カール・バルトが神学者だということは知っていたが、どういう人か知っていなかった。昨日のドイツ語の放送で小塩節先生の話を聞いて少しだけどんな人だかわかった。
カール・バルトを大好きだというのは山本義隆氏で、彼はどこかの古本屋か何かでカール・バルトの著書を見つけて小躍りして喜んだといっていた。
私が彼と知り合ったのは40年以上前のことでそれはK大学のある共同利用研究所であった。山本さんは倫理観の強い独特の気質の若い物理学徒であった。
これは1968年のことだから、このときにはまだカール・バルトは存命だったかもしれない。カール・バルトは1968年に亡くなっているという。
その後、東北学院大学名誉教授のA教授と知り合ったときに彼の研究対象がカール・バルトだということを知った。
カール・バルトによるのかどうかは知らないが、キリストの復活というのはキリストは処刑されたときに死んではいなかったのだという。また、マリアの処女懐胎というのは嘘でその父親もわかっているのだという。
もっともそういう合理的な説明は宗教にはご法度なのだという説もあるので、あまり合理的な説明というのは宗教にはかえって具合が悪いのかもしれない。
それはともかく、カール・バルトはモーツアルト好きで彼の努力によって、教会でもモーツアルトの音楽が評価されるようになったのだという。「モーツアルト」というカール・バルトの著書の訳書をそれで購読のため注文した。
倫理観が強い物理学者でまず思い付くのは藤永茂氏です。藤永氏は、この頃はご病気でブログを休まれていますが、心配です。
藤永茂さんはAlberta大学でしたね。分子軌道法で有名な方ですね。私の知っているWさんが藤永さんをご存知だと聞いています。Wさんは核力研究では世界的に有名な方です。若いときに多分原子分子のことを研究されていたので、面識があるのだと思います。
藤永さんはオッペンハイマーの評伝を書いた方ですね。また岩波から出された「分子軌道法」も購入してもってはいますが、なかなか読むところまで行きませんでした。
かなりのお年だから病気になられたのでしょうか。
私は化学を専攻している学生ですが、古本屋で「入門分子軌道法」を購入したことを機に藤永氏のことを知るようになりました。驚いたのは、最後の方のページにある著者紹介で、同じ著者が「アメリカインディアン悲史」という本を著しているということを知ったときです。これほど社会的な面においても世の中の事を考えている科学者をそれまでの私は知りませんでした(科学者というもの自体あまり知らなかったのですが。)。ですから私の中で「倫理」という言葉で藤永氏が連想されたのでした。
「入門分子軌道法」も購入してもっています。分子軌道法で使う点群のことを知りたいと思って買ったと思います。
群論を化学にどう使うかについては、結局米沢貞次郎さん他の著書「量子化学」上がよく出来ていると思っています。
はじめこの本の群論のところは理解が難しかったのですが、分かって見るとすっきりしていました。もっともこの本の該当箇所だけでは十分でないうようで、もっと別の本を見る必要があるところもあるようです。それは最後のほうです。
ともかくも読んだのは群論の箇所だけです。しかし、この箇所をすこし補足がされればいいのだがと思っています。
藤永さんの「アメリカインディアン悲史」は読んだことがありませんが、映画の西部劇ではアメリカインディアンは悪者というイメージですが、本当に悪いのは白人の方だったということはアメリカ史がご専門の猿谷要さんの本か何かで読んで知っています。