北海道人からみた関西圏の鉄道事情

関西圏の鉄道・その他についての諸々の雑感

関空特急 はるか

2006年08月27日 | JR




関西空港駅には、空港のアクセス特急として2種の特急が乗り入れています。JRの「はるか」と南海の「ラピート」です。
「ラピート」については4月19日の記事で書きましたが、今日とり上げる「はるか」は、その「ラピート」のライバルに当たります。

「はるか」で使用されているJRの281系電車よりも、「ラピート」で使用されている南海の50000系電車の方が内装や装備はずっと豪華で、デザインも凝っており、それに加え私はJRよりも私鉄の方が好きなため、個人的には「ラピート」の方が好きです。
しかし実際には、私はまだ「ラピート」にはまだ一度も乗車したことがなく、逆に「はるか」には2~3回程乗ったことがあります。後述するように、京都から関西空港へと向かう場合は「はるか」を利用する方が便利なのです(京都から関空へ行くのに「ラピート」を使おうとすると、何度も乗り換えしなくてはいけません)。
ちなみに、上の写真は関西空港駅で撮影した「はるか」です。

「はるか」と「ラピート」が運行される前は、「はるか」よりも「ラピート」の方が有利と見られていました。「ラピート」が大阪ミナミの中心地である難波から出るのに対し、「はるか」は阪和線の起点である天王寺から出ると見られていたため、キタからもミナミからも外れている天王寺から関空特急に乗るのは不便と思われたからです。
また、JRの関西空港線は南海の泉佐野よりも東側の日根野から分岐するのですが、その日根野から関西空港までは11.1㎞あり、南海の空港線よりも2.3㎞長いことからその分時間が余計にかかると見られていたことも、JRの方が不利と見られていた要因の一つでした。

しかし、関西空港が開業して実際に「はるか」と「ラピート」が走るようになると、関空利用者の多くは「はるか」の方を利用するようになり、関空輸送ではJRに軍配が上がった格好です。
これはなぜかというと、始発駅が天王寺では不利と考えたJRが、「はるか」運行のために阪和線と大阪環状線との間に連絡線を設置したり、東海道貨物線や梅田貨物線も利用するなどして、「はるか」の始発駅を京都駅に設定したためで、これにより「はるか」は京都から関空へと直通するようになり、京都から関空へ行くのが大幅に便利になったばかりか、京都や新大阪では新幹線や北陸特急とも接続し、JRは利用エリアを大幅に広げることに成功しました。
私が「はるか」を利用したのも、やはり関空から京都へ行くときと、京都から関空へ行くときでした。

また、JRの空港線が南海の空港線よりも距離が長いため余計に時間がかかると懸念されていたことについても、「ラピート」が空港線を120㎞、在来区間で105㎞で走るのに対し、「はるか」は空港線を130㎞、在来区間を120㎞と「ラピート」を上回る速度で走っていることから、距離の差もJRにとってハンディになっていません。

「はるか」の運行ルートは貼付した図の通りですが、京都から発車した場合を例に、以下にもう少し詳しく述べさせていただきます。
まず、京都駅の30番線もしくは31番線から出発します。京都から新大阪までは、「はるか」用に敷設された専用線や東海道貨物線などを走り、ずっと東海道本線(JR京都線)と平走します。
新大阪からは梅田貨物線に入り、大阪駅の北側に広がる梅田貨物駅の構内を走って大阪駅をスルーします。そして福島駅の手前から大阪環状線と平走し、西九条で環状線と合流します。
しばらく環状線を走り、新今宮駅構内で「はるか」用に新設された阪和線への連絡線に入り、環状線と関西本線の路線をオーバークロスして天王寺駅構内に入ります。
天王寺を出発すると阪和線と合流し、日根野まで進みます。そして日根野から関西空港線に入り、りんくうタウン駅構内で南海と合流し、関空へと入っていきます。
これだけ複雑な走り方をする列車は、全国でもそうありません。

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