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学力テスト採点

2011年10月27日 | 私見
全国学力・学習状況調査の採点をしました。

昨年度から抽出になり、指定にならなかったところは自校で採点し分析してもらうという形になったようです。基本的に4月に行うようですが、今年は震災の影響で今まで実施が見送られていました。
ということは、この問題はほぼ5年生終了レベルで解く問題だと言うことです。半年たてば当然その分勉強も進むはずですから、純粋に昨年度と比較と言うことはもうできませんね。まあ、折角予算を出して問題を作ったのだから、やらないともったいないし稼げない(?)と言ったところでしょう。
しかし、それでも予算不足だったのか、回答を記入する元データが作りかけで、各校で自分で作れと言われました。しかも、全ての回答に対しいちいち○×や誤答の類型を打っていたら日が暮れるので適当に関数を入れて作り直したら「作成データの形式が変更されていて読み取れません」とか出て、もう一回手打ち式に作り直す羽目になりました・・・orz

というわけで、準備から一波乱だったわけですが、自分は算数のB問題の採点を任されました。例年、平均点が4割という、本当に小6対象に作ったのか疑わしいテストです。テストには、俗に小学校80点、中学校60点、高校30点(笑)と言う「合格ライン」がありますが、そういう意味では高校並みの試験の作り方をしていると言えるでしょう。
ココからは私見が混ざりますが、採点していて、こんな時期に算数に対して壁を作ってどうすると言いたくなりました。問題を見てもらえば分かりますけど、こんな問題は活用でもなんでもありません。第一、問題文が長すぎます。しかも、出題者の意図を推量し、汲み取って回答しないと正解になりません。数学的な思考力や表現力よりも、何が書いてあるかの読み取りや、作者の気持ちの理解、要点をまとめるといった力が必要な、まるで国語のようなテストでした。以前に朝日新聞に出題者らしき人物のコラムが載っていて、「良い問題の素材が見つかって嬉しかった。」「こんな問題も解けるようになってほしいという願いで作った。」と書いてあって愕然としました。どうやら、あれは小学生の立場で作られたものでなく、「ぼくの作った良い問題できるかな?」といった、出題者のエゴが丸出し作られたもののようです。3年間も小学校のテストで平均40点そこそこが続いて、普通なら「こんな低い点数しか取れないテストは、児童の学力でなく学力を問う問題自体がおかしいのでは」という指摘があって然るべきだと思うのですが、この期に及んでこんな記事を載せるぐらいですから、全く反省はないようです。

それでいて、その問題が作りこまれているかと言うと、決してそうではありませんでした。例えば年号を答える問題では、1990年のみを正答としていますが、引用したグラフには1990年(平成2年)と書いてあるので、平成2年でも正解のはずです。しかし、そう回答した子は「その他の回答」つまり×になってしまうのです。あと、「どんな図形か、辺の長さと言葉で答えましょう」とあるから、「辺の長さが全て等しい四角形(正方形)」と回答した子が非常に多かったのですが、模範解答は「1辺が7cmの正方形」で、それ以外を認めていません。問題の意図から正方形であることは明白なので、せめて「図形名と、辺の長さ(何cmか)を答えましょう」となっていれば、分かった子はもっといたと思います。音符の問題では、比を使って解いた子もいましたが、説明が類型にないので×。輸出した台数が多いわけは、どう見ても「どちらも50%を超えているから」なのですが、ちゃんと年と割合を記述しないと×だそうです。それなら、ちゃんと「年と割合を示してわけを書け」とするべきでしょう。こんなレベルで「良い問題ができた」と喜んでいる出題者のオナニープレイに付き合わされる小学生が可愛そうです。

活用力を問うなら、それこそそういう算数的な素材を自ら探し、自ら問題にして解くぐらいでないといけません。それではテストとして成立しないと言うのなら、輸出のグラフや観覧車の設定だけ示して、「今まで習った学習を使って解ける範囲での問題を作れ。」「その回答を友達に説明できるよう記述せよ。」とするべきです。その上で、作成問題の基準をを「比や割合を扱ったものなら10点」「図表から読みとるものなら5点」「加減算は1点」などと明示するなど、難しい問題を作った方が点が高いと言うようにすれば済む話です。

・・・まあぶっちゃけ、採点が地獄過ぎたことによる愚痴です(笑)

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