北海道人からみた関西圏の鉄道事情

関西圏の鉄道・その他についての諸々の雑感

奈良市、リニア新駅誘致パンフレットをリニューアル

2016年12月15日 | JR
リニア中央新幹線の名古屋~大阪間のルートについて、事業主体であるJR東海が、当初の計画通り奈良市付近を経由する事とし、京都の政財界が求めている京都経由のルート案には応じないとする方針を固めたという事は、6月18日の記事でも述べた通りです。
しかし、京都側は依然として京都経由のルート案を諦めておらず、奈良市付近の経由が(最有力ではありますが)完全に確定したというわけでもないため、この状況に危機感を抱いている奈良市は、奈良市経由ルートを更に強く推し進めるため、この度、奈良市リニア新駅誘致PRパンフレットをリニューアルしました。

以下の画像が、そのパンフレット(全4ページ)の一部で、奈良市の強い意気込みが感じられます。
ちなみに、パンフレットの表紙には、平成27年度に実施された「未来に残したい、奈良を感じる鉄道写真コンテスト」金賞作品の「朱雀門」が採用されています。












なお、奈良市公式ホームページの、「リニア中央新幹線概要と誘致の現状」というページには、以下のように記されております(以下はいずれも転載です)。
赤文字は、そのページでも実際に赤文字で書かれており、奈良市として特に強調したい部分のようです。


■奈良県のリニア新駅候補地は、計画当初から「奈良市」です


奈良市はリニア中央新幹線の新駅誘致に取り組んでいます。この取り組みは県内他都市とは異なり国の計画初期からのもので、平成元年には、「リニア中央新幹線奈良県期成同盟会」「奈良県議会」「奈良市議会」において、奈良市に停車駅を設置する旨の決議がなされています。

「リニア中央新幹線建設促進奈良県期成同盟会」では、奈良市は事実上の新駅設置予定市として副会長市を務め、県内各市の中で最も多い分担金を昭和54年からほぼ毎年負担(※参考:平成27年まで合計で、奈良市2,146万円、大和郡山市129万円、生駒市129万円)するなど、最も大きな貢献を果たしています。
つまり、奈良市への新駅設置は奈良県全体の総意といえるのです。

■リニア中央新幹線の概要

リニア中央新幹線は、東京都から甲府市附近、赤石山脈(南アルプス)中南部、名古屋市附近、奈良市附近を経由し大阪市までの約438kmを、超電導リニアによって結ぶ新たな新幹線です。世界でも有数の人口集積地域である三大都市圏を、超電導リニアにより新しいルートで結ぶリニア中央新幹線は、沿線地域のみならず日本全体に活力をもたらす国家的プロジェクトです。名古屋までの駅はすでに決定されており、甲府市附近→甲府市、名古屋市附近→名古屋市と、計画通りの停車駅となっています。

リニア中央新幹線のルートは、東海道新幹線から離れたルートとなっています。万が一、東海道新幹線にトラブルがあった場合に、リニア中央新幹線があることでリスクを分散できるからです。「リダンダンシー(二重系化)」とも呼ばれます。これは、名古屋以西についても同様です。東海道新幹線の停車駅である京都駅附近を通過するのではなく、できるだけ東海道新幹線から距離を取り、かつ建設費用を最小限に抑えることができる直線ルートを取る停車駅に設けることが必要です。それには、奈良県北部に位置する奈良市が最も最適です。なお、直線ルートで敷設することで、よりスピードを出せるというメリットもあります。

■リニア中央新幹線計画について


リニア中央新幹線は、新しい国土軸を形成する高速輸送鉄道として、全国新幹線鉄道整備法に基づいて整備されています。その中で、「奈良市附近」を主要な経過地として、昭和48年に基本計画が決定されました。また、平成23年5月の整備計画でも、「奈良市附近」として決定されています。

■リニア新駅誘致に関する奈良県内の動き

現在、県庁所在地である奈良市のほか、大和郡山市、生駒市の3市が候補地として名乗りをあげています。しかしながら、平成元年の「リニア中央新幹線奈良県期成同盟会」「奈良県議会」「奈良市議会」で、「奈良市に停車駅を設置する」という決議がなされており、奈良市への新駅設置は、すでに以前から奈良県の総意であり、決定事項であったといえます。また平成23年に、事業主体であるJR東海が駅建設の費用負担を発表してから、奈良市以外の多くの自治体が誘致に名乗りをあげた、という経緯があります。

また平成2年、奈良市がJR東海、奈良県、奈良商工会議所とともに「奈良リニアエクスプレス展」を奈良市内で開催したことも、奈良市が事実上の駅設置市であることを裏づけています。



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