万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

アメシスト 

2015-02-19 19:04:10 | 万華鏡ブログ

今日ご紹介するのは、ジュディス・ポールさん、トム・ダーデンさんご夫妻の万華鏡「アメシスト」です。
アメシストは2月の誕生石。 トップに飾ったアメシストの存在感ある万華鏡です。

最近の作品はどれもオイル入りオブジェクトセルを交換できるのが、彼らの作品の特徴で、先端部の黒い輪を外すと、セルを引き出すことができます。 セルはこんな風になっています。
黒い輪はカチッとしっかりと留まるので、取り外しをしても、しっかりと取り付けられて安心です。
それでいて、オブジェクトセルの回転は滑らかです。

アメシストのイメージでパープルをメインカラーにしながらも、ジュディスさんらしいオブジェクトの構成で、とても透明感にあふれた魅力ある映像が次々に生まれます。 このセルの見ただけでも、美しい映像が約束された気持ちになります。 

セルの背景は透明なので光を通し、オブジェクトにも透明感のあるものを使っています。 それに加えて金色の小鳥やバラの花、キラキラするビーズなど、ジュディスさんの経験に基づいた選択眼と美しいものを愛する眼で選ばれたオブジェクトです。 

この作品も覗いた瞬間からその美しさに惹かれました。紫水晶のジュエリーが生まれてくるようです。

どんなものでも思いがけない美しい映像に生まれ変わらせる万華鏡ですが、テーマを追求し単に美しいだけでなく、その世界を動くアートとして、何倍にも広げて見せてくれるところが、作家さんが創る万華鏡のアートです。

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桜咲くコスモ

2015-02-18 17:15:58 | 万華鏡ブログ

ルーク&サリー・デュレット夫妻が、ご夫妻にとっての思い出の地に引っ越されたという知らせにびっくりしたのは昨年のことでした。 万華鏡製作のための工房がやっとできたようで、ルークさんがまた製作を始めたとの嬉しいニュースでした。 

今回届いたのは「コスモ」シリーズですが、桜の図案があしらわれたこの写真の作品は初めてで新鮮な感じです。 図案は同じでも、組み合わされた木材はいろいろです。

オブジェクトはビーズやメタル素材のもの、ワイヤー細工など鮮やかな色の組み合わせです。
2ミラーシステムは大きな9ポイントの丸い映像が展開します。

3ミラーシステムは視野いっぱいに広がる「スターバースト」と名付けられた映像です。

さまざまな寄木模様の薄板をはめ込んだ、従来のコスモシリーズも、いろいろな素材の木材と組み合わせて、スマートでお洒落なデザインに仕上がっています。


木材の温かみと軽やかさで、持ちやすく、覗きやすい万華鏡です。 そして中には驚くほど鮮やかな映像が展開します。
今後、また製作の幅が広がって、デュレット夫妻らしい温かみとストーリーのある万華鏡が生まれたらもっと嬉しいなあと思います。

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華雪

2015-02-12 21:48:23 | 万華鏡ブログ

依田さんご夫妻の工房から、「華雪」をご紹介します。 透明なガラスに白い雪が舞い、きれいな色の粒が散る筒。 中にどんな模様が見えるのか、わくわくします。

筒底は透明で平らですが、筒の中にあるオブジェクトセルの一部が見えています。 この小さなオブジェクトセルの中に小さいけれど手作りで、表情のあるガラスオブジェクトが入っています。

オープン2ミラーシステムで、鏡の第3面が閉じていないため、筒のガラスの模様を取り込んで、中心映像の周りを飾ります。 細かい白い粒とカラフルな粒が見えています。

中心映像の周りを首飾りのように色の点が囲んでいます。 これも外の筒の模様の一部です。
白い優しさに包まれた可愛らしい印象です。

ガラスの表面は艶があり、透明感のある筒です。 

1点ずつ覗きながら、オブジェクトを選び、丁寧に製作された依田さんの万華鏡は、優しさと詩心にあふれていて、覗くと心がほっとするなあといつも思います。 

 

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ピーコック : 最後のカラースピリット 

2015-02-10 15:39:01 | 万華鏡ブログ

マイケル・コリアさんのカラースピリットシリーズは、手ごろな価格ながら、高品質で本格的な万華鏡として親しまれてきました。 残念ながらいよいよ製作を終えることが伝えられましたが、最後にこんな作品が出て来ました。

パープル、ライム、アクア の3色をミックスした「Peacock ピーコック」です。 通常の作品は色がテーマで、それぞれのカラーに合わせたオブジェクトが映像を生み出すのですが、このピーコックはオブジェクトセルの中も3色がテーマです。

そして生まれ出たのが美しい映像。 まるでその名のとおり、孔雀の羽のようですね。

コリア工房の作るオブジェクトセルは、大きめのオイル入りで、質感の異なるオブジェクトがバランス良く組み合わされています。 ポリマークレイで作られた鮮やかな色合いのオブジェクトが特徴の一つでしょうか。 そのマットな質感と、キラキラした輝きが流れながら次の模様を生み出していきます。 この最後の作品を見ても、まだたくさんの可能性を秘めていることが感じられ、この続きを見られないのが、ほんのしばらくの間であることを願わずにはいられません。

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Kiyomi : マンダラシリーズ最新作 by Randy & Shelley Knapp

2015-02-09 17:08:10 | 万華鏡ブログ

ランディー・ナップ、シェリー・ナップ夫妻は26年間にわたって、万華鏡を創り続けて来ました。 その過程で得た知識や技術を駆使して、質の高い、新たな作品を生み出してゆく姿勢には、尊敬の念を抱かずにはいられません。
今日ご紹介するのは、手持ち型の「マンダラシリーズ」の最新作 「Kiyomi」です。 
これで、マンダラシリーズは全部で6種類になりました。 それぞれ特徴のある木材の薄板を巻き、きれいに磨き上げています。
「Kiyomi」はチェリー材を使っています。 大きめの木目が特徴で、同じ模様のものはないでしょう。 オイルセルのトップの部分、セルを回すローテイターの部分、そしてアイホールと木製の台は黒でまとめられています。 ランディーさんの機能的にも優れたデザインです。

オブジェクトセルの特徴は光を取り入れる横の部分にダイクロイックフィルターを並べていることです。 これにより、強めの光が当たると、マンダラ映像の背景に明るく光る色合いが加わり、さらに豊かな表情を見せます。

「Kiyomi」はランディーさんがお気に入りのブライトイメージでまとめられています。 オブジェクトは鮮やかなブルー、イエロー、オレンジ、グリーン、レッドなどで、シェリーさんがイタリアのガラスケインをランプワークで加工して創ります。 ダイクロイックガラスのオブジェクトも含まれていて、色彩豊かな映像が次々に生まれる様子から目が離せなくなります。

ミラーシステムは2ミラーで6ポイントの映像です。 テイパードミラーシステムで筒の先端に行くほどミラーの幅が少し広くなっています。 この傾きがあることで、覗いた時、正面にマンダラ映像の中心があり、シンメトリーの整った映像が大きく見える効果があります。

横からフィルターを通して当たる光りの色を感じるでしょうか。
いろいろな光源のもとで楽しんでいただきたい万華鏡です。

ランディーさんの作る万華鏡の覗き口は少しくぼんでいます。 覗く時、ぴったりと筒に合わせると、外からの光を遮断して、黒い中に浮き上がる映像がよりくっきりと見えるのです。

「Kiyomi」がその“ピュアな美しさ”で覗く人の生活を明るくすることが作家さんの願いです。

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佐藤元洋さん作・百々花さん作:雪の結晶万華鏡

2015-02-08 19:28:55 | 万華鏡ブログ

佐藤元洋さんの吹きガラスの万華鏡は、紺色のガラスに銀が散って、雪が舞う景色です。
3ミラーシステムを通して視野いっぱいに美しい雪模様が見えています。

この万華鏡にはオブジェクトセルに工夫があり、白いラインのように見える模様がガラスオブジェクトの色模様に重なります。透明なオブジェクトと半透明なオブジェクト、ブルーやホワイトの織りなす美しい雪景色ですね。

六角形の雪模様を飾るラインは、切子ガラスのようなカットが映り込んでいるものと伺いました。垣間見えるきらめきとともに、雪を演出する素敵な表現だと思います。

次は百々花さんの作品を2点ご紹介します。 いろいろな素材、いろいろな技術を駆使した百々花さんの万華鏡は、テーマをいつもきれいに表現しているだけでなく、細部にまでこだわって丁寧に創られ、そこに込めた思いが伝わってくる気がします。

上の作品は、白にうっすらと虹色の輝きを載せたイリデッセントガラスの筒に、ガラス球のようなオイルセルがついている作品です。 オブジェクトの色味を抑え、透明なオブジェクトも使って、淡い色合いの雪を見せています。

下の作品はガラスの下に雪の結晶模様を閉じ込めた筒と、黒い背景のオブジェクトセルが特徴です。 どちらも丁寧な装飾はんだが筒を飾ります。

ご紹介できるのは、ほんの一瞬の雪模様。 今見た美しさは次の瞬間に姿を変えます。 だから万華鏡は手にとって、じっくりその世界に向き合っていただくと、その面白さが分かります。
万華鏡を手にとって覗く機会がありましたら、ぜひ、作品を味わうつもりでご覧下さいね。そして作家さんの生み出す個性的な世界を楽しんでいただければ嬉しいです。

覚王山アパートでの最後の万華鏡展には、もっともっとたくさんの素敵な作品がありました。
写真が撮りきれなかったり、お目にかかった万華鏡仲間の方とのお話がはずんだりで、限られた時間の中で、すべての作家さんの作品をご紹介できず残念です。また次の機会があることを信じています。 

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細井さん作・中里さん作:雪の結晶万華鏡 

2015-02-01 11:22:00 | 万華鏡ブログ

真っ白でシンプルなスタイルは細井厚子さんのステンドガラス万華鏡の特徴です。 清々しい白い作品ですね。 大きい方はオイル入りで、とてもゆったりと流れるオイルセルです。

オブジェクトは繊細で、少なめです。 位置を確認して、筒を回さずに覗き続けると、静かに舞い降りる雪の世界に入り込みます。 この静けさと雪の美しさが細井さんの作品の独特な魅力です。目で追うだけでなく、体で感じる気がします。

小さい方はドライセルで2ミラー6ポイント。 

透明で繊細なガラスオブジェクトから 六角形の雪の結晶が次々に生み出されます。
静かに深い思いを込めずにはいられない細井さんの作品に惹かれる人が多いこともうなずけます。

次は中里さんの雪の結晶万華鏡です。 Katagami シリーズで雪の結晶です。 日本の着物に使われていたデザインなのでしょうか。 斬新な感じがしますね。

上の作品は角度の狭い2ミラーで、大きな曼荼羅模様を展開します。 虹色の輝きが美しいです。

下の作品は角度の狭い二等辺三角形に組んだ3ミラーで、偏光フィルターを使い、2種類のオブジェクトで映像を表現します。 オブジェクトセルの中が偏光フィルターで分けられていて 半分は偏光素材で透明な輝きが見えています。 

もう半分がバーナーワークによるガラスオブジェクトです。白やブルーのラインが織りなすくっきりとした清々しい映像展開です。

 同じテーマから作家さんの想像性と創造性が発揮され、丁寧な手仕事で生み出される万華鏡の数々を見ていると、万華鏡というアートの限りない広がりと魅力を感じます。 そして覗いた一瞬ごとに違った模様を見ているという偶然の出会いの積み重ねながら、多くの人と共有できる感動にも驚きます。 

万華鏡はいいなあと心から思える万華鏡展でした。 昨日で終わってしまいましたが、もう少し作品のご紹介は続きます。

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