参照。)にのぼる可能性があるとし、この場合、ユーザ企業は、爆発的に増加するデータを活用しきれずに DX を実現できず、デジタル競争の敗者となる恐れがある』とし、DXを実現し「2025の崖」を克服する必要性を訴えます。

 

【紹介本の『進化するDX「Beyond2025」』から学ぶ】

 紹介本の著者のSAPジャパン・Industry Thought Leaderメンバー19名(以下“SAP・ITLM19”と略称)が著書『進化するDX「Beyond2025」』を通して著書のコンセプトを次のように示しています。『「2025」という数字が、経産省「DXレポート」より7年前の2011年に、リンダ・グラットン教授(人材論・組織論の世界的権威)の著書「“ワーク・シフト”孤独と貧困から自由になる働き方(2025)」に表されており、著書の中でグラットン教授が予言している“5つの要因、32の現象の全てが現在実現していることに注目し、経産省の「DXレポート」や「DX推進ガイドライン」で示すテクノロジーの進化中心ではなく、テクノロジーの進化・DXを手段として、あるべき未来を見据えた取組みをし、「“ワーク・シフト”(2025)」の理念を超えたい』が“SAP・ITLM19”のコンセプトでした。

 この様なコンセプトの下、紹介本を通じて、SAPの取組んだソリューション提供事業を5章の章立て、34の事例により紹介しています。

 これらの取り組みが、結果としてSAPのコーポレートビジョンである“Help the word run better and improve peaple’s lives”と重なったとSAP・ITLM19は誇りを持って語っています。

 次項で34の取組み事例から注目したいソリューション提供事業3つをご紹介します。

 

■ SAPのベンダーとしてのDXへの取組み事例から学ぶこと

 

【SBBの“再生可能”をテーマにした電力デマンドマネジメント】

 SBB(スイス連邦鉄道)はスイス全土の60%を保有する鉄道会社です。現在消費電力の92%は水資源を主とした再生可能エネルギーで賄っています。2030年までに消費電力は20~30%増加すると見込みます。増加分を含め2025年までにこれを100%にする目標を掲げ、SAP HANA Streaming Analyticsを利用してリアルタイムの電力需要データを収集(ストリーミングデータをオンザフライ方式により収集)し、電力ピークを予測し暖房温度(SBBは冬の需要が大きい)を自動的に下げることで電力消費を抑制(ピークシェービング)し目標を達成する実証試験を行っています。

 このシステムの稼働を有効にするため4000両の車両の改修を進めています。これによりSBBの消費電力に対応するための再生可能電力インフラを新たに造るコスト(100億円)に比し半分のコストで済むという計算をしています。

 日本でも東急電鉄が2050年までに再生可能エネルギーによる消費電力調達比率100%を目指し、2019年10月から取り組んでいます。

 

【非デジタルネイティブ(デジタル化の遅い電力事業など)のクラウド化への挑戦】

 イタリアのEnel社(大手エネルギー事業会社)は日本全国の顧客の70%に当たる6000万(イタリア国内3200万)の顧客を持つ非デジタルネイティブ電力会社です。Enelは、電源の再生可能エネルギーへの移行、分散型電源の増加に対応するためのデマンドレスポンスの最適化対応、データに基づく分析型の設備メンテナンスへの移行、顧客に向けたスマート商品によるサービス提供などを進めるため、Everything“as a Service”(全てのシステムをクラウド化しビジネスを加速化・最適化・効率化・「モノ」から「コト」へのサービス化などを実現)をゴールに定めDXを進めています。

 EnelはDXの最初のステージで、SAP HANA Enterprise Cloud上で、SAP公共企業向け料金計算ソリューションを使い、イタリア国内3200万の顧客の料金計算をクラウド上で実現(検針の自動化)しました。

 日本の非デジタルネイティブ事業(電力、ガス事業)で、Enelと同様以上のDXを実現し、労働人口減少・SDGsへの対応などの社会貢献の実現を期待したいです。

 

【新たな差別化が生まれる“X-Dataからの顧客体験”】

 SAPは、従来は、企業が業務データ(Operational data以下O-Data)を基にPDCAサイクルを回すソリューションを強みとしていました。しかし、O-Dataの前段階の体験データ(Experience Data以下X-Data)が業務改善の成功率を高める最善策となるケースを発見し、X-Dataをビジネスプロセスに取込み、O-Dataと組み合わせPDCAサイクルを回すことで改善の最善策を打てる包括的ビジネス基盤を提供しようとX-Dataの取り込みに強いQualtrics社を買収し、提供体制を確立しました。

 そのソリューション提供事例が、アメリカ東海岸に拠点を置く格安航空会社のjet- Blue Airwayのケースです。このソリューションの特徴は、①顧客の声を収集し、②そこからインサイト(潜在的な購買要求)を抽出・提示、③改善アクションを促す、エクスペリエンスマネジメントプラットフォームを提供することです。

 jet-Blueは、このソリューションを活用して得た、カスタマー及び従業員のX-Dataを改善策に用いた結果、年間コスト削減300億円、改善したネットプロモータースコア(NPS;顧客ロイヤリティーを測る指標)が13ポイント改善、年間増収額400億円を実現しました。

 jet-Blueは「人間性を養い高めることを」をミッションとして掲げています。ソリューションから得られたX-Dataに基づくお客様の声を現場(フロント)に届けると同時にカスタマーファーストのきめ細かい即時対応を最優先として考え行動した結果がこれらの経営効果に繋がったとしています。

 今から25年ほど前、アメリカのサウスウエスト航空が、バランス・スコア・カードの手法で経営改善に成功した事例と比べ、jet-Blueの成功はまさにDXの時代の成功事例との感を強くします。

 

【その他の事例も参考にしてください】

 字数の関係もあり、以上の3例のみのご紹介となりましたが、この他にもDXがもたらす企業の未来像が見えて来る貴重な例が多くあります。是非本紹介本を開き、これからのDX経営のご参考として下さい。

 

■ 「2025年の崖」を克服し、「Beyond2025」であるべき未来を切開こう(むすび)

 

 コロナ禍の中、新しい社会・ビジネス・働き方の在り方を考える時を迎えています。DXにおいても、「2025年の崖」を乗り越え、「Beyond2025」の未来に向けたあるべき姿を求めていく大切な時と思います。

 紹介本の事例を参考にしながら、これからのデジタルテクノロジーの時代のあるべきビジネス・モデルの戦略の策定・実行をしていきたいですね。

■ 

【酒井 闊 先生 プロフィール】

 

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

  http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/2091.htm

  http://sakai-gm.jp/

 

【 注 】

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

 

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◆【話材】 昨日06/22のつぶやきの目次とリンク 元気な会社 筑波大発・宇宙VBが衛星利用のニュービジネスに挑戦

2020-06-23 07:43:52 | ブログ

◆【話材】 昨日06/22のつぶやきの目次とリンク 元気な会社 筑波大発・宇宙VBが衛星利用のニュービジネスに挑戦

 

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