140億年の孤独

日々感じたこと、考えたことを記録したものです。

無線でiPhoneとPC/Macの同期を取るアプリ

2010-05-04 05:17:55 | Apple
無線でiPhoneとPC/Macの同期を取るアプリ
iPhoneでなくiPod touchだが事情は同じだ。
なぜ、WiFiが付いているのに無線で同期を取ることができないのか不思議だ。
ケーブルが見当たらないとイラッとくるので常時MacBookのUSBポートに挿している。
MacBookのUSBポートは2個しかなくUSBハブを使って増やすこともできない。
その2個をTime Machine用の外付けHDDとiPod接続用ケーブルが占有している。
地デジチューナー持っているけど接続していない。
そういうわけで無線接続できるようにしてほしい。
でも審査通らないのだろうな。

なぜ君は絶望と闘えたのか

2010-05-04 05:17:43 | 
門田隆将「なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日」という本を読んだ。
光市母子殺害事件を扱った本だ。
泣きながら一気に読んだ。
泣くのは久しぶりだ。

なんというか、私はあらゆる意味で「恵まれている」のだと感じた。
心のこと、身体のこと、家族のこと、友人のこと、仕事のこと
そこにあるのが当たり前だと思っていることに対して
感謝しなければならないのだと感じた。

最愛の妻と娘を失った境遇に耐えながら彼女らの無念を晴らそうとする「強い精神の持ち主」
私が彼に対して漠然と抱いていたイメージはそのようなものだった。
しかし彼は自分の家族を守れなかったという罪の意識に苛まれ
司法の前例踏襲主義に絶望し
何度も自殺を考えていたらしい。
その彼を支えていたのが職場の同僚や上司、同じ境遇の犯罪被害者だった。
そうやって彼は絶望と闘い続けることが出来た。

この本を読むと司法が果すべき「正義」とは何か
「死刑制度」に賛成か反対か、またその理由は何かといったことに対して
無関係ではいられなくなる。傍観者ではいられなくなる。
あるいは現実に起きている凄惨な出来事を直視しなければならなくなる。
最後の点で私は、この本の購入をためらった。
自分たちを取り巻いているであろう暴力や不正義を知ってどうするのかと・・・
しかし一方では、現実を直視しない自分を私は許さないのだ。
知らないだけならマシだが知ろうとしないことは罪なのだ・・・
そして微力な私に出来ることは、ここに記すことしかない。
知って欲しい最低限の事実を記す。

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目の前の青年が、妻の遺体を抱きしめることができなかった自分を許せない、と泣いている。あまりに変わり果てた無残な遺体。絞殺され、汚物にまみれた下半身を
犯人が拭き取ってまで死後レイプに及んだ詳細を、青年は冒頭陳述によって、初めて知った。
あの遺体。美しかった生前の弥生。それが苦悶の形相で目を薄く開き、ところどころ青紫に
変色したまま息絶えていた。それは、自分の知っている妻の姿ではなかった。
そして、そんな変わり果てた妻を見て、彼は抱きしめることができなかったのだ。
それは、この青年にとって、どうしても許せないことだった。(8ページ)
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被害者が二人で、犯人は十八歳になったばかりの少年。判決は無期懲役だろう。
相場主義に支配された日本の司法で、それ以上、つまり「死刑」を望むのは無理だ。
私は、「負け」という結果のわかっている闘いに、目の前の青年がこれから立ち向かって
いくことが哀れでならなかった。(9ページ)
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きれいな奥さんが応対した。水道設備会社の作業服姿だったFを、彼女は「検査」という
言葉を信じて部屋の中に招き入れた。トイレに入って、中に入ったFは水を流して下水の
検査のふりをした。次に風呂場に行く。Fはここでも検査のふりをした。そのあと、Fは
奥さんに「ペンチを貸してください」と頼んだ。もう一度トイレに入ったFは、ここで
トイレマジックリンを発見する。これを顔に吹きつけて目つぶしにして、それで襲おうと
決めた。トイレから出たら、ちょうど廊下を赤ん坊がハイハイしていた。Fは、赤ん坊を
抱き上げた。六畳間近くの床の上に赤ん坊を下ろすと、お母さんが赤ん坊を抱き上げる
ために前屈みになった。Fは、背後から抱きついた。仰向けに引き倒して馬乗りになった。
彼女は大声で叫び、両足をバタつかせて激しく抵抗した。そこに赤ん坊がハイハイして
しがみついて泣きはじめた。Fは、
「殺してからヤレば簡単だ」
と、手で喉仏を強く、全体重を乗せて押さえつけた。指が喉仏にめり込んだ。彼女の表情が
怖くて、Fは顔も見ずに締め続けた。やがて彼女の両手がバタッと開いて床に落ちた。
彼女が死んだと思った。生き返るのが怖くなり、ガムテープで手を縛って口をふさいだ。
それから彼女のジーパンを脱がし、パンティを引っ張り、真ん中をカッターナイフで
切って脱がした。汚物が股間についていた。
これを拭き取って、Fはセックスした。時間は二分間くらいだった。セックスを終えたあとも、
赤ん坊は母親の肩にすがって泣いていた。最初は、あやしたが、泣きやまない。
風呂桶に入れてみたが、泣きやまなかった。押入れの天袋にも入れてみたが、それでも
泣きやまなかった。
苛立ったFは、赤ん坊を両手で抱え上げて絨毯に頭から叩きつけた。一瞬、泣き声がやむ。
だが、息を吹き返した赤ん坊は、ハイハイをして、また死んだ母親の肩の所に行った。
そしてますます大きな声で泣いた。
赤ん坊を静かにさせなくちゃまずい。近所に聞かれたら人がやってくる、とFは思った。
両手で首を絞めた。だが、赤ん坊の首が細すぎてうまく絞まらない。Fは、ポケットに
入っていた剣道の小手紐を取り出した。これを首に二重に巻いて両手で絞めた。
赤ん坊は、やっと泣きやんだ。
Fは、母親の死体を押入れに運び込み、座布団で隠した。赤ん坊は体重が軽かったので
両手で抱えて、押し入れの天袋に放り込んだ。それからテーブルの上にあった財布を
盗んだ。その後、急に逃げ出さなくては、と思い、外に出た。友だちと待ち合わせていた
ゲームセンターに行き、財布にあった地域振興券でカードゲーム用のカード等を購入して
遊んだ……。
これが、Fが供述し、のちに裁判で認定された″事実"である。(75ページ)
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1999年4月14日に発生した、この犯罪を巡る裁判では、2006年になって弁護人が変わっている。
そして日本の法曹史上、信じられない出来事が起こる。弁護人が法廷を欠席したのだ。
日本の司法の最高の権威である最高裁法廷を欠席したのは、
第二東京弁護士会所属の安田好弘と、広島弁護士会所属の足立修一である。
それは単に裁判を引き延ばすという目的で実行された。
彼らは信条として「死刑制度」に反対している。
私は「人殺しが許されないのなら死刑も許されない」というのが「死刑制度」に反対する者の
根本にある主張だと思っている。なるほど理屈は通っている。
しかし遺族は必ず加害者の死刑を望む。
最愛の人の未来が暴力で奪われ人権が蹂躪されたのに
加害者の未来が保障され人権が尊重される社会に「正義」はあるのかと・・・
命が尊いものであるならば命を奪ったものは自らの命をもって償うべきであると・・・

最高裁が二審判決(無期懲役)を破棄し、広島高裁に審理を差し戻し
広島高裁での差し戻し控訴審にて死刑判決が下る。(弁護団は即日上告)
彼は終に「当然の結果」に辿り着いた。

私個人は明確に「死刑制度」に賛成している。
法治国家は遺族から復讐する権利を取り上げているのだ。
このため国家は遺族に対して「正義」を貫く義務を負っていると思う。
そういうわけで昔から「博愛主義者」とは仲が悪い。
博愛主義者に限らず「主義者」全般を信用していない。
人は思想の奴隷になってはいけない。
思想は人の道具に過ぎない。

そして最後まで疑問に思ったこと
なぜ実名でなく「F」なのか?