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140億年の孤独

日々感じたこと、考えたことを記録したものです。

七人の侍

2011-05-23 01:23:37 | 映画
黒澤監督「七人の侍」を観た。
「時は戦国時代。百姓に雇われる形で集った七人の侍が百姓との軋轢を乗り越えながら
協力し、野武士の一団と戦う物語」というあらすじ。
(Wikipediaより)

度重なる略奪に脅える百姓は弱者で村を守るための戦いは正義といった
単純な設定にはなっていない。
野武士との戦い方も結構複雑なものになっている。
そういうふうに感じるのは今の映画があまりに単純なためかもしれない。
泣かせるシーンがあって最後に大逆転というパターンを私たちは求め
映画の製作者はそれを裏切らない作品を提供し続けているのだろう。
そして何かと感動したがるのだ。

「七人の侍」はその後の多くの作品に影響を与えたそうだ。
特に「七人」という登場人物の数が引き継がれている。
その中には「ガンバの冒険」も含まれているらしい。
勇敢な七匹のネズミ・・・

上映時間は長くDVDは2枚ある。
戦いが終わった後に村は何事もなかったかのように平穏を取り戻す。
百姓の逞しい生命力と死んでいった侍との対比が
虚しさを感じさせる。

ノルウェイの森

2011-01-08 00:17:57 | 映画
ノルウェイの森を観た。
一部のシーンを除いて違和感はなかった。
まるでこういう映像になることを予測していたみたいだ。

初めて小説を読んだ時は
何故こんなに多くの人が死ななければならないのか戸惑った。
二度目、三度目はその理由を探しながら読んだ。
書かれていることは私なりに理解はした。
映画を観て当時の思いを振り返るが何も変わってはいない。
「僕はいったいどこにいるのだろう?」

その時の自分は何者でもない学生だった。
主人公と同じように本を読み旅をした。
そして何者になることも望んでいなかった。
今にしても何者でもない。
何も変わっていない。

人が死んでゆく理由も
人が生きていく理由も
よくわからない。

私たちは死ぬのが怖いから生きているのだと思う。
何かしら生きる理由を探し出して来ては安心している。
人生は素晴らしいと
命は尊いと
叫んでみても
いつの日か死はすべてを覆い尽くす。

僕は自分以外の何者にもなれないと言ってはみても
その「自分」とは何かを理解できずに
立ち尽くしている・・・

The Beatles - Norwegian Wood

カムイ外伝

2010-12-19 08:33:55 | 映画
「カムイ外伝」を見た。
何を表現するかではなく誰が演じているかが重要と思われる
本当にどうでもいい映画だった。

「変移抜刀霞斬り」や「飯綱落し」も映画なりの工夫がほしいと思ったが
本当に凡庸な演出だった。
ガッカリ。

ところで原作の「カムイ伝」はとても長い漫画だ。
そして忍者が出て来るシーンはそれほど多くはない。
江戸時代の身分制度の問題を表面的に描くのではなく
人間の業というべきものを炙り出している。
第一部の終りは凄惨なシーンだった。
それ以降は知らない。

羅生門

2010-12-19 00:02:52 | 映画
黒澤監督「羅生門」を見た。
原作になっているのは芥川龍之介の「藪の中」だ。
「羅生門」の描写は少しだけあるが原作の「羅生門」とはあまり関係ない。
1950年に公開され1951年にヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を獲得している。
60年前のモノクロ作品だが映像は素晴らしい。

映画は国際的に評価されているが原作の評価は足りないような気がする。
心理描写は「藪の中」の原作を忠実に再現しているだけだ。
金獅子賞と言ったところで表現の深さは借り物だ。
そういうところに映画の限界を感じる。

それから「藪の中」は映像にできても「羅生門」は映像にできないのだろうと思った。
アクションシーンはないし一片の救いもない物語だ。
中学か高校の教科書に載っていたような気がするが
何を教えたくて「羅生門」なんて載せたのだろう?
全く不可解だ。

隠し砦の三悪人

2010-12-10 07:06:15 | 映画
黒澤明監督「隠し砦の三悪人」を見た。
スターウォーズ(Episode IV: A New Hope)の元ネタになったという作品らしい。
なるほどよく似ている。

映画の制作技術は年々進歩しているが演出は変わっていないのだと感じた。
つまり黒澤監督が半世紀以上も前にやったことをなぞっているだけなのだろう。
リアリティという面でも今の映画は小奇麗にまとまりすぎていると思う。
客が求めているのが感動だけだとしても作り手がそれだけで満足していいの?
そんな感じがする。

時をかける少女

2010-11-27 00:31:20 | 映画
細田守監督「時をかける少女」を見た。
「サマーウォーズ」ほど幅広い年代に訴求する作品ではないが楽しめる。
それで、2回見てしまった。

私たちの年代にとっては「時をかける少女」というタイトルには
原田知世の歌と演技のイメージが纏わりついているのだが
それとは別の物語・・・

原作「時をかける少女」のヒロインは本作のヒロインの叔母にあたるそうだ。
しかし原作の内容は忘れてしまった。
アニメ化にあたって原作から大きく変更されたそうだから
気にする必要はないと思う。

理科室とゴールドベルク変奏曲という組み合わせが微妙に合っていると感じた。
「今風の主人公を出すべき」という割には古風なことをしている。
そして演出や構図は斬新なものに満ちている。

・・・
それから細田監督の長編アニメーション映画の第1作にあたる
「ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」も見たのだが
ワンピースの本編の雰囲気とは異なり怖かった。
とてもお子様向けの作品とは思えない。
この作品は1回見れば十分だ。

スカイ・クロラ

2010-11-18 06:57:23 | 映画
「2008年8月2日にアニメーション映画化。監督は押井守で、アニメーション制作はProduction I.G。
丸の内TOEI2、渋谷東急、新宿ミラノ他東急系にて公開された。」

「若い人に生きることの意味を伝えたい」という動機で制作されたそうだが
どこに生きることの意味が描かれているのかわからなかった。
多分、若くないからだろう。

アヴァロンやイノセンスに比べると駄作ではないかと思うのだが
仮にも押井監督の作品なので玄人評論家はそんなことは口にしない。
素人は責任感がないので感じたことを書いてしまう・・・
単に飛行機の姿を映像にしたかったのではないの?

「戦争がなければ平和の意味もわからない」みたいなことを語らせるのだが
そんな陳腐な言葉で生きることの意味が伝わるのだろうか?
「繰り返される戦闘を終わらせるために命を絶つ」ような行為を描くことで
生きることの意味が伝わるのだろうか?

そもそも「生きることの意味」探しは徒労に終わると私は思っている。
どちらかというと熱心に意味を求めた過去を持つから・・・
今、生きていることを大切にした方が良いと思う。

サマーウォーズ

2010-11-15 06:43:32 | 映画
「サマーウォーズは、細田守監督による日本のアニメ映画。2009年8月1日に公開された。」
三洋堂で「準新作DVD100円セール」の対象となっていたので借りてきた。

おもしろかったので2回見てしまった。
アイデアが豊富で様々な要素を融合させていながら芯がしっかりしている。
マトリックスやイノセンスとは違う仮想世界と現実世界の描写がある。

細田守監督の長編アニメーション映画としては三作目らしいが
一作目が「ワンピース」を原作としたテレビアニメの劇場版であり
二作目が「時をかける少女」なので
オリジナルとしては一作目にあたるのではないかと思う。

「批評家の東浩紀は、この映画で描かれているのは「誰も悪くない世界」であることが
最大の問題であり、大人の見られる物語ではないと発言している」といった意見もある。
映画で悪者が必要だなんて誰が決めたのだろう?
北野監督の映画のように暴力的で人がたくさん死ねば良い映画なのだろうか?
私は映画には多くを求めていない。
娯楽で十分だ。

それに「大人の見られる物語ではない」と言ったところで私の精神年齢は中二だから
そんな括りは通用しない。

わが青春のアルカディア

2010-10-12 04:56:53 | 映画
「わが青春のアルカディア」は1982年に東映パラス系で公開された松本零士原作のアニメ映画
本当は漫画の題名として昔からあった。遠い昔に立ち読みした記憶がある。
銀河鉄道999の後の製作ということで
アルカディア号のデザインはテレビアニメとは異なる艦首に髑髏をつけたものが採用されている。
ストーリーはイマイチでした。
個人的にはデザインもストーリーもテレビアニメの方が好きだ。
ハーロックがしゃべりすぎるのが良くない。
しゃべるのは台羽正の役割だと思う。
アルカディア号は船体後部がオシャレだ。
今まで見たSF作品の中でアルカディア号が一番美しいと思っている。
それから、まゆの奏でるオカリナの曲が良い。
あとテレビアニメのエンディングが良い。

キャメロン監督の原爆映画の製作止まる

2010-08-22 07:21:29 | 映画
「米ハリウッドの巨匠でカナダ出身のジェームズ・キャメロン監督が計画中の米軍による
広島・長崎への原爆投下が題材の映画「JIGOKU(地獄=仮題)」の製作が止まっている。
ハリウッドの映画会社が、商業性の低さを理由にイラク戦争のような政治的な題材から
距離を置く傾向を強めているうえ、映画の原作本が事実誤認などを理由に絶版の憂き目に
あったためとみられる」
タイタニック、アバター…キャメロン監督の原爆映画「地獄」製作止まる

アバターも賞もらえなかったし・・・
現地人を侵略しようとする地球人(アメリカ人)が負けるというのがダメダメよ☆
そしてアメリカでは原爆投下を扱うのはタブーなのだろう。
現実を直視しない人たちが「核なき世界」なんていうのはダメダメよ☆
誰かが書いていたようにキャメロンや宮崎監督は売れる映画しか作れない可哀想な監督だ。
そんな監督が商業性の低い映画を作るのはダメダメよ☆
アメリカでは原爆投下についてはメディアも黙殺しているという
映画だけじゃなくて報道の自由もダメダメよ☆
そんな国が世界の警察を気取っているようでは
21世紀もダメダメよ☆