物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

省エネと経済学

2015-05-26 10:43:41 | 日記
『軍縮の政治学』という岩波新書を書いたのは国際政治学者の坂本義和さんだったが、それとよく似たタイトルの『軍縮の経済学』という岩波新書を書かれたのは経済学者の宮崎勇さんだった。

どちらもそれらを購入して読んでみたいと思っているうちに少なくとも『軍縮の経済学』の方はあまり見かけなくなった。もっとも『軍縮の政治学』の方は亡くなった長兄の蔵書の中にあり、現在は私がそれをうけついでいる。

昨年だったか一昨年だったかのNHKで放送があったCalifornia工科大学だかUC Berkleyの物理の教授だった人の「大統領のための物理学」とかで新しいエネルギーをつくる出す方法を考えるよりも省エネの方法を考えた方がエネルギー政策としては意味があるということを教えられた。

そのアナロジーでいえば、戦争などというものはムダの最たるものであろうから、武器をつくるような産業、そして、それを消費する軍隊などはムダの最たるものである。そういう言う考えにもとづいた経済学がつくられてもいいはずだが、どうもそういう方向には世界は進んでいない。

先ほど終わったNPT国際会議でも最終文書の採決には至らなかった。これはムダをこれらかも続けて行くという意志の表れ以外の何物でもないだろう。

ISがイラクやシリアで軍事的に優位を保っているとはいうが、これらの勢力がいつまでも国として統治できるはずがない。それは多数の市民や国民の支持を得ない限りは国を維持していくことなどできないはずだからである。

もし、維持していけるためには自ずから政策変更をしていくことができる組織でなければいかに軍事的に一時隆盛を誇っても無理というものであろう。その辺は一時的がどれくらいの時間かはわからないが、やはり10年20年のオーダーではISがいままのままでは成り立たなくことは多分明らかであろう。

もし、それがうまく統治ができる組織として機能するのならば、それは不断に自己変革をできる政体でなければならないであろう。

こんなことをかくつもりはまったくなかった。言いたいのはムダを極力省くような経済学はできないのかということである。どこが無駄かはなかなかいうことができないが、戦争と武器はたとえそれが軍事産業に一時的な経済的な利益をもたらすにしても大きな無駄であることは変わらない。


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