翻訳本です。
優れた翻訳と言えましょう。
『第二次世界大戦中の虐殺』といえば「ナチスドイツ」ですが、
どっこい、障害者の虐殺、隔離についてはアメリカが最初だそうです。
他、ヨーロッパ諸国でスイスもそうですね・・・。
この本は、世界大戦中の障害者差別政策についてはどこの国も例外はないようです。
日本もこの2000年代でも「旧 優生保護法」が運用されていて、
未だに国はその責任を認めていません。
障害者蔑視については、人間の性分の問題なのかも知れませんが
未だ先進国でもこの事については「後進/旧人類」と言ってもいいのかも知れません。
この末尾には翻訳者のコメントも記してあり、
日本の障害者政策についても触れており、今なにかとニュースで問題視されている
『ワーキングプア』という言葉がありますが、ワーキングプアというのは
働いていても貧しさから抜けられない状態を指しますが、
障害者に関しては、2016年調べによると障害者のなんと
86.1%が貧困(年収122万円以下)であり、
さらにワーキングプア以下の年収(200万円以下)の障害者は98.1%であり
生活保護受給者は国民一般の6倍以上であると示唆している。7
また、ほとんどの障害者は独立しておらず、親のと同居が多い。
現在の話しで言うと政府は生活保護の切り下げを狙っており、
なにが「アベノミクスの果実」なのか?と首をかしげたくなる。
しかも、景気は減速気味であり、さらに政府の歳入は減少するのは明白である。
おっと、書評に戻りますとナチスの「優生思想・政策」に手を貸した
精神科医や学者、軍人の終戦後の行方もしっかりとフォローしてあり、
これを見るとさらに「現代先進諸国の闇」を感じさせる。
私自身この書籍は4回ほどで読了できたのでそれほど難易度の高い本ではないと思って
お勧めしますよ!
まだまだ世界の先進国が障害者行政の後進国であることをまざまざと見せられる本です。
「この本、読まずに死ねるか!!」