万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

私の見てきた万華鏡の世界 #3

2023-03-31 09:57:59 | 万華鏡ブログ

アメリカの万華鏡の歴史の中で大活躍し、この数年、創作活動から離れて行った作家も少なからずいる。惜しまれながらも新たな生き方を模索している人、高齢になり制作活動を控える人。
彼らの築いた時代、創った万華鏡はまだ輝きを失っていない。彼らの時代を見てきた私はその作品の素晴らしかったこと、彼らのオリジナリティを、改めて伝えたいと思う。

1998年ブリュースター・ソサエティの万華鏡コンベンションに初参加して以来、コロナ禍で中止になる前まで、毎回アメリカの各地に赴き、現地の作家さんやコレクター、ギャラリーの方々と交流してきた。 アメリカの美術館、アートセンターで開催される万華鏡展も見に行った。コージー・ベーカーさんのお宅で、ホーム・ギャラリーを見せて頂き話を伺ったこと、ジュディス・ポールさんのお宅でコレクションを見せて頂いたことも大きな思い出だ。


コリア工房、デュレット工房、カラディモス工房など訪問して制作の現場を見せていただき、作品への理解を深めることができた。 万華鏡の店を訪ねて、見たことのない作品を見せてもらい興奮した。

アメリカが現代万華鏡の本拠地だったと思う。少しでも日本とアメリカの万華鏡界に貢献したくて ブリュースター・カレイドスコープソサエティのインターナショナル担当役員もさせていただいた。
そしていつしか日本でも万華鏡のコンベンションを開きたいと仲間内で話すようになった。
2017年、京都で万華鏡世界大会がついに実現した。それなりに大きなインパクトがあったのではないだろうか。 


日本では万華鏡を創る人がますます増えているのは喜ばしいことだと思う一方、日本の中だけで完結することなく、万華鏡を世界に発信し続けることに挑戦してほしいと願っている。

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私の見てきた万華鏡の世界 #2

2023-03-30 09:12:18 | 万華鏡ブログ

万華鏡を覗くのは個人的な体験だし、通常の万華鏡は同じ映像を皆で分かち合うことができないけれど、万華鏡を覗くと「ねえ見て!こんな風に見えてる!こんなにきれい!」と言いたくなる。覗いてびっくりし、笑顔になる人を見ることが嬉しかった。 
もっと知ってもらいたい。 おもちゃではなく、作家さんが創る素敵な万華鏡があること、紙筒ではないいろいろな素材の作品があること。覗けば予想を超えた色模様が展開することを。
そんな思いから、2006年「万華鏡の楽しみ、ガラス色の幸せ」というブログを始めた。
私の出会った作家、作品のことを皆さんに紹介できることが私の喜びだった。今までに1789回の投稿をしてきたが、すべて万華鏡についての写真付きの記事である。

最近では、作家さん自身がインターネット上に発信することが多くなり、また情報もあふれている。動画での投稿で万華鏡を紹介する人も多い。万華鏡にも時代の流れを感じるところだ。  (続く)

 

 

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私の見てきた万華鏡の世界 #1

2023-03-28 20:56:55 | 万華鏡ブログ

この度ご縁があって、私の持っている万華鏡を京都万華鏡ミュージアムで展示する機会を頂きました。私は所謂コレクターではないのですが、現代の万華鏡に出会ってから二十数年たち、その過程でたくさんの作品と出会い、作家さんと出会うことで面白い経験を積ませていただいた気がします。そんなストーリーを絡めた展示にしたく、私の思いを綴った文章も会場に展示させていただきました。

以下はその内容です。数回に分けてこのブログにも載せることにしました。

 

私の万華鏡史は26年ほど前、アメリカの万華鏡から始まる。
翻訳のアルバイト先として友人に紹介された万華鏡専門店で出会ったのが、現代の万華鏡だった。 それは衝撃的な出会いだった。覗くと見たことのない美しい景色が存在していた。
任された仕事は、「カレイドスコープ・ルネッサンス」と題するコージー・ベーカーさんによる本やブリュースター・ソサエティの季刊誌を翻訳することだった。読み進むにつれてその世界の面白さ、奥深さに惹かれていった。

あの頃、万華鏡は輸入品だった。 アメリカで様々なアーティストが万華鏡アートに関わり、次々と作品を創っていたあの時代。コージー・ベーカーさんは作家たち、作品を扱うギャラリー、そしてコレクターをつなぎ、ブリュースター・ソサエティを設立し、万華鏡アートの大きなうねりを巻き起こした。1816年の発明により当時のヨーロッパで大きなブームを起こしたものの、その後すたれていた万華鏡がアートとして生まれ変わったこのうねりをカレイドスコープ・ルネッサンスと名付け、万華鏡の第一人者として皆をリードしていた。そのアメリカから輸入された万華鏡に日本人は驚いた。
子供の頃から知っているはずの万華鏡とは全く違うものだったから。
それは花火、それは宇宙、それは完結した中心を持つ円形の模様。素材も多岐に及び、デザインも、大きさも様々だった。いろいろな挑戦があった。 この時代の作品は、コージー・ベーカーさんの本に載っているが、その多様な魅力は現代の万華鏡界の礎となった。彼らの創造性を超えるのは難しいかもしれない。それほど斬新だった。

2000年代になって少しずつ日本でも万華鏡を創る人や、万華鏡愛好家のグループも生まれていた。 でも今ほどインターネットも普及しておらず、万華鏡の情報は相変わらず少なかった。           (続く)

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