月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

3月を振り返る。

2012-04-01 | 仕事
金曜の朝にとりあえず仕事が一段落した。

3月は本当にいろんな仕事をした。
新しいチャレンジや初めて書かせてもらえた媒体なども多かった。

・奈良の雑誌
・流通の専門誌
・キャッチコピー講座の講師

この3つが新しいこと。

新しいことはやはり時間がかかる。二回目以降の3倍はかかる。
それでやたら忙しく感じたけど、1ヶ月が終わって振り返ってみたら、ボリューム的にはたいしたことがなかった。
新しいことに戸惑っている時間と、仕事が集中した焦りと、単にそれでバタバタしていただけやなぁ…
その上、驚くほど儲かっていない

意外に手こずったのは奈良の雑誌。
取材も原稿書くのも楽しくやりがいはあったし、自分で納得いくまで何度も書き直して、最終的には納得いくものが書けた。
編集長にもオッケーをもらえた。
だけど、かなり苦しんで書いた。
理由は、「ライターの主観で書いていい」と言われたからだ。
最初はそれが嬉しかったし、願ってもないことだと思った。だけど、実際に書こうとしたら書けない。書けないというか、自分のスタイルがわからない。
主観で書いていいとは言われても、仕事なんだからこのブログみたいには書けない。
かといって頭で書いたようなもんはおもろない・・・。

なんだか立ち止まってしまった。
同誌の他の記事にも毒された。「こういう書き方をしたほうがいいのかな?」と職業柄、インプットされてしまったのだ。
それで、自分の色を見失った。時間をかけて苦しんで書いた。

私は苦しんで苦しんで時間をかけて書くものは、私の本当に書きたいこととは違うと感じている。
「時間をかけて書く」=「何度も推敲を重ねる」という意味ではない。
もっと心の問題。

長年やってきた小手先の技術で書こうとしたり、かっこよく書こうとしたり…
文章をこねくりまわして、次第に何が書きたかったのかわからなくなって、泣きたい気持ちになってしまった。
自分の感性と言葉がリンクしないのだ。

物書きの醍醐味は、「自分が感じたことにぴったりの言葉を探し当てること」だと私は思っている。
それができない。
書いても書いても7割、8割と感じてしまう。100%じゃない。そのうちに何がぴったりなのか自信がなくなってしまう。それで遅筆になる。

藤子不二雄先生(A)が「まんが道」の中で言っていた。
自分は遅筆だ。
手塚治虫先生は描くのが驚くほど早い。そのうえ、絵の仕上がりも緻密で素晴らしい。
その差は何か?

「線を引くときの自信だ」

つまり、自分の線に自信があればさっさと引ける。自然とスピードが上がる。
自分は自信がないからためらう。結果、遅くなる。

これはライターにも言えること。
感性から言葉への変換に自信があれば早い。自信がないと言葉探しに時間がかかる。
あーでもない、こーでもないと。
ただ、誤解しないでほしいのは、藤子不二雄が遅筆でも世界で稀に見る優れた漫画家であるように、「遅筆」そのものがダメなわけではないのだ。
言葉探しの瞬発力はなくても、じっくり探して選んで、最後は自信をもって作品に仕上げるライターもたくさんいる。
単に「タイプの違い」であると思う。
だから、私が今回時間がかかりすぎたことを嘆いているのは、「私は遅筆タイプではないのに、遅筆になった」ということにある。
これは良くない。自分の能力をちゃんと出しきれていないように思うのだ。
それは、最終的な原稿のデキには関係ないのだが。

自分が感じたことを言葉に変換する機能がかなり衰えていると感じ、失望した夜があった。
いわば、自分の武器が錆びついていることを実感させられた夜だった。
それは私にとっては本当に苦しく辛いこと。

武器は寿命なのか?それとも手入れを怠ったからなのか?磨けばもう一度光るのか?
4月はそんなことを考えながら、手入れをしてみようと思っている。

それとは別に、「さっすが私!!」と思うこともあった。
新しく始めたもう1つの雑誌。
流通の専門誌での新店レポート。
新店といっても専門誌なので、「こんなのがおいしくてオススメ!」とかいう情報記事ではない。
社長がプレスに発表したGMSからの脱却の理由は?とか
SMへ再び移行したねらいは?とか、どういう商圏でどんな市場で、どんな対策をしているのか?
・・・みたいな、一般人が読んでも何にも面白くない記事である。

これがまた楽しくて・・・
こちらも最初だから、その雑誌の記述ルールなどもわからなくて、前号を参考にしながら書いたりと、かなり時間はかかった。
でも、先ほどの時間のかかり方とは違う。これは単なる手順だ。
「感性」も必要ない。
「事実」を分析してわかりやすく、自分なりの視点をもって書くことが求められるだけだ。
それと、自分がこれまでやってきた専門的なことに関する知識と自信がある。
そういう意味で、遅筆にならなかった。(手順に時間がかかっただけ)

しかし、何しろ初めてのことだったので、しっかり取材はしたつもりだったが、書き始めると「あー・・・もう少しここを聞いておくべきだった!」ということが数点出てきた。
夫に何度も何度も「あー、取材が足りなかった」「あー、完璧じゃない」と愚痴っていたほど。

「全然通用しないよ!」と突っ返されたらどうしようかと心配しながら編集者に送った。
すると、すぐに返信メール。

「専門誌なので初めてだと書きにくいかと思ったのですが、当方の期待以上の原稿でした。大感謝です」

修正も特にないとのこと。
何より「期待以上」という私の一番好きなフレーズが書かれてあったことに飛び上がった。
嬉しくて、「さすが私だわ!!」と、夫にメールを送った(笑)
こちらは今後も定期的に仕事がもらえるかも・・・と最初から聞いていた。
1回目がこの感じだったので、続けて仕事がありそうだ。

もう一つ、コピー講座の仕事も前に書いたようにうまくいったし、とりあえず新しい3つの仕事は全部よくできた。
「武器の手入れ」という課題は見つかったけれど、それはここ数年ずっとテーマに挙げていたことだったし、良い機会だ。
もう一度、スピードを上げつつもクオリティの高いものが生み出せるようなライターにならなくては。
その努力をしなくては。

昔から「仕事が早いよねー」とよく言われる。
それが褒め言葉のときもあったし、「適当だよね」という皮肉だったこともあると思う。
もちろん適当に書いたことなどないのだけど。
でも、今の自分はもう「仕事が早い」と自信をもって言うことができない。
自分のスタイルを守るためには努力が必要。何でも努力を怠ってはいけないなぁ。
がんばる
次に私がどう変わるか、ここで報告するので見てほしい。

さて、その奈良の雑誌は4月25日に出る。

『まほろびすと』
http://maforovist.com/

奈良好きの人は、ぜひ買ってください!!

1月に創刊されたばかりの雑誌で、私が書かせてもらったのは4月の2号目から。
編集長にクビを切られない限りは、今後も1本ずつでもいいので書かせてもらいたいなと思っている。
ちなみに今回は3本。

写真もきれいだし、読み応えある記事もたくさんある。
とてもいい雑誌だから、宣伝しとこー!

いつもこのブログ読んでる人は、「この人、ライターとか言ってるけど、こんな文章で通用するの?」と思ってるだろうけど、
いや、仕事のときはちゃんと書いてまっせ

はー・・・

なんにしろ、盛りだくさんの3月はこれにて終了!

今週はほどほどに仕事入ってるいい感じの週なので、たまってる話題も更新せねば!
でも、今からライブ行ってくる。(2連夜!)

【今後のブログ予告】

・太陽酒造へ見学に行ったよの巻
・いわさきっちと「さかなやいぬい」にゴハン食べに行ったよの巻
・ブルースライブ行ったよの巻
・ついによもぎ蒸し行ったよ!!の巻
・素敵なガラス器買ったよの巻
・マイクロファイバーが好きだよの巻
・40代のオーラが出てきたよの巻
・家の花壇がきれいになってきたよの巻

こんなに書けるかな?
「よもぎ蒸し」の巻は注目度高い?(笑)