「うつせみ和尚」のお説教

『うつせみ和尚の日記』二件の事故が元で『(複雑性)PTSD/鬱』になって
闘病、障害当事者として活動している者です。

読まずに死ねるか!「『昭和史発掘2』松本清張・著」

2019年08月26日 18時27分35秒 | 読まずに死ねるか!(書籍紹介)

今回の書籍紹介は「松本清張/著『昭和史発掘 2』」であります。
 
収録内容は・・・
1.三・一五共産党検挙
2.「満洲某重大事件」
3.佐分利公使の怪死
4.潤一郎と春夫
5.天理研究会事件
 
この中で私が興味深く読んだのは、『満洲某重大事件』、『天理研究会事件』であります。
1.三・一五共産党検挙は立花隆著の「日本共産党研究」で読んでしまっており、
立花氏の研究の方がまだ新しいので、日本共産党史についてお知りになりたい方はそちらをお勧めします。
 
2.「満洲某重大事件」は、いわゆる「張作霖爆死事件」である。
ここにははっきりと実行犯の名前が書かれており、日本陸軍の関東軍高級参謀である「河本大作」という人物である。しかし、この話も後年多くの検証が成されているが松本清張は当時存命であった人間からの聞き出しなどから書いていると思われる。
当時、張作霖は「軍閥」といわれ、中国全土のこの「軍属」は割拠していた。張氏は「時代の風雲児」とされ、日本の関東軍ともやり取りをしていた。張氏が支配している地域と関東軍の行動範囲が重なっており、関東軍が考えている「中国大陸進出」に邪魔であったと思われる。松本清張が描いているのは、張作霖が爆殺されるまでの経緯と関東軍との関わり、関東軍参謀の動きなどを検証している。他の評伝と比べて読むのも一興かと思います。

5.天理研究会事件は大正年間から昭和の戦後を「天理教」との闘争また「国・進駐米軍」と渡り合った『大西愛治郎』と大西が立ち上げた「天理研究会(のちの『ほんみち』)」の歴史を書いたものであるが私にとって「天理教」というものは以前より知りたかったが書籍もあまり見当たらずにいたのだが、松本清張は途中からであるが「天理教」あらましをガイドしていてくれるので、そういった点からも私にとってはありがたい本である。また、もともとある宗教からの分裂・分派の際のドロドロとしたものも書いてある。宗教であっても時には分裂・分派の際にはそんなことも避けられないのであろう。
天理教は「中山みき」が神の憑依を受けて広まったものである。「中山みき」を信奉しつつも天理教執行部に対する反発とともに大西自身も神の神託を受けたというような感じである。
少し解釈は違うかも知れないが(^0^;)幕末以後のいわゆる『新宗教』一端を知るには良い内容だと思う。


ちょっと今日は体調が悪いのでここまで(@@;)