加瀬工務店のブログ 熱血!建築魂!

千葉・南房総地域(館山市・南房総市・鴨川市・鋸南町)で新築注文住宅を中心に、真面目で丁寧な家造りを目指しています。

3億円を燃やす

2012-02-22 | 建築業界

今日テレビで盛んに取り上げられていた3億円の工費をかけて造った木造3階建ての学校を燃す実験。
その実験がこれです。
http://www.nilim.go.jp/lab/bbg/kasai/h23/top.htm
ご覧になった方も多いと思います。
詳しいプレスリリースはこちら。
http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/kisya/journal/kisya20120126.pdf

20120222これを見た人々は、「3億円もかけてすぐに燃やしちゃってもったいない。」「古い校舎でやればいいのに。」などあまり歓迎するコメントはないようです。(^_^;)
たぶん素人さんには全く興味もないし、関係ないのでそれも仕方がないと思います。
一見無駄だと思われるかもしれませんが、実は皆さんの乗っている自動車も開発時に多数のクラッシュテストなどをしていますし、大手住宅メーカーなどでは住宅を地震テストにかけています。
そのほかの様々な物でも耐久性などの確認のためにテストは行われています。
また、古い校舎を燃したのでは現代建築とは違うものなので燃え方の実験にはなりますが、基準を作るためのデータは取りにくいと思います。

今回の実験は、我が国でたくさんとれる木を使って、火災が起きてから逃げるまでの時間を確保できる耐火性能を満たした、木造3階建てが建てられようにするための基準作り使われるもの。
今回の実験を踏まえて来年改良した校舎を造り再度燃すそうです。

ちなみに「燃えて焼け落ちてしまったからダメじゃないか。」と思う方もいると思いますが、建築基準法で定める基準は、火災の場合には逃げる時間の確保、耐震の場合は逃げられるように倒壊しないことなどであり、火災で焼け落ちない、大地震で倒壊は免れ再使用できる。と言うことは要求していません。
車でもある決められた条件で衝突した際に人命を守れる確率が高くなるように、という基準が設定されていて、その車を再度使えるようにと言うことは決められていませんよね。

校舎は3分割で内装仕様などを変えたり、場所によって外装の仕上げを変えてあります。
木造在来軸組だけでなく、2×4構造も入っているとのこと。
ニュースでちょっと見た映像では、天井を木表し仕上げにした真ん中のブロックは早く燃えて早く倒壊。教科書通りという感じですね。
2×4の部分も比較的早く焼け落ち、最後まで残ったのは木造軸組の内装を燃えにくくした部分だったようです。

はたして6億の価値があるのかないのか。
本当に木造3階建て校舎が復活できる道筋ができるのか。
今後が気になります。
天下りの仕事造りという形にはなってほしくないと願うばかりです。(-_-;)

P.S
火災はいかに火が上に抜けないようにするかが肝心。
ショッピングセンターなどで見かける吹き抜けのまわりに付いているシャッターも、階段に付いている重くて大きい鉄の扉も、火災を上方向に広めないための設備なんです。

えっ?そんな所見たことないよ!? 
素人さんは見ませんよね。失礼いたしました。m(_ _)m

家庭での火災では天井まで火が入ってしまったら消火はあきらめて、逃げた方が良いそうです。



南房総で真面目な家づくり

加瀬工務店
T.K

http://www.kasekoumuten.com
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする