万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

テレイドスコープの楽しみ

2006-09-18 17:47:37 | 万華鏡ブログ
昨日行われたシンクロナイズドスイミングのワールドカップで銀メダルを受賞した日本チームですが、今朝の新聞の記事のタイトルは、「水面に万華鏡」というものでした。小気味よく動きが変わるところはドライセル万華鏡かしら? スーッと動いていくところはオイルセル万華鏡かしら?などと思いつつ、万華鏡のきれいさは一般的に認識されているのだなあと思って、嬉しく思った次第です。
今日はそのシンクロにヒントを得て、テレイドスコープの写真を載せてみました。題して「ひとりでシンクロチーム?!」
このテレイドスコープは一番オーソドックスな60度ー60度ー60度の3ミラーシステムです。映し出されたものが認識しやすいので、人や映像を覗いて見て面白く思うことでしょう。雑誌のヨガのポーズを映し出したらこんな風になりました。
テレイドスコープは鏡の筒の向こう側の周囲の景色を取り込んで万華鏡模様にするのですが、ミラーシステムによって万華鏡と同じように異なったタイプの映像を楽しむことができます。2ミラーシステムで、ポイント数の多いものだと、映し出したものが何だか分からないくらい、複雑で色とりどりの模様になるので、向こうの景色を見ているとは気が付かない人もいるほどです。どこにでも持っていって、何でも見れるところがテレイドスコープの楽しさです。精度の良いテレイドスコープを一つお持ちになると、本当に楽しめます。
テレイドスコープは持って自分が向きを変えるなど動かさなければ、映像の変化がありませんが、テレビの画面ならば、自分が動かなくてもきれいな色模様を楽しめます。ぜひお試しください。
(この写真は、カメラに収めやすいけれど、ミラーもレンズもあまり精度が良くないもので撮りましたので、少しぼやけています。)
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青い光に包まれた花

2006-09-17 16:04:40 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介した依田満・百合子ご夫妻のベネチアンガラスの万華鏡は、その筒の模様が内部映像にも映りこみ、2ミラー7ポイントの曼荼羅映像の周囲に青く輝く模様を見せています。筒の表の色合いの印象とは異なって、目の前に展開する青の輝きに、一瞬驚き、目を奪われます。外側の模様が青い陰影となって浮かび上がるのです。その奥にはあえて輝きを排除した落ち着いた色合いの清楚な花がひっそりと、しかしはっきりとその姿を変えながら、映し出されます。少し控えめな色合いが組み合わされて静かにその存在を主張しているような、心に残る花々です。ドライセルなので、筒を回転するたびに、カシャッという音と共に、映像がパッと変わるのが、何ともいえず心地よい万華鏡です。
写真では写りきれていませんが、実際には眼のすぐ前までこの青の陰影が見えます。これは、ミラーシステムの第3面をオープンにするか、光を透過する素材を使っているからかと思います。先端部だけでなく、筒全体から光が入っていて、筒の回転により、ミラーシステムへの光の入り込み方が異なるからでしょうか、青だけでなくほかの色も時々見えてきます。素敵な演出効果です。
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ベネチアの花々に囲まれた万華鏡

2006-09-16 22:23:52 | 万華鏡ブログ
これは依田満・百合子夫妻のベネチアンガラスを使ったシリーズの万華鏡です。2003年ザ・ブリュースター・ソサエティーのコンベンションに出品された「天と地のエネルギー」という万華鏡の地球の中心にあった筒の部分とほぼ同じデザインです。
模様はムリーニというガラス細工。ガラス棒を組み合わせて模様を作り金太郎飴のようにスライスしたものを、さらに並べ、窯の中で暖めて板状にし、巻き上げ、宙吹きでこのような筒に仕上げます。ベネチアンガラスで特徴的なデザインですが、ムラノの工房に特注なさったと伺っています。引き伸ばされて不均等に並んだムリーニの花々が、斬新なデザインになっていると思いました。金色、赤、オレンジ、グリーン、白などが基調となっていますが、この模様が内部の映像に不思議な効果をもたらすところが、この万華鏡の最大の特徴です。
すでにアートとして確立したものを、万華鏡として作品にするには、その価値を高める必要があると思いますが、依田さんの作品は期待を裏切ることなく、さらに新たな美を生み出し、万華鏡の命を吹き込んで、万華鏡ファンの心を惹き付けます。
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筒の中の透明な花たち

2006-09-15 12:14:38 | 万華鏡ブログ
昨日に続いて、「ういすかあ」で拝見した細井厚子さんの万華鏡です。シンプルな外観の手持ち型万華鏡ですが、「琥珀」「シフォン」「海に咲く花」「cherry blossom」「草水晶」「宇宙」と名付けられたそれぞれの作品は、なるほどと感じ入る、どれも違った独特の映像世界を見せてくれます。オイルセルの作品を持って回そうとすると、お店のスタッフの方が「回さないでそのまま見てください」とおっしゃるので、じっと待っているとゆったりと映像が動きます。視界から消えたら180度回してじっと見るのです。回して楽しむ万華鏡が多い中、手を止めて映像の変化を楽しむというスタイルは新鮮でした。オブジェクトセルの中の繊細なガラスオブジェクトの量が少ないのは、このような楽しみ方をするためだということがよく分かりました。細井さんの表現したい、万華鏡に託した想いが伝わってくる作品に静かに見入ってしまいました。オーナーの方も、覗くと元気をもらえるような万華鏡も多いけれど、細井さんの作品は覗くと心が落ち着き、気持ちが和らぐ、癒しの万華鏡だとおっしゃっていました。余分な色を排除し、静かに、繊細に動く様子には、音楽よりも静寂が合うのかもしれません。余韻や余白あるいは沈黙に意味を感じる日本の伝統的なアート表現に通ずるような気がします。これらの万華鏡の内部映像の魅力は細井さんご自身ののウェブサイト「細井厚子の万華鏡 透明な花」で大変美しく表現されていますのでご紹介しておきます。
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細井厚子さんの「教会」万華鏡

2006-09-14 20:42:41 | 万華鏡ブログ
小田急線の玉川学園駅から5分ほど歩いたところに、目指すレストラン「ういすかあ」はありました。細井厚子さんの万華鏡を見に伺ったのですが、とても心地よい雰囲気のお店で、静かにゆったりと万華鏡を楽しむことが出来ます。クラフトやアートの教室、コンサートなどを催されるという店内には、ガラス作品、クラフト作品、すっきりと生けられた野の草花、オーナーのコレクションの品々などが飾られ、目で楽しみながら食事やお茶をいただける素敵な空間でした。お店のほぼ中央のテーブルに置かれた細井さんの作品は、柔らかい光を発するこの教会と、独特の映像世界を表現する手持ち型の万華鏡が6点です。細井さんの作品を目的に来る人、偶然このお店で細井さんの作品に触れて感動する人、どこで売っているのか捜し求めてくる人、そんな人々を、「ゆっくりここで楽しんでください」 という風に迎えてくれるのです。
この教会は黒い屋根の部分をそっとはずすと、アイホールになっています。教会の中のオブジェクトの形状はわかりませんでしたが横に長く、ツイン2ミラーシステム (4枚の鏡を薄い菱形に組んだもの)を通して見ます。赤や緑のガラスが下からの明かりを受けて、2つの円形の映像を中心に映し出され、さらに視野いっぱいに広がります。クリスマスの雰囲気を感じる映像でした。ステンドガラスの窓から漏れてくる明かりと共に、映像にも温かみを感じ、ほっとするような万華鏡です。
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偏光素材の万華鏡

2006-09-13 17:04:11 | 万華鏡ブログ
この万華鏡映像の美しい色合いは光が生み出す色です。セルの中に入っているオブジェクトはそれ自体は色のない、透明なブラスチックなどの樹脂素材のみなのですが、偏光フィルムを2枚使うことで、オブジェクトの重なりが不思議な色に変化し、美しい映像を生み出すのです。その原理は高校時代習ったはずなのですが、万華鏡のオブジェクトで出会うまでは、意識することもなく、理解の範疇を超えておりました。万華鏡のオブジェクトに使った卵のケースの切れ端が、なぜこんなきれいな色になるんだろう?とただ不思議でした。
偏光フィルムは特定の振動方向の光だけを透過させる性質があり、2枚を重ねることで、偏光の方向を決めます。それらの間に圧延加工されたプラスチック素材を入れるとそこを通る光の波長の違いや、表面で反射した光との干渉によって虹色の色合いが生み出されるのだそうです。(未だによくわかっていないのがばればれですね…)
万華鏡の発明者、ブリュースター郷は偏光の研究者でしたが、その頃にはなかったであろうプラスチックという素材の偏光フィルムやオブジェクトが、万華鏡の中に、こんなにきれいで面白い映像を生み出すことを知ったらびっくりなさったことでしょう。
この万華鏡は、友人が万華鏡教室で習って作ったものですが、映像の変化の美しさに感動します。
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依田満・百合子夫妻の万華鏡キット作品

2006-09-12 17:45:59 | 万華鏡ブログ
このユニークな形状の万華鏡は、昨年秋日本万華鏡倶楽部の万華鏡手作り教室に参加させていただき、作ったものです。依田満・百合子夫妻の考案による万華鏡キットで、時計にもなっています。昨年のザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのコンベンションでの受賞作品、大型の「Time」をイメージしたキットです。
アクリル製で、右側のクランクを回すと、オイルセルが回転する仕組みです。時計の奥、下に少し見えているのがテイパードミラーシステム(先端に向けて細くなっている鏡を3枚組み合わせた鏡の筒)の覗き口側で、持ち上げて底から覗くと、球状の立体映像が見えます。底の部分の覗き口にあたる部分だけレンズ状に加工されており、高さ6cmほどのミラーシステムでも焦点距離が合うように工夫されています。全体が透き通って見えるデザイン、オブジェクトセルを回転させる仕組み、時計を組み込んで、映像も大型作品の雰囲気をそのまま伝えるところが、素晴らしいキット作品です。
作家さんのアイディアと工夫を凝らした万華鏡を、直接教えていただきながら作ったものは、私のコレクションの大切な一品となりました。私はこの1回のみしか参加できておりませんが、毎回新しく、万華鏡作家の方が考案なさったオリジナルキットを使っての教室だそうで、部品の設計から材料の調達まですべてを作家さんがなさるそうです。作家の方にとっても大変なエネルギーを必要とする万華鏡教室ですね。
次回は10月15日。この教室に関する情報はhttp://www.kaleido-japan.com/tedukri/でご覧ください。
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流れる青が美しい万華鏡

2006-09-11 21:35:53 | 万華鏡ブログ
佐藤元洋さんの吹きガラス万華鏡「Pure」ピュアです。ガラスの曲線美と青から白へと流れるような色の濃淡が大変きれいな万華鏡です。シリーズものですが、一つ一つ手作りなので、それぞれ出来上がった姿も違っています。
球状のオイル入りのオブジェクトセルには青、緑、黄色、淡い紫などの透明なオブジェクトと半透明な白のオブジェクトがバランスよく入っています。オブジェクトの繊細な形状や色合い、オイルの量など、よく考えられて創られていることが分かります。外から見ても、中を覗いても、とても美しくできていると思います。次から次へと変化する映像に目が離せなくなる万華鏡の醍醐味を味わうことのできる作品です。
3ミラーシステムですが、真正面にきれいに6ポイントの映像が見え、その周りを重なるように映像が囲んでいます。少し上に向けて下から覗き込むようにしてみるのがポイントです。オイルを閉じ込めた後も温度の変化に耐えるように、予めオイルを温めてオブジェクトセルを作ると聞きました。ガラス製ですが、他の万華鏡と同様、直射日光のあたる場所には置かないで下さいと佐藤さんはおっしゃっていました。
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四角い万華鏡映像

2006-09-10 22:02:34 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介したKDスコープ工房のウィルホイット夫妻のセラミック万華鏡のひとつ、「Twisted」の内部映像です。2ミラーシステム、4ポイントの映像ですが、正方形に見えるところが特徴です。スカーフの模様のようですね。
そういえば、デヴィッド・ブリュースター卿が200年ほど前に万華鏡を考案したときには、装飾芸術の分野で役に立つ道具になるだろうと考えたそうです。鏡の反射で生み出された反復模様をヒントに、カーテンや絨毯や生地のデザイン、家具の製作、建築デザイン、ジュエリーのデザイン、装飾画のパターン、あるいは造園デザインなど、そのようなプロフェッショナルのデザインを生み出すツールとしての役目を果たすことが出来るのではと考えたのです。実際にはそれ以上の大きな反響があり、当時の多くの人に楽しまれたことは、以前にも書いたと思います。
ウィルホイット夫妻の意図は、もちろんそうではなかったと思いますが、この万華鏡を覗いて変化する映像を見ていると、スカーフのデザインをいろいろ見ているような気がして、このようなエピソードを思い出しました。
この万華鏡はセラミックの胴体にひねりを加えた造形からTwisted という名前がついています。外部のセラミックの色合いに応じて選ばれたオブジェクトがきれいな模様を生み出します。内部・外部ともユニークなデザインの万華鏡です。
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水色の万華鏡

2006-09-09 22:53:56 | 万華鏡ブログ
この水色のセラミック製の万華鏡はKDスコープ工房のケン&ドリー・ウィルホイット夫妻の作品です。ウィルホイット夫妻は1993年頃から万華鏡を製作しており、アルミニウム、真鍮、ステンレスを使ったスマートな作品で知られていますが、2005年から新しい方向性としてセラミックを素材とした万華鏡を作っています。セルの部分にはアルミニウムが使われており、スムーズに回転します。セラミック素材は色、デザインなど自由な広がりを期待でき、すでに5-6種類が作られていますが、それぞれのテーマに合わせて、ミラーシステムやオブジェクトの選択がなされています。このアクセントになっている金色の燭台は、メノラーといってユダヤ教の儀式に使われるもので、ユダヤ教の象徴的な道具だそうです。アメリカは多民族、多文化の世界ですが、ユダヤ教にまつわるアート作品も多く、このようにシンボルとして使われることがよくあります。
この万華鏡の特徴はオイルセルの背景の部分が青く透明になっていることで、光を通して2ミラー6ポイントの青く輝く映像を生み出すところです。水色の筒の色とよく合ってきれいです。この作品の名前はHoy Veyといいますが、友人のあるギャラリーのオーナーの名前から名づけたそうです。
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