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鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

ミスターベースボールの長逝(2025.06.04)

2025-06-04 11:35:26 | 日本の時事風景
昨日の午後、テレビの臨時ニュースでミスタージャイアンツこと長嶋茂雄さんの死が伝えられた。89歳だった。

団塊世代でやんちゃ坊主ならまず長嶋選手に憧れない者はいなかっただろう。

私なんかもやんちゃなほうで、もし野球をする機会に恵まれていたなら、野球をやらないという手はなかった。

あいにく小学校から中学校では特に決めたスポーツはなく、ただ運動だけは好きだったから、高校に入ってからバドミントンをかじったくらいだ。

このスポーツでは趣味の範囲を出ず、ただ部活動で基礎トレーニングを受けたのが今でも体力的に平均を維持している源泉だと思う。それと山登りが好きで、これは中学校から始め、高校を卒業してからも数人の友と登ったりしていた。


何にしても長嶋巨人軍は国民的人気の的だった。

記憶に残る長嶋らしさは、巨人入団二年目のあのシリーズ天覧試合におけるさよなら決勝ホームランだろう。

何とも奇跡的な一打であった。

今朝の地元の新聞は一面トップに長嶋の死をでかでかと載せ、スポーツ欄では見開き2ページにわたってその野球人生を振り返っている。

最後の20~21ページでも特に長嶋監督と昵懇であった、と言うか長嶋監督就任一年目の投手ドラフト1位になったのが、鹿児島実業の定岡正二選手だった。

その出会いと後々まで続く師弟関係を定岡自身が述べている。指導は通常のプレーで見せる柔和な表情には似ずに厳しかったそうだ。

とまれ、この人の前に日本の野球はなく、この人の後にも日本野球はない。いろいろなスター選手が出たが、やはり野球と言えばこの人を置いて他にいないだろう。

国民栄誉賞を受け、文化功労者になり、さらに文化勲章の高みにまで昇ったスポーツ選手はいない。

昭和の偉人がまた一人この世を去った。

大の里が横綱土俵入り(2025.05.30)

2025-05-30 20:37:18 | 日本の時事風景
今日、第75代横綱に昇進した大の里が、明治神宮で奉納の土俵入りを行った。


日本人横綱としては師匠の稀勢の里(現在の二所ノ関親方)が2017年の春に横綱になって以来ちょうど8年ぶりだ。

師匠の稀勢の里も、モンゴル勢の前に逼塞していた日本人横綱に、あの若貴の兄若乃花以来14年ぶりに横綱になった人だった。

横綱になる前の大関時代はさんざん綱取りをうかがいながら4年か5年かかってようやく横綱になっている。

だがせっかく射止めた横綱の地位は長くなかった。2年後の2019年春場所後についに引退することになった。

再びモンゴル人横綱の時代に戻ってしまった。

この逼塞感を打ち破ったのが今度横綱になった大の里である。しかも師匠は前の横綱稀勢の里(現・二所ノ関親方)だから、親方の喜びはいかばかりだろう。

大の里の故郷は石川県で、同郷の横綱に輪島がいる。輪島のスピード出世は有名だが、この大の里はその上を行く。

輪島は新入幕以来20場所で横綱になったというが、大の里はわずか13場所。

これだけでも驚くのに、輪島は横綱になるまでに優勝は新入幕後の2回だけだったのだが、大の里は4回も優勝している。

なんとも強い力士が現れたものだ。取り口も真っ向勝負ながら安定している。

ただ輪島は黄金の左手と言われ、組んで良しの強烈な投げがあったが、大の里はぶちかましてそのまま押し出しか突き出しが決まり手なので、もう少し組んで相手を翻弄して欲しいと思う。

幕の内で石川県出身はもうひとり遠藤がいる。

相撲巧者で人気が高いのだがいまいち覇気がないように見え、人気先行のきらいが拭えない。

いつも思うのだが、遠藤という本名をやめ、何か新しい四股名にしたらどうだろうか。輪島も本名だったが・・・。

貧乏人は「古古古米」を食え

2025-05-29 04:47:38 | 日本の時事風景
昔、池田勇人という広島県選出の総理大臣(任期1960年7月~1964年11月)がいたが、この人が吉田政権の大蔵大臣だった時に、今度のように米価が高騰した。

その際に国会で野党の追及を受けて発した答えが、かの有名な「貧乏人は麦を食え」というフレーズだったという。

だがこのフレーズは当時の新聞上で記者が上滑りして書いたものらしい。

実際にはもう少し冷静な答弁だった。米価とムギの価格を比較して「米を100とすると麦の価格はその3分の2程度だから、所得に低い家庭では麦の方を選べばよい」という論法だったようだ。

まだ「麦めし」と言って米に何割か混ぜてご飯にするという食べ方が実際にあった時代である(※白米だけより栄養的に良かったという)。

この発言は1950年代の前半のことで、当時の米価の高騰の原因はおそらく朝鮮戦争(1950~1951年)が関わっている。というのもこの時にいわゆる特需景気が日本にもたらされたからだ。

今度の令和米騒動の真因は明確になっていないが、やはり何らかの景気の良さが一因だろう。インバウンド特需説もあるがそれだけではなく、平成6年の夏、特に7月の異常な暑さによって稲の穂が変質を受け、「一等米」が激減したのも背景にあると思う。

「一等米」の供給に不足感が出て、引き合いが強まって値が上がり、一等米以外にも同じような不足感によって買いだめ(買い占め)が起こったのではないか。

江藤農林水産大臣は舌禍によって更迭されたが、後任に就いた小泉進次郎氏の動きは素早い。

江藤前大臣は政府備蓄米を放出するのに高値を付けた業者に売り渡すという「競争入札」を以て行い、かつ、買い入れた分を来年度は納入するやり方だった。これだとJA以外に参加できる業者はいない。

3月に放出した30万トンはほぼ全量をJA(全農)が買い入れたのだが、玄米60キロが2万円を超えていた。ところが政府は同じその60キロを昨年は1万3千円で仕入れていた。差額の約9000円は政府の儲けになる。

9000円が丸々政府の利益になるわけではないが、それにしても政府が国民の窮状を楯に儲けてどうするのだ(※しかも買い入れたJAから卸売業者へなかなか届いていない。精米と運送に手間取っているらしい)。

というわけで、しびれを切らした小泉新農林水産大臣は「随意契約」路線を採用した。これだと政府が契約価格を決められるから、おそらく政府が買い入れた玄米の価格に保管料を上乗せした程度になるから、かなり安くなる。

さらに手間取っているらしい「精米と5キロ入り袋詰め」ができる卸売・小売り業者にも販路を求めたところ、50社ほどの業者が名乗りを上げた。インターネット販売大手の楽天でも扱うというから見ものだ。

何にしても小泉氏は「5キロ(白米)2000円台」を目標にするそうだから、庶民にとっては喜ばしい。

今は令和6年産から5年産(古米)、4年産米(古古米)の契約まで行ったようで、さらに最後の3年産米(古古古米)が10万トンくらいあるらしく、本来なら飼料用向けだったはずだが、主食用に「転用」するようだ。

この「古古古米」はさすがに5キロで1800円とかの値段になる予想だ。

餌料用というのはずばり家畜、とくに養豚向けだろうが、これを含めて、専門家は米に3段階の価格帯が生まれるとしている(税込み)。

①新潟産コシヒカリなどのブランド米で4500円以上
②古米・古古米で3000円台
③古古古米で2000円台

さて、どの米を食べようか。

①から順に不味くなるだろうとは思われるが、米は炊き方、食し方で満足感が違うから、一概に古いコメがまずいとは言えない。

③の米でも、炊き方を工夫し、食べ方でもチャーハンや味付け飯にするならさほど影響はあるまい。

多分この点については、NHKのあさイチでも、料理番組でもわんさか話題になるだろう(※インターネット上ではもっと)。

何にしても「令和の米騒動」の真因が明確になり、騒動が終息するよう願う。



”ドル箱”の終焉?(2025.04.07)

2025-04-07 15:31:57 | 日本の時事風景
アメリカのトランプ大統領が世界各国に関税障壁を設けようとしている。

これまでアメリカ経済が世界に開かれていたことによってどれだけアメリカが損をして来たか、各国の「加害状況」(関税)を数値で示した。

それによると中国が34%、日本が24%だそうである。中国はすでにあらゆる対米輸出品に10%の関税がかかっているので、それを加えると44%になる。

トランプ大統領はこれによって「毎日何十億ドルの関税収入がアメリカ(の国庫)に入って来る。アメリカは豊かになる。黄金時代が始まる。」と一人悦に入っている。

しかしアメリカは自国で国民の需要を満たす製品を作ることをやめ、安い労働力で製造されて廉価になった製品を輸入することにシフトしてしまったのだ。

アメリカの資本が滔々と中国に流れて中国の在来工業を駆逐して世界標準の工業が移植された。これをグローバリズムというわけだが、これがついにアメリカにとっても裏目に出たということだろう。

気が付いたら「輸入品の洪水」で、日用雑貨や簡易な工業製品ならまだしも、高度な工業品である自動車やコンピューターや精密機械までも輸入に依存してしまったがゆえに、アメリカ本来の工業力が衰え、「ラストベルト」(さび付いた工業地帯)が生まれた。

テスラという電気自動車も、アイフォンという情報機器もメイドインチャイナが幅を利かせている。

それらの工場を中国から引き揚げてアメリカに持って来たとしても高くつくだけだし、そもそもその製造技術がどこまでアメリカ自前で復元できるかどうか分からない。

アメリカで自前なのは、つまり純粋にメイドインアメリカなのは「ドル紙幣」と「兵器(軍事機器)」とトウモロコシ・大豆くらいしかない。

強いドルと強い軍事力が世界の親分としての地位を不動のものにして来たのだが、不動産経営者としてのトランプ大統領にとってはドルの行方が最も気掛かりなのではないか。ドルが暴落しては元も子もないのだ。

かつてよく景気が良くて儲かっている事業について「これはドル箱だ」と言われたものだが、それは過去のものになりつつある。

今後、日本も多かれ少なかれトランプ関税の影響を直接受けるようになるだろうが、このところ増加する一方のインバウンドも実は彼らはそれぞれの国でグローバリズムの恩恵をこうむった階層の人々に違いない。

このグローバリズム、今は日本にとってまさに「ドル箱」だが、何時まで続くのかは今度のトランプ関税次第だろう。


高安、初優勝ならず!(2025.03.24)

2025-03-24 10:33:01 | 日本の時事風景
昨日の日曜日は忙しかった。

午前9時から属する町内会の総会に参加し、午後からは属するシルバー人材センターが主催している映画鑑賞会のボランティアをした。

後者について、今回は去年から引き続き『男はつらいよ』シリーズ第15作目の「寅次郎相合傘」篇でマドンナが役柄リリーこと浅丘ルリ子の予定だった。

ところが先週の水曜日だったか、歌手で女優のいしだあゆみの訃報を知り、いしだあゆみが寅さんシリーズのマドンナ役だったのがあったと思い、調べたところ第29作目の「寅次郎あじさいの恋」があり、急遽、差し替えたのである。

いしだあゆみが芸能界で鮮烈な印象を残したのが、誰もが知る名曲「ブルーライトヨコハマ」なので、映画を鑑賞する前にスマホのユーチューブからスマホのWi-Fiに連動させたスピーカーを使って会場に流した。

たしかに名曲である。曲調が特に良い。これは筒美京平の作曲で、それまで5年くらいヒット曲らしいヒット曲がなかったのだが、この歌で一気にスターダムに上り詰めた。

公称で売れたレコードは150万枚だそうで、この数は美空ひばりの大ヒット曲「柔」に次ぐのではなかろうか。

会場に来ていたシルバーの女性たちの間では一緒に歌を口ずさむ人が多く、間違いなく彼女たちの青春の思い出の曲だろう。

この寅さんシリーズ「あじさいの恋」についてはまた取り上げることがあると思うので、これ以上書かないが、ここからは大相撲の関取高安が初優勝を逃したことについて書いていく。

千秋楽の昨日、高安も大関大の里もともに本割では白星を重ね、ともに12勝3敗になり、優勝決定戦となった。

これまで高安と大の里は10日目に対戦しており、高安のほうが勝っていた。

千秋楽の両者の本割の取り組みは、高安が小結の阿炎に快勝し、大の里も大関琴桜を危なげなく破っていたので、勝敗としては五分だなと楽しみにしたのだが、高安が大の里の早い取り口にしてやられた。

無念そうな高安には同情の他ない。

高安は35歳。これまで千秋楽の時点で優勝圏内に入ったのが今回を入れて9回もあり、そのうち3回は優勝決定戦になったのだが、結局、一度も賜杯に手が届かなかった。

同じ、と言っては何だが、フィリピン出身の母親を持つ御嶽海(32歳)は何年か前に優勝をしているので、本人が意識しているかどうかは分からないが高安も「何としても俺も」と思わないとは言えまい。

それに高安は歌手の杜このみを嫁にしており、杜このみはあの演歌歌手細川たかしの弟子だというから、なおのこと興味がわく。福祉大相撲でゲスト歌手として出演した杜このみに美声を聴かせたのが縁だというのも面白い。

35歳か、うーん・・・次があるのかと思ってしまうが、こうなったら幕の内最高齢初優勝者に名乗りを上げるのも一手か・・・。

その一方で、ウクライナ出身の安青錦は千秋楽前日の時点で10勝4敗と好成績だったため、千秋楽では関脇の王鵬に挑んだが、何と勝利をおさめて11勝4敗、初土俵から10場所目という早さで敢闘賞に輝いた。

21歳になったばかりの若武者ぶりには驚かされる。同じウクライナ出身の獅司(28歳)だが、9勝6敗とこれも好成績を残した。

またウクライナの「敵国」ロシア出身の浪雅は十両だが11勝4敗で準優勝。十両の優勝は草野で14勝1敗だった。サイトによると草野は熊本県生まれ、日大相撲部出身の23歳。

最近、20代前半の力士の活躍が目立つ。大の里24歳、伯桜鳳21歳、豊昇龍・尊富士・王鵬25歳、平戸海24歳、熱海富士22歳などなど・・・。

それに比べると、高安の35歳はベテランもいいところだ。だが玉鷲の40歳や宝富士の38歳、佐田の海の37歳も頑張っているぞ。

(追 記)
高安は四股名ではなく本名を名乗っている。幕の内では他にはあの遠藤がいる

遠藤は人気度抜群の相撲巧者なのだが、三役に一度上がった切りでずっと平幕に低迷している。

別に験を担ぐわけではないのだが、本名をなぜ関取らしい四股名に変えないのだろうか?

四股名を付けた方が自他ともに関取としての貫禄と言うか、自覚というかが心理的に増すように思うのだが、どうなんだろうか?

四股名を嫌がる理由があるのなら聞いてみたいものだ。

最も、遠藤と同じ石川県出身の輪島は本名のまま横綱にまでなったから、本名だから昇進が妨げられるというわけではないのだが・・・。