ケレタロの郷土博物館、と言っても元はたぶん修道院だった建物なので、
閑静な中庭があちこちにあるんですが、
そのひとつを通り抜けようとして、ふと目に付いたオレンジの木。
きれいな丸いオレンジが均等に散らばって葉に埋もれ、
木の足元には落ちたオレンジがひとつ。
同じ中庭のもう一方の片隅にも、オレンジの木がひっそりと。
こちらは実が少なめでしたが、噴水と並んでこれまたステキな木です。
オレンジの木って、ラテンアメリカ文学で大きな役割をすることが多い気がします。
ブラジル人作家ですがホセ・ヴァスコンセロスの書いた『ぼくのオレンジリマの木』、
(同名のメキシコ人教育者がいますが別人です。
この作品、日本では絶版になっていますが、『わんぱく天使』という題で角川文庫から出てました)
これは貧しい暮らしをしている5歳の少年が、
心のよりどころとして庭のオレンジの木と会話をするというところが出てきます。
日本では考えられないような貧しさの中で、
家族や周囲の人たちとの交流、そしてすべてが失われていくことを
わずか5歳にして学んでしまう人生の厳しさ。
何度も何度も読み返しては涙を流してしまう作品です。
もうひとつオレンジの木が印象的だったのは、
ニカラグア人女性作家のジョコンダ・ベリの書いた『La Mujer Habitada』。
『宿られた女』とでも訳せばいいでしょうか。
日本語訳は出てないと思います。
これもあまり書くとネタバレになってしまうんですが、
若い建築家である主人公の女性が、独裁政権のラテンアメリカの架空の国で、
庭のオレンジの木から実を食べているうちに過去とつながっていく話です。
インディヘナと宗主国の過去の戦いと、
現在の独裁政権を握る将軍との戦いが見事に折り重なっていく、その仕組みに
オレンジが大切な役割を果たします。
どちらの本も、まだメキシコに来る前に初めて読んで、
オレンジの木には何かラテンアメリカ人を惹きつける魅力があるのかと
不思議に思っていました。
実際にメキシコに来てみれば、こうしてどこにでも生えていて、
どちらかと言えばかわいい印象のある木なんですけどね。
それでもやはり、オレンジの木を見るたびにこの二つの作品を思い出します。
閑静な中庭があちこちにあるんですが、
そのひとつを通り抜けようとして、ふと目に付いたオレンジの木。
きれいな丸いオレンジが均等に散らばって葉に埋もれ、
木の足元には落ちたオレンジがひとつ。
同じ中庭のもう一方の片隅にも、オレンジの木がひっそりと。
こちらは実が少なめでしたが、噴水と並んでこれまたステキな木です。
オレンジの木って、ラテンアメリカ文学で大きな役割をすることが多い気がします。
ブラジル人作家ですがホセ・ヴァスコンセロスの書いた『ぼくのオレンジリマの木』、
(同名のメキシコ人教育者がいますが別人です。
この作品、日本では絶版になっていますが、『わんぱく天使』という題で角川文庫から出てました)
これは貧しい暮らしをしている5歳の少年が、
心のよりどころとして庭のオレンジの木と会話をするというところが出てきます。
日本では考えられないような貧しさの中で、
家族や周囲の人たちとの交流、そしてすべてが失われていくことを
わずか5歳にして学んでしまう人生の厳しさ。
何度も何度も読み返しては涙を流してしまう作品です。
もうひとつオレンジの木が印象的だったのは、
ニカラグア人女性作家のジョコンダ・ベリの書いた『La Mujer Habitada』。
『宿られた女』とでも訳せばいいでしょうか。
日本語訳は出てないと思います。
これもあまり書くとネタバレになってしまうんですが、
若い建築家である主人公の女性が、独裁政権のラテンアメリカの架空の国で、
庭のオレンジの木から実を食べているうちに過去とつながっていく話です。
インディヘナと宗主国の過去の戦いと、
現在の独裁政権を握る将軍との戦いが見事に折り重なっていく、その仕組みに
オレンジが大切な役割を果たします。
どちらの本も、まだメキシコに来る前に初めて読んで、
オレンジの木には何かラテンアメリカ人を惹きつける魅力があるのかと
不思議に思っていました。
実際にメキシコに来てみれば、こうしてどこにでも生えていて、
どちらかと言えばかわいい印象のある木なんですけどね。
それでもやはり、オレンジの木を見るたびにこの二つの作品を思い出します。
オレンジの花は縁起がいいと聞いた事があります。メキシコでもそうですか?
そちらはまだ寒さが残っているのでしょうか。
オレンジはメキシコでもほぼ年中食べられる果物のひとつですね。
オレンジの花が縁起がいいとは初耳でしたが、
もしかしたら記事に書いた小説の作家たちも、それを知っていたのでしょうか。
そう言えばメキシコ人作家カルロス・フエンテスの作品でも
オレンジの木がタイトルに入っているのがあったような……。
メキシコでも同じように、オレンジの木に何らかの言い伝えや伝承があっても不思議ではないですね。
強制復活しました。
この本「わんぱく天使」(題がイマイチだけど)
どうしても欲しくなって、調べましたら続編が。
こうなったら正続、購入。楽しみです。
伴侶のこと、メディア・ナランハって言いますよねぇ。
いつもなんか可愛い言い方って思います。
亀さんからのこうした本の情報、とても楽しみです。
そちらもセマナサンタ、楽しくお過ごしだったでしょうか。
『わんぱく天使』、アマゾンで調べても古本でも出品されてないようです。
『続』のほうはトンでもないお値段ではありますが、出てるようですね。
ただ、私は『続』のほうは日本にいるころ読んだはずなのですが、
『正』に比べてさほど印象が強くなかったことしか覚えていません。
実家のどこかには両方あるはずなのですが……。
Media naranja、オレンジの半分、確かにそんな言い方しますねえ。
リンゴ半分とかマンゴー半分とかアボカド半分とかではなくて……。
なぜなんだろうって考えたら、やっぱりオレンジには独特な魅力があるんでしょうか。
私も最近は日本語の本が手に入るようになってしまって、スペイン語の本をあまり読まなくなりましたが、
また折に触れていろいろ紹介していこうと思います。
桜は北陸でもそろそろ散り始めかな。
旅行、いろいろお疲れ様でした。
日本の天候、ずいぶん不順なんですねえ。
というこちらも、帰ってきたらちゃんと暑くはなっていましたが、
それでもまだ雨がぱらつくこともあるという、変なお天気です。
そちらも、気温の急激な変化で風邪など引かないよう気をつけてお過ごしください。