月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

過去の自分

2012-04-13 | 想い
今日のブログは、自分の心の整理のため。やや感傷的。

久しぶりに日記を読んだ。
前のブログより、もっと前の・・・もう私しかデータで持っていない日記。
最初にHPを始めた頃の、ブログ以前の「ダイアリー」で書いていたデータを全部ではないけれど、2001年~2006年くらいまで持っているのだ。
私の宝物だ。

2004年の日記を読んでいると、どこか幼さを感じる。
もっと自分の文章ははっきりしていて強気なイメージだったけれど、今の私から見ると、なんだか幼くてかわいい(笑)
そして、面白い。下手な小説より面白い。夢中になってしまう。
今のブログとは書き方もまったく違うし。

25~34歳までは、とにかく仕事、仕事だった。
改めて読むと、信じられないハードワーク。
そのうえ、一人暮らしをしていたから、家のことも全部やらなくてはいけなかった。
毎日朝4時に起きて夜中まで働いていたり・・・。
朝から夕方までライターやって、夕方から夜中まで塾の先生やって、帰宅してまだ原稿書いて。

例えば、2004年12月15日 (水) の日記。

・・・・・

昨晩は真夜中に帰宅し、1時に寝て、4時に起きた。とりあえず3時間睡眠。
そこから昼の1時までぶっ通しで100ページ近い校閲を進める。
眠いなんてもんじゃない。時々意識を失いかけた。(マジで)
午後までに出さないといけなかったので、もう必死!!
そのうえ、1本別に急ぎで入稿しないといけない原稿があり、「早くー!」ときぬちゃんが事務所で待っている。
また修羅場!!

ひたすらパンを齧り、原稿に朱を入れていく。
もう家の中、ぐちゃぐちゃ。
食器、洗濯物、洋服、資料、新聞、野菜の箱、紅茶のカップ・・・。散乱しまくり。
途中、紅茶のカップをひっくり返した。たっぷり入っていたので、床がひどいことに・・・!
でも、人間って、本当に疲れているときには驚かないんだ、と知った。
「うわぁ!」とかいつもなら声が出るのに(かなりオーバーリアクション!)、声も出なかったし、表情も変わらなかった。ただ心の中で、「あ、こぼしたよ・・・」と小さくつぶやいただけ。
黙って拭いた。

ようやくできて、着替えてダッシュで宅急便に出す。
そのまま今度は梅田の事務所へ!!
電車の中で、「あー・・・マスカラしてない・・・」と気付いたが、仕方ない。
もう化粧も忘れるくらい朦朧としていた。
事務所に行く前にマツキヨでカフェインの入った「モカ」と「エスカップ」の高いやつを買う。
この2本を同時に流し込むのが一番効く。
さらにウーロン茶を1缶、一気に飲み、さらにハーブティーを飲んだら、さすがに気分が悪くなった。今度は吐きそう・・・。
でも、ようやく意識がはっきりした。これで原稿書ける!

「もう遅かったら私がやろうと思ってた」ときぬちゃんに言われ、冷や汗が出た。
自分の仕事を取られるほど、悔しいことはない。
「すぐやる!」と言って、急ぎの原稿を仕上げた。
夕方には入稿完了!!
ほっとした・・・。

なんだか力が抜けて、まだ校正が残っていたのだけど、明日の朝まで待ってもらうことにして、とりあえず退社した。
4時に起きたのに、あっという間に夜の8時。
ハードな1日だったな・・・と思いながら、電車に乗った。

家に着くと、泥棒が入った後みたいな部屋・・・。
洗濯物をたたみ、洋服を片付け、資料を整理し、新聞を外に出し、食器を洗い、野菜を冷蔵庫に整理し、床を磨き、ゴミをまとめたら、ようやく人間の住処になった。
「帰ったらとりあえず寝よう!」と思っていたのに、今頃カフェインが効いてきたのか、眠いのに元気・・・。
でも、頭の奥がぼーっとする。

人生には、がむしゃらに仕事だけをする時期というのがあったほうがいいと思う、とある人が言っていた。
私もそうだと思う。
自分にとって、そういう時期は20代後半で、もうそんな時期は過ぎ去ったとばかり思っていた。
でも、また今、あの頃のようにがむしゃらに働いている。そして、それが楽しくて仕方がないのだ。
自分の可能性をどんどん広げていけるような、そんな感覚。
ひたすら働き、ひたすら友達と飲み、毎日が過ぎていく。
こんな人生も悪くない。
「あしたのジョー」風に言えば、「白い灰になりたい」のだ。燃え尽きて。

・・・・・・・

カフェインの入った「モカ」と「エスカップ」の高いやつを同時飲み(笑)
あの頃、どれほどお世話になったことか。

でも、楽しかったなぁ・・・
「家に帰ったら座らない」というのを鉄則にしていた。
座ったら二度と立てなくなるから、とにかく家事などをしてから座る。
夜はなるべく布団で寝ない。寝たら起きられなくなるから。だいたい床に転がって仮眠をとる。

なんでそんな生活ができたのかと考えたら、やっぱり楽しかったからだろうな、と思う。
いやな仕事だったら続かなかっただろう。

それとは反するけれど、上に書いているように、何か自暴自棄というか「燃え尽きてやる」という気持ちがあった。
仕事をしながら自分探し的なことをしていたのかもしれない。
結局、いまだに見つかっていないのだけれど。

もう一つ、自分が仕事をがむしゃらにできた理由は、友達がいたからだなぁと改めて思う。
あれだけ忙しくても、友達と会う時間は必ずとっていた。仕事に忙殺されるような生活ではなかった。どんなに疲れていても友達と飲んだ。そうしたら、また頑張れた。
当時の日記に今と同じメンバーの名前が見える。
「今日はなかのと京都へ飲みに行った」「今日はあやとふみことおいしいものを食べに行った。9時間しゃべった。」「ふらふらやのに、こうちゃん誘って飲みに行った」・・・などなど。

毎日死ぬほど働いて、お酒飲んでる人生。
真夜中に一人でバーへ立ち寄ったり。

・・・・・・

2005年04月22日 (金)

音楽はジミー・リードをリクエストした。
今日はちっとも酔わない。
いくら飲んでも酔わない。
だけど、もう、・・・ちょっと疲れてる。
仕事がハードで体もしんどいが、それ以上に心を遣うことが多くて、なんだかまいってしまってる。
「あんまりがんばろう、がんばろうと思いすぎたらあかんで」と、前に人に言われたけれど、気付くといつも「がんばろう、がんばろう」と自分に言い聞かせてしまっている。
だけど、私はあんまり上手に立ちまわれるほうじゃないから、がんばってないと、いっぱい人に迷惑かけそうで怖いんだ・・・

マスターはいつもニコニコ私を見る。
私もいつもニコニコを返す。
そうやって、2人でニコニコし合ってることが多い。
たまに言葉を2つ、3つと交わしながら。
ここにくるのは好き。
美味しいスコッチと音楽とニコニコ。

疲れた体と心に40度のウイスキーをストレートで流し込み、真夜中のタクシーを走らせる。
どんどんボロボロになる。
自分を痛めつける。
だけど、気持ちはちっとも頽廃的な感じじゃなくて、どっちかっていうと、暴れたいような気分なのだ。
なかなか前に進めない自分。
・・・私は何になりたかったんだっけ?・・・
そんな根本的な疑問に帰る。

働いて働いて、やっと稼いだ金は、ほとんど酒代に消えていくなんて、なんだかめちゃくちゃブルースな人生だな。

・・・・・・

ブルースな人生やな、確かに(笑)

そして、昔から料理だけはちゃんとしている。
いや、昔のほうがちゃんとしてたなぁ。
こういうのを読むと、自分もかなり「大らか」な人間になったように思う。

・・・・・

2005年02月24日 (木)

■「完璧である必要なんかない」と言い聞かす

今日は思い切って「休み」にした。
定休のある人や、休みを自分で決められない人には想像がつかないだろうが、私にとっては「今日は休みにしよう」と決めるのは、かなりの強い決意がいるのだ。
もちろん、仕事がない時なら気軽に休めるのだが、別に今日は仕事がないというわけではなかった。来月初めにまたポピーの〆切があるので、こういう時間の空いた時にやっておかなければならないのだ。
でも、今日は仕事をしたい気持ちを抑え、「休み」と決めた。
自分でちょっとヤバイなぁと感じていたからだ。
肉体的にではない。
いつも書くが、本当に私はたぶん他の人が思っている以上に健康なので、少々働きすぎても病気になることはないのだ。
ただ、昨日、精神的にちょっとヤバイなぁと感じてしまった。

空腹になると胃がカチカチに石みたいになる。
そうなるともう何も受けつけない。
なのに、酒だけはやめられず、昨日も結局、朝・昼は食べたが、夜はウィダーインゼリーを飲んだだけで、帰ってネットしながら酒を飲んでしまった。
そして、今日はヨーグルトを食べたきり、夜まで何も食べず。
「空腹時に胃がカチカチになるんですけど」と堀先生に言ったら、
「あー、もう完全に胃酸過多やな。神経使いすぎてるんやで」と言われた。

私は時々、みんなに聞いてみたくなる。
ネットでしか私を知らない人にも、友達にも。
『あなたは私のことを神経が細いと思ってる? それとも無神経だと思ってる?」と。
私にはそれがよくわからない。
自分では無神経だと思っているし、神経質な人があまり好きじゃないので、そうありたいとも思っているのだが、一体どうなんだろう?

こうやってフリーで仕事をしていると、あっちにもこっちにも全力でやりたいという気持ちがあり、少しでもカンペキにできないとかなり息苦しくなる。
最近は塾の忙しさで岡田に2回も迷惑をかけてしまった。
1つはどうしても取材の時間がとれず、取材を替わってもらったこと。もう一つは青焼きの日を忘れていて、大事なチェックを任せてしまったこと。
きぬちゃんにも迷惑をかけた。
本当は私が行くべき取材がテスト対策と重なったので行かせてしまった。
二人とも「別にそんなこと気にしないで」と言ってくれるのだが、たぶんそれが自分の中でかなりきつかったんだなぁと感じている。
かと言って、塾のテスト対策を誰かに任せるわけにもいかなくて・・・。
いつも書くように、90分の授業をするのに1時間も2時間もかけて教材を作って準備をする。
3つの中学の数学と国語。それに3年Aクラスの国語。前期試験の小論文。
これだけもっていると、労力よりも神経を使う。
だって、頑張ってる人には応えたいじゃないか!
普段は夢なんか見ない私が毎日夢を見る。
今日はずっとプリントの白消し(修正液で回答を消してプリントを作る)をやっている夢を見ていた。

生きていくのは本当に大変で、なんだかわからないけど、毎日泣いている。
全部を完璧になんてできるわけないとわかっているけれど、完璧を目指してしまう。もう少し、気楽に大らかに生きられないのだろうか。
朝寝坊してお弁当を作れなかっただけで、一日がブルーになってしまうなんて、何か間違っているだろう。

子供の頃からあんまり変わっていないな、と感じる。
物心ついたときから、生きていくのは大変だと、いつも心で呟きながら生きている。

だけど、ちゃんとご飯を食べて元気を出さないと、また明日働けない、感受性が鈍くなる、と思い、夜はいろいろ作って、居酒屋風に好きなものを好きなだけ取り分けて食べた。
豚汁を作った。
自分で言うのも何だが、こんな美味しい豚汁を食べたら、なんか元気でる!
優しい出汁の味・・・。
放牧され自然の中で育った健康な豚の肉。
無農薬の野菜。
人参、ごぼう、玉ねぎ、じゃがいも、大根。
いろんな野菜の甘味がにじみ出て、何とも言えないうまみが。
出汁は鰹と昆布で。
ああ・・・幸せの味。

春菊は生で。レタスと一緒にサラダに。
ちりめんじゃこと茶色いえのきをごま油で炒め、そこに醤油と酢と胡椒で味付け。
それを春菊とレタスにかける。
ジューッといい音と香り。食欲をそそる。

白菜はごま油で炒め、ホタテの缶詰に醤油と酒で味付けしたものをからめ、片栗粉でとろみをつける。ちょっと濃い目の味で、酒の肴にもいい。

最後はかき揚げ。今日は春菊を使う。
豚肉とごぼう、玉ねぎ、人参、それに春菊を混ぜたもの。
当然、これは塩で。
春菊の青い香りと独特の味が口の中に広がる。

この間買った静岡の「高砂」を開けた。瓶がかわいい。
山廃仕込の純米酒。原酒無濾過。味がものすごくはっきりしているけど、イヤミが少しもなく、ただ米のうまみだけを感じる。
料理と合わせるよりは、これだけを飲みたい感じの酒だ。
勢いついたので、残っていた鳥取の「忠」も飲み干す。

私はむちゃくちゃになりたいのかな。
そう言えば、高校の書道で好きな言葉を書くというお題で書いたのは、「無茶苦茶」だったっけ(笑)。

完璧である必要なんかない。
失敗したっていい。
たまには人を傷つけてしまうことだってある。
うまく生きることだけがすべてじゃない。
自分に何度も言い聞かす。
何度も何度も。

あー・・・ちょっと酔ってるな・・・
とめどなく言葉があふれて、あふれて。

・・・・・・

こうやって自分に言い聞かせてきた人生。
でも、いつからか「生きていくのはしんどいな」をつぶやかなくなった。自分のことで泣かなくなった。

今の自分があるのは、やっぱり夫のおかげだなと思う。
夫に出会ってから、私は劇的に変わった。

この間、「私、変わった?」と聞いたら、「うん、ぜんぜんちゃう。出会った頃は荒んでた」と言った。
確かに、荒んでた!
よくそんな私と付き合ってくれたなぁと思う。奇特な人だ。

一緒にいて、彼のことを「優しいなぁ」と思うたびに、私はそれを真似するようにした。
「ああ、こうやったらいいんだな」
「こうやったら人は喜ぶんだな」
「こうしたほうが優しく感じられるな」と、見よう見まねでやってみた。
いつしか意識しなくてもできるようになっていった。
だから、本当に夫には感謝している。

振り返ってみて、もうあの頃みたいなハードワークはごめんだと思う。まず体力がない。
でも、あの頃の自分を少し羨ましくも思う。あんなに夢中になって仕事ができたなんて。楽しくて楽しくて仕方がなかった。
それに、あの頃、限界まで頑張れた自分は、今の自分の自信になっている。恐れがない。多少のこともなんとかなるさと、そんな気分でいられる。
だから、過去の私に「ありがとう」だな・・・

仕事に明け暮れて、酒飲んで、美味しいもの食べて、友達と語る。
それしかなかったけど、逆に、それ以外に何がいる?って感じだ。
それだけでいいなぁ、今も、これからも。

あと、昔の自分の日記を読んでいたら、小説を書きたくなってきた!
ずっと「書きたいもの」が見つからなかったけれど、久しぶりに「あー、これ書きたい」と思った。
夫も、「今年はどんなに短編でもいいから1つ小説を書く」と年の初めに言った。
「かおりも書いたら?」とすすめられたけれど、「いや、私はもう書きたいものがないから」と断った。
心の奥がちょっと揺さぶられた。

でも、見つかった気がする。昔の自分に教えられた。だから日記って素晴らしい。
「書きたいな」と思ったら、涙が出てきた。

書けるかな・・・
書けたらいいな。