物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

羽生善治の思い

2008-11-08 11:29:18 | 日記・エッセイ・コラム

昨夜の深夜NHKの放送で羽生善治のインタビュー番組を見た。現在四冠で、過去には25歳のときに七冠を達成したことのある天才棋士である。

語り口は物柔らかでこれが勝負の世界に生きている人かと思わせるような人である。決して自分が優れているというようなことを自負しているような感じには見えなかったが、常に新しい将棋に挑戦しないとおいていかれるのだということだけははっきりしていた。

現在の勝ちにもこだわるが、それだけではなく将来の自分の成長にも配慮しながら、将棋を指しているという言にはなるほどと感心をさせられた。目の前の1勝が欲しくないわけではないのだが、それだけにはとどまらないのだという。

冒険的な手を指さないと自分にも将棋界にも発展はないという。常に挑戦する姿勢は教えられるところが多い。また、自分は最先端ではないという。最先端で新しい将棋を指すのは自分よりももっと若い人たちであるとはっきりと認識している。だが、その新しい戦法にも対応しようとする柔軟性が羽生さんの特徴なのだ。

何事でも優れた人には他の人が持ち得ない感覚があり、それはその人の個性だろう。将棋には持ち時間の制限があるために自分でもどうなるか読みきれないことが多いのだという。そのときにこそその人の個性に、好みによった将棋の手が指されるのだと思うとのことであった。

確かに、基本的なベースとしての基礎的な知識は必要だが、それだけではないという、最後のところはその人の個性によるのだろうという。それは良い、悪いを越えたところにあるという。2時近くまでの90分番組であったが、その後は良く眠れたと思う。