メキシコの隅っこ

メキシコの遺跡や動物、植物、人や風景などを写真で紹介してます

カウボーイのレストラン

2009-01-13 06:32:40 | 食べ物・飲み物
ダンナが去年の分の休暇の半分を今ごろとっているので、
1月末までは何かと外食が増えそうです。

んで、今日はまたダンナの有難い(?)提案で、
友人が食べ損ねたものを写真撮りに行ってきました~。



El Vaquero は、牛を意味する Vaca から派生した言葉で、カウボーイのことです。
この店も、数年前まではこんな立派な造りじゃなくて、
もっとしけた店だったんですが、
やっぱりおいしいと流行るんでしょうね、いつごろだったか建て直してこんなに。

中は、壁のあちこちに荷馬車の車輪だの、樽だの、
カウボーイのはく革ズボンだの、ピストルや猟銃だの、
牛の頭の剥製だの角だの、写真に飾りに魔除けに、
とにかくあらゆるカウボーイと西部劇に関係ありそうなものがディスプレイされてます。

椅子とテーブルも質素な木造の、いかにもな代物。

んで、まずは勝手にスープが出てきます。
その名は frijoles charros、チャロってのは馬乗りのことで、
フリホーレスはおなじみ、豆です。



豆とベーコンの煮込みスープですかね。
おいしいです。

テーブルにセットされるのは



ライムと緑のサルサ(ソース)と赤のサルサ、
それにトスターダ(トルティーヤを丸ごとカリッと焼いたもの)。
さらに、今日は料理が来る前からトルティーヤも出されました。

料理が来るまで暇(?)だったのでライムをアップ。

 

そして友人が食べたいと言っていて果たせなかった
Cazuela de queso、カスエラ・デ・ケソ、またはこのレストランでは
Queso fundido、ケソ・フンディード(溶かしたチーズ)と言いますが、これ。

 

木の板の上に載っけた鉄板に、じゅーじゅー言いながらやってくるチーズ。
ぶくぶくと、マジで沸騰してます。
これはチョリソ(香辛料のきついソーセージ)が混ぜてあるものです。

これ、『地球の歩き方』に載ってて、友人が食べたいって言ってたんですよねえ。
代わりに私らが今日食べてきてあげたからね~!!

糸を引くチーズを、トスターダかトルティーヤに乗っけて食します。
メキシコ人はもちろん辛いソースをぶっ掛けて!?

それからメインディッシュのアラチェラ、またはアラチェーラ arrachera。
日本語でははらみって言うんですか?
牛の横隔膜の部分ですが、これが柔らかくっておいしいんですよねえ。

 

こちらも同じく、鉄板でじゅーじゅーと湯気を上げながらやってきます。
ジューシーに炒めた玉ねぎもおいしいです。

んで、これをトルティーヤに乗っけてくるんで食べるわけですが。



この店のトルティーヤ、分厚いんです。
トウモロコシのトルティーヤなんですが、明らかに手作りで、
たぶんちょっとショートニングも混ぜてるんじゃないかと思うんですが、
もっちりとしておいしいです。
その分、お腹がすぐにいっぱいになりますが……。



トルティーヤの厚みを撮りたかったんですが、
比較対照がないとよくわからないか……。

このアラチェラはキロ単位で注文し、
私たちは最近、ふたりで4分の1キロを頼んでます。
それだとお店的には一人前なんでしょうけど、
実はこれで充分ということに、ようやく気づいた我々です。
ましてや今日は、チーズもありましたしね。

ところでこの店は、ダンナの育った街であるモンテレイの人がやってるらしいです。
そもそもカウボーイとかアラチェラってのはメキシコ北部のもの。
メキシコ北部は、湿潤なこのあたりと違ってかなり砂漠気候なので、
野菜が乏しく高価なため、肉料理が異様に発達してます。
ダンナも、実は野菜嫌いの肉好きです。
モンテレイの人って、呆れるほど野菜を食べず、ひたすら肉ばかり食います。

ダンナがモンテレイで休暇中に心臓発作起こして入院したとき、
病院に詰めている私を、ダンナのお兄さん家族がご飯食べに連れ出してくれたんですが……。
これがまた、脂肪たっぷりコレステロールたっぷりな油ぎったぎたの肉料理。
心臓発作を起こさないほうが不思議なのでありました。
(もっともダンナの発作はコレステロールのせいではありませんでしたが)

そして発作から幾数年、死にかけた(?)ことも忘れたダンナは
今日も元気に肉料理をたっぷりと食べてきたのでありました。
……私もですがね。