鴨着く島

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オミクロン株はインフルエンザ化する?

2022-01-13 22:26:31 | 災害
オミクロン株による感染拡大がいよいよ熾烈になった。

イギリスでは一日に新規感染が20万人を超え、アメリカでは何と140万になったという。日本のこれまで2年間のコロナ感染のトータルが180万台だから、その数には驚くというより唖然とするほかない。

一体向こうの医療体制はどうなっているのだろう。医療崩壊を起こしているとは寡聞にして聞かない。もうお手上げで、軽症者は医者にはかからないでいるのだろうか(アメリカじゃ医療費がバカ高いから)?

オミクロン株の猛威は日本でも徐々に振るいはじめ、沖縄では1800人とかで、これまでの最高を更新した。米軍由来なのは間違いなく、同じ米軍基地のある(岩国基地)山口や隣県の広島でもこれまでの最高を記録した。

間近に迫っていた広島を舞台にした都道府県対抗駅伝の男子の部は、広島のこんな感染状況のため中止になってしまった。これに対して女子の部のほうは京都で開催されるため、中止にはなっていないようだ。

今日13日の全国の感染者数は18000人を超え、この分だとあと一週間もしないうちに去年の8月19日だったかの最高人数25000人を追い抜くだろう。

ところが幸いと言おうか、このオミクロン株は感染力こそ非常に強いものの、重症化率と死亡率が著しく低いようだ。

その医学的根拠はよく分からないが、とにかく90%オミクロンに置き換わっているというアメリカはじめ欧米諸国でははっきりその傾向が出ている。

罹っても抗体ができやすいのか、いわゆる集団免疫に移行しつつあるのか、「疫学的」な分析はこれからだが、自分的にはオミクロン株に到って新型コロナウイルスがインフルエンザウイルスの様相になって来たように思われる。

インフルエンザウイルスはこの冬、ほとんど流行を聞いていない。たいていこの時期になると学級閉鎖だとか学年閉鎖とかの噂が耳に入るのだが、去年から一度もそれがないのだ。

それでもどこかにソ連型や香港型という名のインフルエンザウイルスは潜んでいるはずで、感染していないのか、発症しないだけなのか?

同じ様に、今度の新型コロナウイルスもオミクロン株による大流行で、大方の人間に抗体ができてしまえば、抗体に抑えられる形で発症をやめるようになり、どこかに息を潜めるようになるのではないか。

人間に罹るインフルエンザウイルスは、今冬は新型コロナに席を譲って息を潜めざるを得ないようだが、その一方で鳥インフルエンザが猛威を振るっている。

鹿児島では昨日、薩摩半島の小島「長島」の養鶏場で鳥インフルエンザの症状が出ている。その養鶏場の3キロ圏内に同じ経営体の養鶏場があるから、おそらくそこにもウイルスが飛び火しており、合計で10万羽くらいの鶏が「殺処分」されることになる。

鹿児島では去年の秋から数えて3例目で、鳥インフルエンザの症状が出た養鶏場のみならず、その半径10キロ圏内の養鶏場は鶏が死んでいなくても、移動禁止になり、ブロイラー鶏にしても採卵鶏にしても、どっちもしばらくは売ることはできないから養鶏場は大損害だ(多分、補償は付くが)。

この鳥インフルエンザウイルスの宿主は野鳥で、長島に近い出水市の出水平野の「越冬ツル」(万羽ツル。今年は1万5千羽ほど)に「高病原性インフルエンザウイルス」が以前から見つかっていた。それからの感染を防ぐために養鶏場では種々対策をとって来たのだが、防ぎきれなかったようだ。

新型コロナウイルスも、元はと言えば中国南部に生息する「コウモリ」を宿主としていたのだが、研究のためか、食用のためか、人間が関与することで外部に曝露されてしまった。言わば自然界の掟を破ったことで今度の世界的な大流行を招いたわけである。

あれからまる2年が経過したが、新型コロナウイルスも今度のオミクロン株まで変化してきて、ウイルスの「所期の目的」を達成しつつあるのではなかろうか。容易に感染はするが、人体を傷めない(発症しない)程度にどこかに潜伏するのかもしれない。文字通りウイズ・(コロナ)ウイルスになるのだろうか?