校正刷を昨日ようやく返送した。普通にはこんなに時間をかけて校正を読み返したりはしないのだが、今回は投稿前に読み方が足らなかったという自覚があったので、十分すぎるくらいの時間をかけた。とはいうものの粗雑なわたしのやることなので、抜けがあるかもしれない。
不思議なことに何回も読み返していると表現が適切ではないところが見つかる。どうも私は表現が乏しくて同じ言葉を繰り返す傾向があるらしくて、それを読み返しの段階でなくすように努力をしているのだが、それが十分になくなっていないことがある。
そういえば、大学院生のころに「誰を集中講義で呼びたいか」と先生に言われて「高林さんは?」といったら、言下に「彼は書いた文章はすばらしいのだが、話はね」と言われた。多分文章では推敲にずいぶん時間をとっているのだろうということであった。
私なども授業評価では話が下手だと学生にいつも評価されていて、何を言いたいのかわからないとまで酷評された。自分ではよく準備をして突き詰めて透徹した話をしているつもりだったが、学生にはまったく話が通じていなかったという苦い経験がある。
多分に話が苦手な人間の部類に入るのであろう。これは話をすると談論風発でとても面白いのにそれを文章にしてもらうとなんだかあまり面白くない人がいるのと対照的である。話も上手で文章もすばらしいなどという人はいるのだろうか。
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