北海道人からみた関西圏の鉄道事情

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大阪モノレール延伸、府と東大阪市が合意し着工が事実上確定!

2015年07月25日 | 特殊軌道
今から約3年前の平成24年5月14日の記事では、大阪府の財政難から長らく凍結されていた、大阪モノレール線の門真市駅からの延伸計画がようやく解禁され、実現に向けて本格的な検討に入った、という事を報告しましたが、今月22日、その延伸事業の負担額について大阪府と東大阪市が大筋で合意し、ついに、今年度内に正式に事業化が決まる事となりました。



この延伸計画は、大阪モノレール線の現在の東側終端である門真市駅から、東大阪市の瓜生堂(うりゅうどう)まで南に約9km延伸するという計画で、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線、JR学研都市線、近鉄奈良線などと接続させるために、延伸区間には新たに4駅が設置されます。



延伸の総事業費は約1,050億円で、このうち国が407億円を、大阪モノレールを運行する大阪高速鉄道(府の第三セクター)が310億円をそれぞれ負担し、残る333億円を、府と東大阪市などが負担します。
東大阪市は、それまで費用負担に難色を示していたのですが、府との協議で、市が70億円(総事業費とは別にかかる駅周辺施設などの整備費用も含む)を上限に支出する方針を固め、これにより府と東大阪市は、延伸計画を事業化する事で合意するに至りました。
府は今後、大阪市など他の沿線自治体とも協議し、今のところ、着工は平成30年以降となる見通しです。

大阪府の松井知事は、今回の合意について、「東大阪や奈良から伊丹空港への利便性が高まり、府民全体の利益になる」「遅れたインフラ整備がようやく進む」と述べてその意義を強調し、一方、東大阪市の野田市長は、年内に府と同市の首長選が実施される事に触れた上で、「政治家同士の判断として今決めなければ事業が凍結されてしまうという危機感があった」と、方針転換の理由を述べました。


ところで、私の暮らす札幌にはモノレールはありませんが、札幌で初めての地下鉄・南北線の建設が決定する前には、札幌市内にもモノレールを建設するという案がありました。最終的には、それは廃案となって地下鉄の建設が決まったわけですが。
また、札幌市民にもまだあまり知られてはいませんが、現在は、地下鉄南北線の北側の終点・麻生駅と、鉄道空白地帯の石狩市を連絡する軌道系の交通手段として、モノレールもしくは新交通システムを建設するという案が検討されています。
ただ、この計画は石狩市側が主導しているものの、市の財政難などから、まだ本格的な検討には至っていません。

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