鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

地震の緊急メール(2022.01.22)

2022-01-22 09:47:34 | 災害
夜中の何時だったか分からなかったが、寝ていて布団を小刻みにやや強く震わす揺れで目が覚めた。

「地震だ。震源は太平洋側だろうな・・・」そう思いながら夢うつつの状態で、ほんの何十秒か(と思うが)で収まったので、再び眠りに入って行った。

朝7時近くに起きてすぐ、いつものウメとの散歩をして7時半ころに帰宅すると、スマホに二本の「緊急メール」が入っていた。内容は最初のが「地震が発生したから、大きな揺れに注意してください」、二つ目のも内容は同じだが、もう少し詳しく書いてあったが、どこで発生した地震なのかは書かれていなかった。

同じスマホで「日向灘沖地震」で検索すると、日本気象協会やNHK速報などがヒットして、ようやく地震の震源と大きさが分かった。

発生時刻は午前1時8分。震源は日向灘と言っても最も北部の宮崎県と大分県の県境の海中で、都市の名でいうと宮崎県延岡市と大分県佐伯市のちょうど間い中の沖合であった。

日向灘沖地震は年に1回くらいは震度4レベルのが発生し、大隅半島で観測されるのはたいてい震度3位なものだが、その震源はおおむね宮崎県南部の沖合である。今回のような北部での地震は珍しい。

しかも今度の地震はマグニチュード6.6、最大震度5強というからかなりの大きさである。震央の深さは40キロメートルだそうで、これがもっと浅かったら震度は6のレベルに達していただろう。

南海トラフとの関連はどうなのか。トラフからは相当離れているので、この地震が前触れである可能性は低いと思うが、用心に越したことはない。

ところで1週間前のトンガの海底火山噴火の全容がやっと捉えられたようである。

テレビでは衛星画像で何度も爆発的噴火の画面を見せられたが、きのこ雲の無い原子爆弾の爆発のようで気持ちの良いものではない。陸上で起きていたら悲惨な人的被害があっただろうが、いまのところトンガ全体で死者が3名ということである。

首都のある最大の島「トンガタプ」には最大15mの津波があったそうで、それなりの爪痕が放映されていた。ふと東日本大震災の津波を連想したが、もともと海岸部に住宅はそう多くなかったのだろうし、前日にも小噴火があったことで、早々と避難体制を敷いていたのかもしれない。

島への津波で思い出されるのが北海道の奥尻島だ。今から約30年前(1993年)の夏に北方の沖合で巨大地震(北海道南西沖地震。マグニチュード7.8)が発生し、町全体が津波に飲み込まれ、死者不明併せて230人という惨状を呈してた。

この場合、やはり地震の特性である「何の前触れもない発生」であったために、被害が大きくなった。

その点、噴火による火山災害はかなりの程度で「前兆現象」が把握できるので、事前の避難がしやすい。トンガの場合は前日の小噴火が、誰にもはっきりと分かる前兆だったのが幸いした。

津波の被害は最小で済んだが、それでも建物が津波で崩壊したり、市街地を覆った火山灰、農耕地への火山灰、飲み水の混濁、と復旧にはかなりの日数を要するだろう。

ただ海底火山の噴火が今回で終わったのかどうか、ちょっと心配な面もある。

海底火山では日本でも、昨年の8月に起きた小笠原諸島近海の「福徳岡ノ場」海底火山の噴火があったばかりだ。

福徳岡ノ場火山噴火では津波や火山灰の被害はなかったが、噴出物の大量の火山礫(軽石)が海流に乗り、日本近海では黒潮経由で沖縄・奄美・高知などの港に漂着して船の運航に大きな損害を与えることになった。与論島などでは港に溜まった軽石を桟橋付近に引き上げたはいいが、山積みされたままでその後の処分に困っているという。

それにしてもここ5,6年、火山災害、地震災害、豪雨災害が頻発している。特に心配なのが前兆現象が捉えきれない地震災害だが、火山噴火も活発化しており、地震と複合した場合が怖い。

火山列島日本は温泉の恵み多き国だが、天災多発列島でもある。「天災は忘れた頃に」ではなく「忘れぬうちにやって来る」と思っていた方がよい。