万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

最後で最初の万華鏡展

2014-12-26 11:55:22 | 万華鏡ブログ

今年もたくさんの万華鏡展がありました。 ギャラリーで、美術館で、デパートで、たくさんの作家さんの作品を見る機会も多かったと思います。 一方で、東京近辺に偏りがちなため、足を運ぶことができない万華鏡ファンの方もいらっしゃるようで、少しでも感動を分かち合えたらと思い、このブログでもご紹介させていただきました。
掲載を快諾してくださった作家さん、関係者の皆さまには心から感謝申し上げます。 

また拙い撮影技術ながら、たくさんの写真の中から、一番よさそうなものを選んで載せましたが、万華鏡の本当の美しさ、奥深さは、受け止める側の個人差もあり、やはり実物を見るに勝ることはないことを充分に承知の上で、それでもお伝えしたいと思って書かせていただいています。

さて今日は2014年最後で2015年最初の万華鏡展のお知らせです。 東京、有楽町の東京国際フォーラムにある、フォーラム・アートショップ内のギャラリーで 「万華鏡 光りが紡ぐ華模様 II」という展示会が明日(12月27日から1月18日まで)開催されます。

上の写真、次の写真は参加作家のお一人、細野朝士さんの万華鏡映像です。

 二人目は小林綾花さん。

三組目は桐林恭子さん・亨さん。

そして4人目は佐藤元洋さん。

この万華鏡展はサブタイトルが「ブリュースターからの贈り物」と書いてあります。 昨年に続き2回目の開催ですが、 今年の切り口はブリュースター卿の発明した万華鏡の進化形を見ていただきたいということです。 
とはいえ、手に持って覗き、動かすことで楽しめるというアートは、デジタルやヴァーチャルがあふれる世の中で、アナログ的なアートでもあり、新しくて古いところもあります。
この4人(組)の作家さんの万華鏡はそれぞれ独自の世界を見せてくれると思います。 
冬休みのひと時を万華鏡をゆっくり覗いて楽しんでいただきたいです。

会期:12月27日から1月18日まで
時間:10時~20時 (最終日は17時まで) 
年末年始の営業日、営業時間は変更がありますのでお電話でお確かめください。
フォーラム・アートショップ  03-3286-6716 
東京都千代田区丸の内 3-5-1 東京国際フォーラム B棟1階 

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ダイヤモンドダスト

2014-12-25 22:21:07 | 万華鏡ブログ

今日ご紹介するのは依田満さん・百合子さんご夫妻の最新作のひとつ、「ダイヤモンドダスト」です。 

透明な筒を万華鏡のボディーに使うのは、ちょっとしたチャレンジです。 筒の中のミラーシステムはほとんどの万華鏡の場合、外からは見えないように作るのですが、この作品の筒は透明なガラスの表面が平坦でなく、面取りをしたような感じになっているので、光の反射が分散して、ミラーシステムがあることはわかるけれど、デザインの一部として溶け込んでいる感じなのです。

底の方は、表面に細かい波が立つような凹凸があり、ガラスの内側の青や緑の色をきらめきながら外に映し出します。 ガラスの中にきれいな湖があるようです。

そしてこれらのガラスの表情が、内部の映像にも影響を与えます。
第3面がオープンになった2ミラーシステムなので、そこから筒のガラスの表情も取り込んで、中心の万華鏡映像の周りを飾ります。

キラキラとした点が映像を飾ることから、「ダイヤモンドダスト」というタイトルなのでしょう。

上の作品は「ブルー」ですが、次にご紹介するのは「ワイン」です。 

きれいなワイン色をガラスの中に閉じ込めました。 少しだけ緑色が混ざった美しい赤紫色が、透明感たっぷりのきれいなガラスの筒で美しく輝くようです。 


こちらも細かい煌めきの点が映像を飾ります。



写真では透明感ときらめきを映しきれていませんが、今までの作品とはまた一味違った魅力的な映像展開です。

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Happy Holidays! #5

2014-12-24 15:30:04 | 万華鏡ブログ

今日は日本の作家さん二人のクリスマス万華鏡です。

最初の作品は松宮真理子さんの「Spirit of Christmas」 (スピリット・オブ・クリスマス)。
ステンドガラスの作品ですが、透明なガラスの下に木製のオーナメントを飾っています。

とてもお洒落な作品を創る作家さんで、ガラスの使い方や色使いに独自の表現が生かされていると思います。

映像は色数を抑えながらも、クリスマスらしい雰囲気が感じられます。 透明な無色のガラスオブジェクトも多く使われていて、きらめき感のある万華鏡です。
2ミラーシステムの第3面に反射する素材を使っているので、模様がさらに反射して輝きがより遠くまで届くような感じです。

2つ目の作品は小林綾花さんの「プラーナ」です。 外観はシンプルですが、美しい木材と金属の組み合わせが、これもお洒落ですね。

「プラーナ」はいろいろな木材を使っているシリーズの万華鏡ですが、今回のものは、小林さんがクリスマスを意識して創られた作品です。

映像からもその雰囲気が伝わってきますね。 小林さんらしいきらめきと5ポイントの星のような映像が素敵です。

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Happy Holidays! #4

2014-12-23 15:55:51 | 万華鏡ブログ

クリスマスツリーの並んだ映像、可愛らしいですね。 これは2008年にデュレット夫妻が発表したクリスマススコープで、「Spirit of Christmas」(スピリット・オブ・クリスマス)という万華鏡です。

上品なゴールドのボディーにもクリスマスツリーが飾られています。

もう製作も終わってしまった限定版ですが、当時もとても人気があって、完売したと思います。

クリスマスをとても大切になさっていた作家さんで、いろいろなクリスマス万華鏡を創ってこられました。 どれも温かな雰囲気ときれいな映像、そして変わらない品質の作品ですので、コレクターさんのもとでいつまでも楽しまれていることでしょう。

この作品の特徴の一つは、オブジェクトセルとその背景の部分が別々に動く仕組みです。
背景の部分に偏光フィルターを使っていて、映り込む色合いが変わるのです。

最初の映像写真と違う5ポイントの星型の映像ですが、この作品には覗き口が2か所あり、それぞれに違ったミラーシステムが組み込まれています。

同じ部分の繰り返しのはずなのですが、この種の万華鏡は色が違うのが不思議で面白いです。

こちらは、コーラスラインと呼ばれる横に長く連なる映像ですが、マスキングという手法で、もみの木が並ぶように見えています。 これも繰り返しですが、色が違っているのがお分かりになると思います。このように、2種類の映像があり、しかもいろいろな色模様を背景に見えているのですから、楽しみがたくさんある万華鏡です。

オブジェクトセルにはクリスマスのイメージを膨らませるアイテムが選ばれ、変化する映像を見ていると、クリスマスの楽しい雰囲気が伝わってきます。

先日、仙台万華鏡美術館でこの万華鏡が展示されていて、久しぶりに拝見しました。 やっぱりデュレット夫妻の万華鏡は素敵だなあとあらためて感動しました。 

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Happy Holidays! #3

2014-12-21 14:14:36 | 万華鏡ブログ

今日もクリスマスの万華鏡です。 
ドリー&ケン・ウィルホイット夫妻の"Chiristmas Scope" です。
白い陶器の筒に手描きで可愛らしいクリスマスツリーが描かれています。

もともとは金属の万華鏡を製作する作家さんでしたが、陶器の作品が多くなってきました。
オブジェクトセルの部分には金属を使い、滑らかな動きで先端部を回転させることができます。

オブジェクトにはガラスやビーズ、メタル細工などいろいろな細かいものを使っています。 筒のテーマに合わせて、オイルセルの中で展開するきれいな2ミラーの映像です。

遊び心とバランスのとれたきれいさが、この作家さんの持ち味です。ジングルベルが聞こえて来そうな万華鏡だなと思います。

遊び心は大人だからこそ嬉しいですね。

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Happy Holidays! #2

2014-12-20 16:01:01 | 万華鏡ブログ

万華鏡には何かわくわくするものがあります。 作家さんがわくわくしながら創っているんだなと感じることもよくあります。 
今日ご紹介するクリスマス万華鏡は、ジュディス・ポールさん、トム・ダーデンさんご夫妻の万華鏡「Lit from within」 です。 内側から光を灯すという意味でしょうか。

ダイクロイックガラスでデザインされたクリスマスツリー。 見る方向や光の当たり方で微妙に色を変えます。

ジュディスさんのオブジェクトセルから生まれる映像には、とてもわくわくします。

細かい緑色のビーズがクリスマスツリーのイメージに重なって、そこに展開する色模様は華やかだけれど、落ち着きがあっていいなと感じます。

ひそやかに見え隠れする輝きが、星のような映像を飾ることも。

 

青い輝きはツリーを飾る電球のようです。

細かいビーズの使い方がとても上手なジュディスさんの映像なので、上から下を覗き、回転させるだけでなく、オブジェくトセルの中がひっくり返るように、時折筒を上に向けて見ると、面白いです。

おとなのクリスマスシーンを飾るのにぴったりの万華鏡です。
 

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Happy Holidays! #1

2014-12-19 23:06:41 | 万華鏡ブログ

クリスマスの万華鏡は心浮き立つものです。 今日はそのような作品の中から、デュレット夫妻のクリスマス万華鏡をご紹介します。

「Into the Forest (森の中へ)」と題する作品で、2007年に製作されました。 サリーさんが書いたクリスマスのストーリーを万華鏡に仕立てたものです。

オブジェクトセルが大きく、その中にクリスマスの雰囲気を生み出すビーズやメタルオブジェクト、金色の松ぼっくりなど素材も大きさも違うオブジェクトが織りなす映像は、温かくて、とてもきれいです。

映り込むオブジェクトによって違った表情を見せる映像は、さまざまなクリスマスシーンを見るようで、そこにいろいろな思いを重ねて見入ってしまいます。

クリスマスリースのようにも見える映像もあります。 万華鏡を通して、いろいろなリースが生まれてくるのも楽しいです。 

この作品はクリスマス万華鏡3部作として創られた一番目の作品です。 そして2番目のThe Gathering が創られたのが、2012年。 どちらも作家さんの気持ちのこもった素晴らしい万華鏡だと思います。 現在製作活動を休止中のご夫妻が3部作を完成させてくれる日を夢見ています。

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光の贈り物 2014 

2014-12-18 22:03:46 | 万華鏡ブログ

今年も松屋銀座店で開催中の赤津純子さんの作品展に伺いました。
今回の新作は、「回廊」 という作品です。

中の映像が奥への連なりを感じさせる横並びの映像なので、その立体感を「回廊」というタイトルに込めました。
たくさん並んでいる「回廊」ですが、その小さなオブジェクトセルの中のオブジェクトもそれぞれ違っていて、色や形の組み合わせも違っているのです。 どれにしようか、すべて見てみないと気が済まない人も多いことでしょう。 選んでいる時間は至福の時間なのではないでしょうか?そして、たくさんの中から「これ!」と選ばれるのは、その人にとっての一番であり、いわゆる万華鏡との相性といえるでしょう。 

赤津さんの小さな万華鏡 「凸」は掌にのってしまう、そしてタイトル通りの形をした作品です。
小ささに挑戦しているような万華鏡ですが、覗けばいろいろな模様が展開し、その静かながらダイナミックな変化に心惹かれます。 次に現れる模様の想像が全くつかないのですから。

内部には5ポイントの繊細な映像が展開します。 たとえば、何も描かれていない空間が雄弁な日本の山水画のように、少ない花で大きな世界を表現する生け花のように、オブジェクトの描く模様にもたっぷりとした無の空間があるのが赤津さんの映像表現の特徴に思えます。

昨年から創り続けている「相響む(あいとよむ)」は、黒い背景の作品です。 

白い背景とは異なったオブジェクトの使い方で、素敵な映像世界を見せています。

赤津さんはステンドガラスの作品だけでなく、フェルト素材を使ったほっこりとした万華鏡も創っています。  とても軽くて暖かい雰囲気の万華鏡ですね。

とても薄いオブジェクトセルに薄いオブジェクトを使っているので、映像は鮮明になり、重なり合いが美しい模様を演出します。

静かで、やさしい色模様の展開は、外観の柔らかさと相まって、覗く人を温かい気持ちにしてくれる万華鏡です。

赤津純子作品展
2014年12月17日 から23日(最終日17:00まで)
松屋銀座7階 遊びのギャラリー にて開催中。 赤津さんはほとんどの時間在廊していらっしゃいます。

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ガラスと光のコラボレーション

2014-12-08 11:06:38 | 万華鏡ブログ

吹きガラスの作家、佐藤元洋さんと 偏光万華鏡の作家、細野朝士さんのコラボレーション作品です。 お二人の作風が融合したとても珍しくて、すてきな万華鏡です。

ボディーのガラスはとてもきれいなブルー。 手に持ちやすい大きさと形です。 そこから細野さんのステンレスの筒と組み合わされていますが、オブジェクトセルの入っているガラスのボディーは、滑らかに回転させることができる仕組みになっています。

ミラーシステムは角度の狭い二等辺三角形に組まれています。 中心のマンダラ模様は2ミラーの映像のように大きくまとまっていて、周りをマンダラ模様が重なるように飾ります。

偏光素材とガラスオブジェクトが組み合わされているので、実に多彩な色模様を見せています。

思いがけない展開に目が離せなくなります。

セルを回転させることで偏光の作用があり、背景が明るくなったり、虹色になったり、そして黒くなったりするのでしょう。 光に色をつける、光を通す、重なり合う・・・偶然が生み出す不思議さがいっぱいの万華鏡。 しかしながら、その端正な色模様は十分に作家さんの創意を感じる作品です。

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連なりとリズムが魅力の万華鏡

2014-12-07 13:12:48 | 万華鏡ブログ

赤津純子さんの最新作「回廊」をご紹介します。 赤津さんは年末の恒例となった松屋銀座店での作品展で、この作品を手にとって見ていただきたいとおっしゃっています。

DMに書かれた赤津さんのメッセージです。

「手の中に納まる六角柱の塔に、アラベスク模様の<回廊>を秘めました。
空や海や風、草花の色を映して。
静かな瞬間を旅していただけましたら、幸いです。 」

 

「回廊」と名付けたのは、奥へいざなう、美しい回廊をイメージした映像表現からです。ガラスの精に導かれるように、その世界に入り込んで、組み合わされる美を楽しんでいただきたい作品です。

4枚に組んだ筒の3面に鏡、そしてもう一面は黒くて反射しない素材を使うと、横に繰り返す長い模様になります。 

その上、その4枚をテイパードに組むことで、その帯のような映像に奥行きができ、奥へつながる輪のような映像になります。 ミラーをテイパードに組むというのは、ミラーの幅が均一ではなく、先の方が少し細くなっている状態で組み合わされているものです。 
その角度の付け方で、模様もミラーシステムの形も変わってきますので、何度も試行錯誤の上、全体の大きさと映像表現の美しさがかみ合うようなサイズを決めるのだと思います。

ボディーは、自然を表すような青、緑、白が美しいガラスを六角柱のように組んでいます。小ぶりで軽くて、回しやすい万華鏡です。

透き通ったガラスの美しさに、細く引いたガラスオブジェクトが組み合わせられ、リズムのある模様を生み出します。 

それぞれに色や形を変えたオブジェクトが、その万華鏡の個性を生み出します。 どんな映像がお好みでしょうか。 外観は似ていても、中の回廊の景色はみんな違うのです。  万華鏡の面白さですね。

 

赤津さんの繊細なオブジェクトには以前から定評がありますが、それにしてもこの重なり合いの模様の美しさ、変化する楽しさには、あらためて感動します。

この作品を含めた赤津さんの「光の贈り物」をぜひ作品展の会場で覗いていただきたいと思います。

会期: 2014年12月17日~23日
     午前10時~午後8時   12月19日~22日は午後9時まで
     最終日(23日)は、午後5時まで
場所: 松屋銀座 7F 遊びのギャラリー  
     中央区銀座3-6-1

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